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小泉首相、議員年金廃止の検討指示

2005-09-23 13:33:46 | Weblog
○小泉首相は22日夜、首相公邸で自民、公明両党の幹部らと会談し、「国会議員年金の廃止を早急に検討してほしい」と指示した。首相は昨年4月にも議員年金廃止を表明したが、自民党内の反発もあり、立ち消えになった経緯がある。

 会談の中で、公明党の神崎代表は「共済年金や厚生年金を一元化し、それに議員年金を統合する。暫定的には、衆参両院議長の諮問機関が今年1月に答申した改革案の通りに国庫負担分を現在の7割から5割に引き下げる」と提案した。

 これに対し、小泉首相は共済年金と厚生年金の一元化の検討を進めるよう改めて指示し、議員年金については「自民、公明両党で早急に案を作成してほしい」と述べた。

<解説>

 議員年金は、名前は年金とついているものの、公的年金と全く違います。
 その誕生の経緯、其の他からして、「退職金の形を変えたもの」という主張もあながち間違いじゃない。我々の入っている国民年金や厚生年金と性格が違うものという風に捉えないと話が混乱します。

 国会議員年金、国庫負担率を7割から5割に下げるって、その根拠があまりにも不透明。
 国民年金の国庫負担率が、33%から50%に引上げられるのを見越して、という話も聞きますが、国民年金の国庫負担率がこれだけ高いのは「基礎年金といわれる、国民全員が加入することを前提とする最も基本的な年金」であるからに他ならない。議員年金とは違いますからね。
 
 この辺を公明の神崎さんはもうちょっと理解してくれないと困ります。意図的に公的年金と混同させて、有利な方向に持っていっているのではといううがった見方すらしてしまいます。

 議員年金は、国民年金の上にくる厚生年金や共済年金と同じく、国民年金プラスアルファ的年金と考えるならば、そもそも国庫負担自体不要とも考えられる。掛け金や受取りの非課税措置だけで十分(それでも所得が高く税率の高い国会議員にはすごいメリットです)。

 長生きした議員には沢山出て、早死にした議員は払い損というのも、「国会議員の退職金的性格を議員年金が持っている」ことからしたら変ですよね。国会への貢献度に比例するなら、定額の20年の年金とかのほうがすっきりする。

 退職金として1時金として支給するが、希望者にはその退職金をプールして、年金と言う形で支払うというのがすっきりするのですけれど。

 どうも「国庫負担5割」というのは将来に禍根を残しそうです。もしこれで決定するなら、年金受給中に「年収が500万円を超えたら国庫補助分(半分)は支給停止」のような措置を講じないとダメです。 
 そもそも議員年金ができたのは、引退した国会議員の中のお1人が余りにみすぼらしい生活をしていたので、「国政で活躍された元議員をこんな酷い環境においておくは大変よろしくない」ということから始まったということを聞いています。

 それが議員年金の発端ならば、引退後も社長をしたりテレビやラジオにでてそこそこの収入がある元議員の老後を保証する必要はありませんからね。