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Tちゃんの絵

2007年11月22日 05時51分28秒 | 友から・友へ
恒例の東京新聞に田村さんの記事が掲載されましたので紹介します。

Tちゃんの絵


 幅一.五キロメートル、奥行き二キロメートルほど、前面と両側面が山に囲まれた私の故郷(小谷地区)は、かつて豊かな自然が存在していた。田んぼや畑に沿って、車一台通れるほどのジャリ道が延び、かたわらには小川が流れ、初夏には蛍も飛び交った。

 従兄のTちゃんの家はすぐ隣。今から五十年も前から私にとってのお師匠様。鳥や植物、昆虫と何でも知らないものはなく、三歳ごろから実物を観察して得たという知識は目を見張るものがある。

 何も見ないで正確に描くことができる。絵を描いていろいろ説明してくれることが気に入ったのか、小学生になる前から頻繁に通い、私も自然に対する興味を深めていった。

 Tちゃんはもうだいぶ前から、宅地開発や山際畑地の放棄、小川の改修・汚染、山林の荒廃などによる嘆かわしい実態を憂えていた。ある日、私にこう言った「長生きをしすぎた」と。「こんな姿見なければ良かった」とも。

 日本画を描くTちゃんは、まだ田んぼだらけで、かやぶき屋根が点在する懐かしい当時の風景を、資料を集めながら丁寧に描き起こした。田んぼの枚数も正確に描いた。私が子どものころに見た風景がよみがえった。

 それからTちゃんは、昭和十五年ごろから現在までに、故郷から消えてしまった様々な生物を一つ一つ書き出した。植物七十三種、鳥類十五種、トンボ三十種、魚六種、貝類三種などなど。いただいた手書のメモが手元にあるが、こんな狭い範囲で、これだけ多くの生物が絶滅してしまったことに驚きを隠せない。この数字は、私の故郷に限らず、都市近郊の農村地帯全般にわたるものだろう。

 参考までに一部を書けば、植物ではオミナエシ・ネジバナ・エビネなど。鳥類ではヨタカ・ブッポウソウ・ウズラなど。トンボではチョウトンボ・ギンヤンマ・カトリヤンマなど・・・。

 現代人は豊かさを追い求めているうちに多くのものを失ってしまった。しかし、どれだけの人たちが失われた個々の生物たちを知っていたのだろうか?存在も誇示せず、何の反論もせずこれらの生物たちは消えてしまった。

 失われたこれらの生物を、一つ一つ思い出とともに書き出したTちゃんの切ない思いは想像するに余りある。少し遅れて生まれはしたが、同じ時代を共に生きてきた私も、たった五十年ほどの間に失われた数々の生物たちを一つ一つ思い浮かべてみた。

                         2007年 11月18日掲載

 兄~!は100歳まで100km以上を走るのですか!
すごいですね。
ひなちゃんのことを書いたのかな?


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2 コメント

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おほほ^^ (桜草b)
2007-11-22 16:22:52
わかさん Tちゃんの絵 すばらしいですね。深い表現力と感性が素晴らしい。素敵な絵の紹介ありがとう。

せいしゅう兄ちゃん。おほほ。ユニークな○名○さんの件について・・・私は一日思案して楽しみましたが 誰のことかわかりましぇ~ん♪浜名湖@@かなぁ。ごめんなさいね。

そうそう100歳ランナーめざして下さい。応援してます。
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あったか味ありますよね。 (あの絵は(わか))
2007-11-22 19:24:06
これは、油でなくなんという絵の具なのですかね。

アチキも兄~は、ひなちゃんのことはしらない訳だからと思ったのですが。。。

本人に聞かないと分かりませんね。。。
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