教育者のパーカー・パーマーは「Let your life speak」の中で、
『職業とは何かを突き詰めていくと、「エゴ」の本音を覗くことになる。それは、誰もが日々意識している「自分」ではなく、器としての「自分」を通して人生を送ろうとしている、という事実である。
つまり、私は「自分の人生」と呼ぶ、表面的な、職業の型（器）にはまった経験の下には、実はもっと深い、もっと真実の、本来なりたい自分が送るべき人生がある。
この違いを感じ取るには、時間と過酷な経験が必要だ』
この意味を理解するには時間が必要かもしれません。
私なりの解釈をお話ししてみますと、
「職業」とは充実した人生を送る人社会の「役」です。
私たちは、其々が「役者」であり、「組織舞台」や「社会舞台」をより魅力的で面白いものに創り上げてゆこうと、上手く「演じる」努力をしています。
映画やテレビドラマでは、主役にはスポットが当たり、準主役も華やかな存在です。
そして、脇役は主役・準主役を盛り立てる「役割」を担い、エキストラは台詞も無く目立つことはありませんが、「シーン」に無くてはならない存在です。
シナリオライターがストーリーを仕立て、監督が「役者」の個性を尊重し、輝くオーラを引き出してゆく事で、観客に喜んで貰える舞台を創ります。
組織社会も同じこと。エキストラの価値は大きく、無くてはならない役割です。
プロフェッショナル役者を舞台で輝かせる事が出来る監督こそ「名監督」と呼ばれます。
仕事も同じです。
舞台を作るには、其々の人びとの役回りが必要です。そして「監督」が「役者」の個性と能力を引き出して、素晴らしい「演技」を演出し、観客たる「社会」や「顧客」に感動を提供します。
其々の役回りの人びとは「仕事」という「役」を演じているわけですが、その根底にある「自我」を表出しているわけではありません。
私も「社長役」を担っていた時の事を思い起こすと腹落ちする言葉です！
パーカーの言う
『「自分の人生」と呼ぶ、表面的な、職業の型（器）にはまった経験の下には、実はもっと深い、もっと真実の、本来なりたい自分が送るべき人生がある。』
意味が、なんとなく見えてきませんか！
組織の意思（ビジョンや理念、並びに方針や戦略）にそぐいながら（アライメントとも言います）、自分の人生デザインは、仕事時間だけではなく、暮らし時間を含めて主体的に自分自身が脚本を書く意識を持ちましょう！ということ。
仕事に縛られ過ぎる人生は楽しくありません。
組織に務めることとは、「役割」を与えられた「役者」として、プロイズムを発揮してゆくことと考えてみると、また違う世界を感じられることになります。
エイジレス・ライフデザインに役立つ心持ちの視点です。