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離婚時年金分割ー13(週末投稿)

2005-10-16 13:38:34 | 離婚時年金分割
 離婚時年金分割の説明をHP上でしている人は沢山いらっしゃいます。でもどこかからパクってきてそれをそのまま載せているようなのがとても多い。
 何か自分の参考になるかなといろいろと調べてみようと思っても、参考になるどころか、ちょっとみて「お前これ違うだろう!」って思うようなネタばかり。
 良くわからないけれど、みんな興味があるネタだから、一応載せておこうかなと受け止められるような安易な内容の物が目立ちます。

 本当に真摯に離婚時年金分割を勉強していらっしゃる方は、「全く手探りな状態なんだろうなあ」と思うのが現状です。

 さて前々前回、前々回と標準報酬の話をしました。

 おさらいすると、年金(厚生年金)の額の計算は、働いているときの給与(報酬)を基にして、それを現在価値に戻し、さらにその現在価値に戻したものに一定の率を掛けて年金額を算出する。

 で離婚時年金分割の場合も、これをたたき台にして分割割合を決める。年金分割の法律を読むと、まず平成16年改正法で、「標準報酬の改定または決定をすることができる」と書いてありますからね。
 
 「年金の額を分割するのではない=具体的に年金の額を算出しその年金額を調整するのではない」ということは繰り返しますがしっかりご理解ください。
 でもすでに、一部のHPでは「年金額の分割」とか、誤解されかねない書き方をしているところがあります。これは間違っていると思うのですが(HPの作成者にメール出して聞くわけにもいかないし、現時点では放置しかない)、うーん何回読んでも法律には「標準報酬を分割する」ということが書いてあるんだが。

 で、按分の方法ですが、前にも書いたとおり、対象期間=婚姻期間の各月の標準報酬(つまり各月の給与)と平成15年4月以降の給与 に調整率(物価や賃金の上昇反映)を掛けたものを総合計しその額(夫と妻の額を別々に出して)按分の割合を出す。話し合いの前に婚姻期間の全期間の報酬情報をさらけだせってことですね。もちろん分割してもらう側も全部見せないとダメです。

 これについては社会保険庁長官に情報提供を求めることができますし(78条の4)、裁判所からの資料請求に関しては義務を課せられています。拒否することはできません(てか拒否する前に自分の10年前の報酬を覚えている人は皆無だから、情報を貰わないと話し合いのスタートにも立てないでしょう)

 でその後具体的に、話し合い(調停)が終わったあとの年金については、
 第1号改定者(あげるほう)
 新標準報酬月額(要するに給与) =以前の自分自身の標準報酬月額×(1-改定割合)
 第2号改定者(もらうほう)
 新標準報酬月額(要するに給与) =以前の自分自身の標準報酬月額+第1号改定者の標準報酬月額×改定割合

 という風に計算され(平成15年以降の賞与も同じ方法で分割)、改定請求のあった日から効力を生じるということになります。
 なお、第2号改定者(もらうほう)がずっと専業主婦だった場合には、前からの数字を改定するのじゃなくて前がゼロ(つまり専業主婦で標準報酬はなかった)のですから「改定」という言葉を使わず、「決定」という言葉を使っています。
  
 そして、決定が終わって分割が解決したら社会保険庁長官は、その記録をしないといけないし、当事者に通知をしなければならないということになります。

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