表彰状
○年○組 ○○○○ 様
あなたは今年度第２回英検において、○級に合格しました。あなたの日々の努力を称え、ここに表します。
強く願い続ければ
夢は必ず叶う
夢見るためにあるのではなく
叶えるためにあるのが夢
あなたの夢は叶えるためにあります。
あなたには挑戦する勇気や継続する力があるので、夢を叶えることができます。自分の力を信じて、歩み続けてください。
十年後にきっと、いつの間にこんな処まで来てしまったのかと驚くことでしょう。
平成１７年１月１８日
県立だいこん高等学校長 奥井太郎
自分から英検にチャレンジしようとする、その気持ちがいいねぇ。若者には、頑張ってもらいたいね。
俺なんか、もう疲れちまってね。歳だし。あんまり夢見るって感じじゃないねぇ。
秋の夜長には、テレビを消して、窓を開けて涼しい風を入れて、ボーっと夢見ながらまどろんでいるってのが最高です。
若いうちは昼寝が嫌いでね、時間を損したようで。でも、今は昼寝が好きですよ。大の字になって温かな陽に包まれて昼寝するってのは、神様に包まれてる気がしてきます。至福のときですな。これは奥井も同じだって言ってましたよ。
奥井のやつは、いつも夢に向かってずんずん進んでいくようなやつで、あきらめが悪いって言うか、懲りないやつです。疲れないんですかねぇ。若いっていうか、鈍感っていうか、ようするにバカなんです。
そんなやつにつき合ってる俺もバカです。ただね、奥井が歩いていく先に何があるのかなあと、俺にはわからないんだけど、そいつを見たいと思ってしまいましてね。楽しみだから、つき合ってるんです。
少し遅くなりましたが、３学期の始業式でのあいさつを、奥井に紹介してもらいましょう。
「確か、年末のインドネシア・スマトラ沖地震とインド洋津波の話から始めたように思うな。
日本でも、新潟中越地震があったばかりだったし…。復興には大変な時間と費用がかかる。地球規模で人々がつながり合い、助け合う時代になったのではないかって話したと思う。
自分の世界に閉じこもるのではなく、世界とつながって生きることがこれからの若い人たちにとって当たり前になっていく。そういう視点から自分の生き方を見つめる必要がある。そんなふうに話を続けたかなぁ。
自分の生き方を見つめる上で、まず、自分の良さ、日本の良さを自覚してほしいと、いつも思ってたからねぇ。
大きな災害が起こったとき、盗みや略奪、物資の横領など、治安が悪化することが往々にしてあるよね。実際、今回のインド洋津波の被害にあった国でもそうしたことが起きていたんだ。子供の人身売買などの犯罪も起こっている。
しかし、日本ではそうしたことがほとんどない。これはすごいことだよ。今回の新潟中越地震もそうだし、阪神・淡路大震災のときも、互いに助け合い、火事場泥棒など考えないでしょう。
災害にあったとき、自分だけ得しようとは思わないのが日本人です。生活の手段を奪われて見通しの立たない人も、一人だけ大騒ぎしたりせず、悲惨さを人に見せないようにし、困難に立ち向かおうとしています。
これは、本当に誇りに思っていい。というより、誇りに思ってほしいと、強く思うんだ。
日本人には、こうした良さがあり、君たちのなかにもある。そう訴えました。
この日本人の良さの上に、君たち一人ひとりの良さがあるのに、自分の良さを自覚していない者が多いのではないか。すごく残念だし、もったいない。
そこで、自分の良さを知り、人生を充実したものとする方法を話したんだよ。方法は３つ。無能唱元さんという方が教えてくれたことです。
第一に、自分の才能を表現し、世間にそれを認めてもらうこと。
自分を磨き、自分を表現することを楽しむことです。高校生活でいえば、勉強や部活、文化祭、体育祭などで活躍することでしょうか。
第二には、他人のために役立つようなことをすること。
他人に喜びを与えるにはどうやったらよいか、常に考え思いやることです。特別な才能はなくてもできることです。
第三は、自分の心を高めるような呪文を三回唱えて、自己暗示をかけること。
例えば、『私の志は空より高い』『私の心は海より広い』『私は人のために役立ちつつある』などの呪文です。自分に才能があるかどうかは考えないことです。
桜の木は、冬の間に花を咲かせる準備をしています。花を咲かせる前の枝からは、桜色の染料がとれますが、咲いた後ではとれません。
今、諸君は、自分のなかにある大きな力を引き出し、育てる時期にいる。３つの方法を試して、充実した人生を味わってほしい。君たちは、君たちが思うよりもっと素晴らしい。もっと自分を活かしてほしい。
そんな話をしましたね。 」