表彰状
○年○組 ○○○○ 様
あなたは、今年度第1回英検において、○級に合格しました。あなたの向上心と日々の努力を称え、ここに表します。
人生はその人の考えの所産である マルクス・アウレリウス
本当の自分を出したいから、
半分の人に好かれれば十分 田丸美寿々
あなたには、前向きに生きようとする力や挑戦する勇気があります。あなたのこれらの能力を活かして、あなたの考える人生を築いてください。半分の人に好かれれば十分、というくらいのゆったりした気持ちを持って。
平成16年10月25日
県立だいこん高等学校長 奥井太郎
年輩の英検担当の先生が、英検に合格した生徒をほめてほしいといってきたときには、奥井はかなりうれしかったようですよ。生徒をほめる風土が広まることを望んでましたからね、奥井は。
英検にチャレンジしようという生徒たちに、少しでも後押しをしてあげたかったようです。頑張っているのを見ている人がいるよって。
ところで、「人生はその人の考えの所産である」ってありますが、人生はその人の考えた通りになるってことでしょうか。そうかなあ、そんなにうまくはいきませんよ、人生ってやつは。
誰だって、思った通りになってほしいと願ってるじゃないですか。けれど、ほとんど思った通りになりゃあしません。だから、人生はその人の考えの所産であるっていわれても、ちょっと信じられませんなぁ。ウソとまでは言いませんが…ね。
マルクス・アウレリウスという人は、ローマ帝国の皇帝で、哲人皇帝と言われた人です。確か「自省録」を書いた人ですよね。この言葉は、自省録にあったのでしょうか。
そんな偉い人が、ウソを書くわけはないし………あ~~~、そうか!
皇帝だから、考えたとおりの人生を送ることができたんですよ、きっと。
田丸美寿々さんの言葉のほうは、わかります。
八方美人はいけません。みんなに好かれようなんて考えてたら、自分がやりたいことなんてできやしないですよ。
人に全部理解してもらえるなんて、期待しちゃいけません。人は誤解するものだし、始めから偏見を持って理解しようとする人もいるし、理解しようと考えもしない人たちがほとんどです。
ですから、何かをやろうとしたら、半分の人は反対するくらいの気持ちでいたほうがいいと思います。
全員が賛成することなんて、あり得ません。全員が賛成したように見える場合でも、反対の意思表示をしないだけです。
賛成は、半分もいたらもう、できすぎ。反対しない人が、半分以上いれば充分です。
マルクス・アウレリウスについては、奥井は、ちょっと違ったことを言ってました。
ちょうど今、奥井は、塩野七生さんのローマ人の物語を文庫版で読んでいるそうです。「賢帝の世紀[下]26」を読み終えたところらしいです。この巻には、マルクス・アウレリウスの前の皇帝アントニウス・ピウスのことを書いてあるそうです。マルクス・アウレリウスについては、次の「すべての道はローマに通ず」に書かれているらしいですな。
奥井は、マルクス・アウレリウスのいうように、人生はその人の考えているとおりになるって言うんです。ただ、考えているといっても、意識的に考えているというよりも、無意識に考えている通りになるって言うんですよ。
金持ちになりたいとか、勉強ができるようになりたいとか、人は口ではそう言うけれど、本心ではないって、奥井は言います。
私は本心ですよ。金持ちになりたいし、頭がよくなりたいって思ってますよ。
そう言ったら、こう言われました。
「本当に、心からそう思ってる?
本当に心から願っているなら、そうなろうとしているだろう。お前がなろうと努力していないのなら、心から思ってるわけではないってことさ。
金持ちになりたいっていうけれど、どうせ無理だってあきらめてないかい?心の奥底であきらめているから、金持ちになれないんだよ。無意識に、どうせできっこないって思ってるから、願いは叶わないのさ。
どうせできっこないって思う心を、できるって変えなくちゃならないんだ。できるって信じて、やるんだって強い意志を持って行動することさ。
本当に心の奥底から欲していることなら、無意識のうちに、願いに向かって歩き始めているはず。意識しなくても、願いを叶える方法を選んで、実行しているよ。
考えもしないことは、絶対に実現しないだろう。考え、願うから、叶うんだよ。
だから、マルクス・アウレリウスの言ってることは正しいと思うよ。」
そうかもしれません。