はがきのおくりもの

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第46話 年間成績優秀者(H17.3.23発送) <77通 通算1889通>

2006年10月12日 | だいこん高物語 2004

 表彰状
 ○年○組 ○○○○ 様
 あなたは第○学年の学業において、大変優秀な成績を修めました。あなたの一年間の努力を称え、ここに表します。

  努力する者は希望を語る
  怠ける者は不満を語る

 あなたが生きてゆく高度情報化社会では、勉強し鍛えた能力が求められます。自分を信じて努力を続けてください。きっと夢や希望を叶えることができます。あなたが自分を活かして充実した人生を築いていくことを期待しています。
  平成17年3月23日
  県立だいこん高等学校長 奥井太郎 



 1、2年生の年間成績優秀者にも、3年生と同じはがきを送ったんですね。


 「高度情報化社会」とか「知価社会」とかいいますが、何か頭のいい人ばかりが得をするような社会みたい感じてしまうのは、私だけでしょうか。

 「頭がいいって言ったって、頭がよく生まれたに過ぎない。頭がいいだけでは、偉くも何ともない」って、奥井がよく言うんですが、私もそんな気がします。

 頭がよく生まれてきた人が、自分のためだけにその能力を使っていい暮らしをするのは、ずるいと思います。高度情報化社会では、アイデアや知恵のある人ばかりが金儲けをして、贅沢な暮らしができるような気がします。コツコツと真面目に働くだけでは、家族を養うだけのカネを稼ぐことができないとしたら、おかしな世の中です。賢い者勝ちっていうのは、頭がよく生まれた者勝ちで、何か納得できません。

 そう言って憤慨して話したら、奥井が言うんです。


「確かにそう。

 でも、頭がよく生まれた者は、自分のためにその能力を使っているだけでは、本当には満足できないんだ。心の奥底で、いつもイライラしていて、落ち着かないんだよ。

 自分のためが当然で、人のためというのは偽善、と思い込んでしまった現代人は、本当には幸福になれない。自分がその能力を持って生まれてきた理由というか、使命があるんだけれど、それに気づいて、自分の使命を果たさなくては、本当には人は幸福になれないようなんだ。

 そのことに、人は、心の奥底の無意識は気づいている。

 自分を活かすということは、自分の使命を果たすということ。成績優秀者にはぜひ気づいてほしいね。そして、自分のまわりにいる人たちのために、小さなことでもいいから、何かしてあげられるようになってほしいと思うよ。 」


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