単気筒ライダー(だった男)のひとりごと

愛犬チビ と CB400SSライダーだった前期高齢者の日々

喪失感

2016-10-26 | 盛岡・岩手・ラグビー仲間

 

仙岩峠を下りて、盛岡に向かっています。

「盛岡へ行った時でいいから。」と、奥サンに頼まれたお使いがある。

 


 

奥サン、ムスコ、ムスメ、それぞれのお好みで所望する「白沢せんべい」を調達。

 


 

色々、趣向を凝らしたせんべいもあるけど、ボクは頑固に、「ゴマ」一筋。

 


 

そして、盛岡に来れば、確かめておきたいこと。

高松の池から小路に入る。

 


 

燃料屋さんの奥のアパートには、コーヒー好きのプロップのシュンロウさん。

そのアパートは、今も、当時の雰囲気を残しながら、そこにある。

 


 

暗い街灯の下、足を引きずりながら帰った「高松マンション」。

当時、何の木だったろうか、道の中ほどに、樹齢を重ねた大きな木があった。

 


 

大家さんちが見える。

去年の二月、ヤスと来た時の工事は、クボ高の駐車場整備だったんだね。

 


 

大家さんちの前は、そうっと、静かに通ったっけ。

小路に面した部屋で、孫むすめさんが、一所懸命、受験勉強してたから。

 


 

一瞬、時間が止まった・・。

駐車場の舗装が、そこだけ、新しい。

ここが、あった場所。

なくなっちゃった。

 


 

消えてしまって、改めて、存在の深さを知る。買い取るわけにもいかなかったしなあ。

テラさんが腕を振るった三人分、いや、シュンロウさんと四人分の夕食。

日曜の早朝、セイザブロウさんの部屋から大音量で響く「われら青春!♪♪」。

繕ってもらいたくて、大家さんのおばさんにわざと見えるように干した、破れた練習着。

みんな、消えていく。 

 


 

帰りの路は、西和賀町経由の最短コース。

雫石町から山伏トンネルを抜けると西和賀町。

もう午後4時を過ぎて、山峡を走る道は日が陰り、風も強く、寒い!!

 


 

昼飯を後回しにしていたのは、およね食堂の蕎麦を食べたかったから。

予定より一時間ほど遅れたけど、中でおばさん二人が談笑している。

閉まっていなかったので、ホッとした。

 


 

入ってみたら、おばさん二人が困ったような顔をしてボクを見ている・・。

二人はお客さんじゃなかった。暖簾を下した後、奥サンと従業員がお茶していたところ。

悟ったボクに、「新そばだから食べていって。」 西和賀はあったかいです。細井先輩! 

 


 

冷え切った身体をここの湯で癒したかったけど、随分な人だかり。

地元の人たちが入る時間だ。ボクも帰りの時間が気になってきた・・、諦めよう。

あとで気づいた。人だかりは、高校生の子供を駅に迎えに来た親御さんたちだ。

 


 

暗い夜道を寒さに耐え、ただ、黙々と走ってきた。

雄勝のインターを下り、コンビニで一休み。ここから、あと二時間とかからない。

 


 

普段、コンビニを利用しないので、コーヒーの注文の仕方がわからない。

若い娘さんに助けてもらい、小さなコーナーでコーヒーを口にした。

冷えた身体が、ほんの少しだけれど、温まってきた。

物静かだった、ヨシカワのおじさん。

いつも着物姿で、品があって、優しかった、ヨシカワのおばさん。

「高松マンション」もなくなって、あと、盛岡に何が残っているんだろ。