古稀背包客放浪記

古稀バックパッカーの東南アジア見て歩る記

成都への道(蜀の南桟道)

2009-09-29 15:49:18 | 日記
その9 還暦背包族(bei bao zu)ベイバオズ

2009年9月18日(金)

昨夜は酷かった。蚊との格闘で一夜が明けた感じだ。一時間単位で二三度うつらうつらしただけだ。血を吸った残骸が白いシーツに点々と残る。十五六匹との格闘の賜物だ。
沈黙の時間と時々蚊と戦うタオルの音がするだけの長い長い時間だ。そんなこんなで碌に眠れぬ夜だった。

成都行きのバスは8時30分定刻に発車する。ボロのボロで新品のときは本当に新しかったのだろうかと思わせる。造った最初から中古だったのではないかと思わせる風情だ。

昨日までの山岳道路の景観は実に素晴らしいものだが、それにも増して成都までのルートも更に十数倍も素晴らしい。蜀の桟道をまだ見ていないので何とも言えないが、蜀の南桟道とも言える南からの道路も素晴らしい。

昨日までの山岳道路は高度を強調した構造の道路だったが、いわゆる、山の中にある山岳道路だった。今日のコースは高度もあるが巾もあり、更にそのスケールが大きい。渓谷の大きさ一つ一つが大きいのだ。いわゆるより平野に近い所にあり川幅が断然広いのだ。

そんな地形の中を道路は縫って行く。14時間のバスの旅だ。交通事故で3度待ち停車し、故障で放置してあるトラックが20台以上、今まさに事故を起こして処置している現場が5台、惨憺たる交通事情だ。

あちこちで高速道路を急ピッチで建設している。二三年したらがらりと変わってしまうだろう。その時には、ここを十数時間懸けてやって来たとは夢の世界に思われるかもしれない。

成都には夜の10時過ぎに着いた。定刻なのか遅く着いたのかは解からない。
着いた羊石場バスステーションは成都のどの方向なのか何も解からない。白タクや旅館のおばちゃんの声も一段と激しい。
行こうと思う旅舎はあるのだが、住所や電話番号は解からない。とにかく五月蝿い客引きを離れるのが先決だ。南の方向から来たのだから常識的には都市の南の方に違いない。
人の流れていく方向に付いて行く。

中国移動通信の事務所があったのでそこでインターネットをさせてもらおうと行くが、全く通じない。路上でパソコンを持ち出しインターネットを始める。何処かのワイヤレスが反応してインターネットが通じた。すかさず目的の旅舎の電話番号と住所をメモする。
その間に周りに住民が集まりだして、中国移動通信の女性事務員も入れて20人位になってしまった。事務員に事情を説明(筆談で)し、電話をしてもらう。宿には通じたが、ピックアップも無理でタクシーで来てくれとの事。

タクシーで行こうと帰りかけると、事務員のおネーちゃんが警察を呼んでいる。「この日本人は言葉が解からず、これから一人で行こうとしている、、、」間もなくタクシーではなくパトカーがやって来た。おネーちゃんの曰く、私が送ってあげたいが、それは警察の仕事、だからパトカーに送ってもらいなさいとのこと。おいおい、余りにも大げさになったんではないのかい。とにかく、周りを囲んだ皆が警察に送って行けと言っている。その声に警察も無碍に拒否も出来ずパトカーに乗れとの仕草。後部座席に乗り込み、周りの皆様に有難う、有難うといって別れる。

パトカーで10分程送ってもらい、警官が流しのタクシーを捕まえて、この男を此処まで送っていけとの強制命令をだす。車のナンバーを記録するのでタクシーの運転手はモゴモゴ文句を言っていたが仕方なしに行き先を変更して乗せてくれる。正直に送ってもらう。

おネーちゃん、石羊場客車担当の警察の皆さん有難うございました。


2009年9月21日(月)

金沙遺跡博物館へ行く。入場料金の80元がパンダカードのお陰でタダだ。そうなんです。パンダカードを1元で購入して、登録するだけで、成都の主な観光地の入場料がタダになるんです。四川地震後の観光客減少に歯止めをかけるたの政策だ。

その儲けだと思いその金額以上に奮発してしまった。干し牛肉を900gr買い、夕食も奮発して火鍋屋に行く。デパートの食品売り場での仕入れも含めて、結局150元程消費する。

冷えたビールが美味い。冷たいのと断らない限り、中国の啤酒は常温が常識だ。高級なレストランに行って初めて冷たいビールにありつける。

博物館の展示も遺跡もタダだと思うと、感覚以上に良いものに思えてくる。金の仮面や太陽環、ひざまつく石像等々、それなりに見応えがある。何よりも発掘遺跡その物が大きな屋根に覆われてある。数千年前の世界があると思うだけでジーンとくる。

屋外に6500年前の発掘された樹が放ったらかしてある。幹周りが2,1m長さが数十mもある。此ちらの方が更にジーンとくる。6500年前の木を直接触る。削ればまだ香気が残っているかもしれない。木の更なる生命力を感じる。




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