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離婚時年金分割-8 (週末投稿)

2005-09-11 12:21:28 | 離婚時年金分割
 そもそも、離婚時の年金分割の離婚とは何を指すのでしょうか?
 離婚について、厚生年金法には「離婚(婚姻の届けをしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあったものについて、当該事情が解消した場合を除く)」と書いてあります。

つまり、どんなに「結婚と同様な関係もあり同じ場所に住み、同じような生活をしていたとしても、「籍を入れてなけれ何もない」
ということ。

なあんだ、当たり前だろ。と思うなかれ。
年金については、その社会保障的観点から、内縁(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻と同じ状態にある者という意味です、一般に想像される夫が二股かけている場合は重婚的内縁関係はまた話が異なります)の扱いが他の法律とは異なっています。

 たとえば、籍を入れずにずっと同居し、10年以上経っていた。生活に必要経費は同居人(籍を入れたら夫ですね)が月々の分を入れていた。
 そういう場合であれば、夫が死亡したとき「遺族厚生年金」がもらえることになるのです。
 相続などの場合、籍を入れていない内縁の妻は完全につまはじきですけれど、年金は死亡していた人の扶養者の生活権という問題があるためこういう扱いになっていた。
 正式に籍を入れた場合は、籍を入れた3日後に夫が死亡しても遺族厚生年金はでますが、内縁の場合はその状態が10年は続かないといけない。
 そういう認定の差、厳しさはありますが、内縁の妻に年金支給が全面的に認められないことはない。

 ところが、離婚時年金分割の場合は、上のように「明文で、内縁の解消はダメ」といっているので、内縁関係の消滅は「離婚には当たりません」。多分しかるべき役所に出向いても、貴方は籍がないから申し訳ないけれどダメ。と多分いわれて返されてしまうでしょう。

 最近は「籍は入れないで、同居」というカップルも増えているようですが、例えば10年同居し10年目に正式に結婚、15年目に離婚となった場合にも、1年目から15年目まで全く夫婦としての生活が同じようなものであったとしても、年金の分割対象は最後の5年間になりますよね。

 籍を入れない結婚(内縁)に関しては、離婚時年金分割に関してははっきりとマイナス。
 そこはまず頭に入れて置かれたほうが良いと思います。で、あわてて婚姻届をだしても、もう間に合いません。


年金に官民格差!-2 (補足)

2005-09-11 10:45:44 | Weblog
 昨日、共済年金に長期間かかわっている人と話をしたところ、
 「共済年金と厚生年金が、一緒になるわけがないだろ、そんな話は20年も前から毎回のように出てきて毎回のようにつぶされている、最も簡単だといわれる地方公務員と国家公務員の共済の統合だって毎回出ては話がつぶされている。性急な改革論を言われる人は歴史を知らなさ過ぎる」と指摘を受けました。
 
 これが、現実のようです。 
 前のブログで、共済と厚生年金の統合は緊急の課題と書いたのですけど、それでも今後数十年変わらないのでしょうかね。

 共済年金と厚生年金は「監督官庁が違う」のです。だから統合するということは自分の省庁の権益を厚生労働省に移管しないといけないということ。こういう権益の縮小には官庁は猛然と反発します。

 しかも、公共事業と違って、年金は「不公平がゆえに失業する」という類の問題じゃないだけに、一般大衆の関心は高くても票にはならなかった(今までは)。

 自民公明の厚生年金と共済の統合案でさえ、厚さ数メートルのコンクリートの壁をノミだけで穴を開けるくらいの困難さだそうです。
 ましてや民主党の年金一元化は。

 話を聞いていて暗澹たる気持ちになりました。
 
 年金知識がべらぼうにあり(あるいはそういうブレーンを沢山持ち)、かつ今より2倍強力な小泉純一郎のようなキャラクターの総理大臣が出てこないと現状では改革はできないようです。

 しかし、昔は官民格差は当然だったという時代でしたが、今はそういう官民格差を許さないという世論の風潮にになってきた。だから以前よりコンクリートの壁は老朽化して脆くなっているはず。
 いつか誰かが壁に穴を開けてくれるだろうと気長に待ちたいと思います。