つぶやき・のおと

のんびり・ぼちぼち・気ままに・ふぅ~

「君が代」は九州王朝の賛歌

2007年11月25日 | 文化・社会とか
藤沢市民病院2階に小さな「図書コーナー」というのがある。
入院患者、外来患者誰でも利用できて、そこのほとんどの本も元患者からの寄贈書がほとんどということで、どれもキレイだ。
しかし、蔵書数はハッキリ言って少ない。
そこによくもまあ、こういうマニアックな本があったものだ。

「君が代」は九州王朝の賛歌 古田武彦著 市民の古代別巻2 1000円


以前私の日記にも「君が代」の曲のことを書いたことはあったが、この本は、その「君」とは一体誰ぞや?ということを書いている。

紀貫之編纂 古今集の巻七 賀の部冒頭 題知らず・読人知らず で紹介されている和歌。
「我君は千世に八千世にさゞれ石の巌となりて苔のむすまで」


この本は著者古田氏が、古代研究仲間と北九州をドライブするところから始まる。
そして、博多湾周辺で、この君が代に歌われる歌詞と同じ名称の場所を多数発見し、ここがこの歌の読まれた地ではないか?と調査を進めていく。
旅行記とミステリーを一緒にしたようななかなか面白い本であった。

書いてると長くなるのだが、同じく読んだという方が、良い文章を書いてます。
http://blog.livedoor.jp/planet_knsd/archives/2006-09.html
以下、一部抜粋で紹介いたします。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

古田氏は、「君が代」に旧石器・縄文時代の石神信仰が秘められているという。古田氏は、三国志・魏志倭人伝の「邪馬壹(いち)国」(倭国)の中心地を「糸島・博多湾岸とその周辺」と定めている。古田氏によれば、糸島地方は「卑弥呼(ひみか)」の統べる倭国の「王家の谷」に当たるという。この地方には「君が代」を解く鍵がさまざまな場所にある。糸島半島の桜谷神社(若宮神社)の祭神は、「苔牟須売神(コケムスメノカミ)」であるし、糸島郡には「細石(サザレイシ)神社」がある。古田氏が「倭王墓」と定めている三雲・井原遺跡からは井原山(岩羅山)が臨める。いずれも、古代の巨石信仰と深く関わる土地柄なのである。

決定的であるのは、志賀島の志賀海神社の「山ほめ祭」では、今も「君が代」が神歌として奉納されている。詳しくは、古田氏の『「君が代」は九州王朝の讃歌』(新泉社)をお読みいただきたいが、「君が代」の「君」とは七世紀までこの地方を支配していた九州王朝の「筑紫の君」のことなのである。つまり、古田氏は、「君が代」は天皇家=大和王朝よりも古く、九州王朝に君臨していた「王」に捧げられた神歌なのである。そしてそこには古代の石神信仰が色濃く反映されており、糸島地方には石を御神体とする神社が数多くある。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

で、結論を書いてしまいますと、この「君」というのは、弥生初期から縄文、旧石器の文明世界で「輝ける中心の女神」とされていた「磐長比売(いわながひめ)」であるという。

この女神は日本の神話の中で「醜い(=悪)姫」として紹介されるが、これは時代が替わり新しい神をたてるに当たり、過去の神を「悪者」に陥れるというよくある手段なのだそうだ。有名なのが「スサノオノミコト」。

また、最初に 紀貫之が題知らず・読人知らず と紹介しましたが、これも確信犯だったに違いないと古田氏は書いてます。
大和(近畿)朝廷のことでは無いことを知ってるが故、「詳しくは知らない」フリを装って紹介したと。。。


以上のことは一つの説なので絶対かどうかはわかりません。
でも、その一つ一つにはすごく説得力があるし、私はこれを信じてよいと思っています。
(古田氏は他に「邪馬壱国」説というのもお持ちで、これも大変面白そうだ)

現在もなお「君が代」問題は解決せずに続いてますが、その理由というのが「大和王朝を讃えた歌である」ということですよね。
でも、その問題自体が違うものであったとするならば、話は全く変わってくると思います。
今は全く無縁となった古代王朝の歌であるならば、歌う(起立する)ことに対する抵抗も少なかろうし、作られた(選ばれた)理由がどうあれ、そこことを知って(思って)歌うのであれば、これもまた抵抗無いものと思うんですが、いかがでしょうね?

他にもいくつか紹介しておきますね。

http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/karuta/karuta39.html

http://www7a.biglobe.ne.jp/~yasui_yutaka/kimigayo.htm

http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/jwagakim/jwagaki4.html
http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/jwagakim/jwagaki.html