うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評 ~ 脳と気持ちの整理術

2012年06月11日 | 書評
ずいぶん更新をサボってしまいました。

気を取り直して!書評から再開していきたいと思います。
今週のチョイスはこちら。



  



「脳と気持ちの整理術」 築山 節 著


以前この書評で紹介した「脳が冴える15の習慣」の続編です。
著者の築山氏は脳神経外科の医師。

非常に解りやすい言い回しで「脳のしくみ」「脳の正しい使い方」を教えてくれます。



今回のテーマは「意欲・実行・解決力を高める」。

そのための効果的な脳の使い方を解説しています。


まず築山氏の持論から・・・



・「脳はやる気を失いやすいもの」であり
・「見聞きした情報を失いやすいもの」であり
・「思考を混乱させやすいもの」である。



大切なのは脳の機能的な制約を理解し、それを補う使い方を心がけること。


・「やる気を失いやすい脳」にやる気を持たせるために、意識的に良い刺激を与えていく。
・「忘れやすい脳」にしっかり情報を覚えさせるために、少しだけ工夫する。
・「脳に冷静さを維持させる」ために、問題を物理的に整理する技術を身に着ける。



そういったことが出来て初めて、【無限の可能性を秘めた脳の力】をよりダイナミックに生かしていくこともできる。
それが私が考える正しい脳の使い方である。


と述べています。
「15の習慣」でも言っていましたが、それくらい脳というのは不完全な、万能でないモノ。

よほどの天才、秀才でない限り、いかにその仕組み、性質を理解し、上手に使っていくかで
アウトプットには雲泥の差が出来てくる。

すなわち世の中で言う「できる人」というのは「脳の使い方が上手な人」と言えるのでしょう。



それではこの著書で【拾った、使えそうなこと】いくつか紹介します。


1.意欲を高めるために・・・


・ 興奮状態は意欲につながる。
  自分の意思で脳に刺激を与え、ほどよい興奮状態を作り出すことが理想。


・ 「テキパキと行動している状態」が脳にほどよい興奮状態をもたらす。

・ 短時間の集中 × 多数 で脳は活性化される。


・ 前向きな自分をつくるためには「目標を脳にはっきり意識させることが大事」


・ 人からの感謝や評価というのは、意欲を高めるうえで最もわかりやすいエネルギー源。
  それを得ることを目標として、自分の行動目標を考えるようにする。



2. 脳の疲れについて・・・


・ 脳も筋肉と同じように、使うと疲労する。

・ 同じことを続けると 脳が早く疲れやすい。 → 仕事のやり方に変化を持たせる。
  場所を変える、方法を変える  → 脳の使う場所が変化する。

・ 目を休める → 日中に脳を休める良い方法。目を閉じて情報の入力を止める。

・「明日の私」を戦力ダウンさせないために、できるだけ睡眠時間を確保する。



3. 思考を整理するために・・・



・ まず現状を正確に把握することが大事。
 「なんとなく不安だ」「気になる」といった【感情系の動き】に、【思考系の分析】を加えてバランスを保っていく。

・ 感情的な「問題の過大評価」が冷静に思考する力を奪う。
  たくさんの問題に対処するときは【徹底的に見える化】、脳の中だけで処理できるとは思ってはいけない。

・ 一つ一つの問題に深く集中するためには、他のことが気になるという感情をうまくコントロールすることが大事。


4. 時間的整理術


・ 1か月分の仕事は、「30日分の私」で対処すればよい。【時間の流れ】を見失うとパニックになりやすい。

・ 今考えなくてよい資料は目につかない場所に保管する。いらなくなったものは早く処分する。

・ 【まとまった時間】など出来ない。 → 大きな問題は細切れにしてコツコツ対処。


5. 気持ちのコントロール、


・ 感情のコントロールは 【楽なこと6】、【少し面倒なこと3】、【すごく面倒なこと1】
   ~ 6.3.1のバランスがちょうどよい。このバランスが脳の健康を保ち、意欲、実行力を高めることにつながる。

・ 少しくらい「嫌なこと、面倒なこと」はあって当然だと考え、受け入れることにする。 

・ 解釈を変え、不快を和らげる → 「相手の脳で考える」「第三者の脳で考える」。


・ 自分本位に生きようと思えば、いくらでもそうできるが、そういう生き方は脳にとって決して楽ではない。
  人間はどこかで、誰かに動かされていた方が楽なものである。





ちょっとまとめるのに失敗しましたが、非常に解りやすく良い本です。
「目からウロコ」もたくさんあります。

なかなか日常的にこのように考えることは難しいもの。
こういった本を読むたびに読書の大切さを改めて思い知ります。


ここのところサボり気味ですので、頑張って続けていきたいと思います。



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