OKESAN 公的年金保険情報

公的年金および健康保険の社会保険関係の最新情報をお届けします。

国保保険料、コンビニ納付拡大へ

2005-03-29 16:25:43 | Weblog
○厚生労働省は4月から、自営業者やフリーターなどが加入する国民健康保険(国保)の保険料納付率の低下を防止する対策の強化に乗り出す。
 コンビニエンスストアでの料金納付や、携帯電話会社を通じた料金請求の活用を推進するため、それぞれ業界との検討会を近く設置する。
 国保保険料の納付率は年々低下し、2003年度は全国平均が90・21%、大都市部が86・98%と、いずれも過去最低。

<解説>
 もう、日本は末期的症状かもしれません。
 アメリカは、独善的で余り好きな国ではないですし、事実いろんな人からいろいろ悪口を言われなますが、「公と私」という考え方はしっかりしています。
 社会保険の納付率は、日本より遥かに高いということをきくと、暗澹たる気持ちになります。めちゃくちゃいい加減で自己主張が強いけど、不満があっても、「一旦社会がこうと決めたらそれに従う」という姿勢はちゃんとあります。だから「イヤイヤながらでも、州兵や予備役登録していた人が兵士として身の危険を顧みずイラクに行く」のです。イラク派兵が良いとか悪いとか言っているわけではありません、権利と義務をきちんと果たすことを国民に求め違反者には厳罰。当然の社会であることがちょっとだけうらやましい。
 
 健康保険に関しては、公的年金と違い「遠い将来」ではなく、「明日にでも病気になるかもしれない」ということが心配だから、普通入るものだと思っていましたが、最近の若者は「健康保険にすら入らない」のですね。健康保険は一生入るもの。老後に病気になった場合必ずお世話になるものです。明日はわが身だと思うのですが、ゆとり教育のせいで頭が回らないのでしょうか。

 で、年金に入る金がない、健康保険に入る金がないと言い訳をしつつ、携帯電話料金に何万円もつかったりするので手に負えません。
 
 写真は、国民年金の納付書で、国民健康保険の納付書ではありません。、年金の場合はご覧の通り、「余りにもページ数が多すぎて、コンビニのバイト君がハンコ押す場所を間違えまくって昨年大問題になってたのですが、この解決はついたのでしょうか。健康保険は一枚もので年金ほど間違いは少ないでしょうが、それでも何箇所もハンコを押す欄があるんで、コンビニ納付はちょっと心配しています。大丈夫なんでしょうかね。

毎日新聞ボロボロの年金記事

2005-03-28 12:24:44 | Weblog
 普段は、特定の新聞記事は、著作権に触れない程度にだけ引用しているつもりですが、あまりにも今日の毎日新聞は、「内容がデタラメで酷すぎる」ので、名指しで修正しておきます。もし著作権に触れるならすぐ消去しますが、間違いを訂正するのも著作権に触れるのでしょうか(この辺は著作権法に詳しい人教えてください)

 引用先はこちらですが、3月28日午前11時40分現在の怒りですから、今後記事を修正されるあるいは差し替えされるかもしれません。その時はもうこのリンクには乗ってないかもしれません。

 その中で問題となる間違いの部分を取り上げます、
 「国民年金の保険料は現在月額1万3300円だが、4月から280円アップする。年間では3360円の負担増だ。しかも、この負担増は今年限りではない。今後13年間、280円程度ずつアップし、最終の17年度には1万690円になる。」
 
 おいおい、13,300円の年金保険料を毎月280円ずつ値上げして、12年後に10,690円になるかいな。正確には16,900円です。
 まあこれは、小学3年生でもわかるような単純な計算ミスなのか、校正ミスなのか知りませんが、大勢に影響はありません。10人のうち9人がわかるミスは、「影響力がない点でミスではない」とも言われますしね。

 大問題は次の文章、

 「保険料を20歳から納めている青果店を営むAさん(46)の場合、65歳になる2023年度から年金を受け取れる。しかし、月額は現在価値にして5万7000円程度。今年度の国民年金額(約6万6000円)から15%近くカットされる計算だ。これは労働力人口減少率などで給付を抑制する「マクロ経済スライド」が05年度から導入されるためで、民主党の山本孝史参院議員は「6万6000円という金額は、老後の生計を維持するための基礎的金額として設定されたもの。減額する以上、基礎年金とは呼べない」と強く批判する。」

 新聞記者さん この記事を読んだら 大抵の人は、「46歳のAさんは、65歳から5万7000円の年金になる」という風に受取りませんか?
 でたらめ記事で国民を騙したらいけません。

 マクロ経済スライドの前提となる、「賃金変動率」と「物価変動率」がいくらかという前提がまったく示されていません。

 マクロ経済スライドは、将来そういった不確定要素をどう年金に取り込むかを決めたシステムなのですから、「こういう前提で」という話は不可欠。なんでその前提なしに、突然5万7000円が出てくるのか。前提部分が完全に欠落しています。
  
 どうもこの記者さんは、「マクロ経済スライド」の意味すらわかっていない。こんなのが全国紙の記事を書くなんて。

 実はマクロ経済スライドはわし自分でも良く消化していません。まだまだ勉強不足。というのは、法律的には「マクロ経済スライドは今年の4月から実施なのですが、実際に年金に反映するのは数年先だといわれているのです。だから、まだ尻に火がついていない。

 年金額の物価スライドについては、実は最近3年分の下落分について、本来は支給額下げるべきだったのに下げなかったという時代があったのです。その調整をし終わってからやっとマクロ経済スライドが効力を発揮する。だから物価が現在より1.7%上昇しないと実際にはスタートしないのです。こういう細かいことは書く必要はないのかもしれませんが、いかにもあと四日後から年金が下がるようなイメージも大問題。あまりのずさんな新聞報道には本当に驚いてしまいます。

 最近の年金不信の元凶はもちろん、政治家、政府(厚生労働省)、そして「マッサージチェアーを買った」社会保険庁。 

 が、それにくわえて、「適当な記事を書いて、国民をミスリードしている一部マスコミ」も手助けしていると考えられませんか。毎日新聞は3流週刊誌とは違うのだからもっと自覚と責任を持って欲しい。

 ああ、月曜日の朝から不愉快な。

 

学生無年金障害者訴訟、東京高裁が原告側逆転敗訴判決

2005-03-25 13:07:03 | Weblog
○学生時代に障害を負いながら、任意加入だった国民年金に加入していなかったために障害基礎年金を受け取れなかった「学生無年金障害者」3人が、年金を支給しないとする決定の取り消しと、1人2000万円の損害賠償を国に求めた訴訟の控訴審判決で、宮崎公男裁判長は「学生無年金障害者に障害基礎年金を支給しないのは、国会の裁量の範囲内で違法ではない」と述べ、3人に各500万円を支払うことなどを命じた一審・東京地裁判決を取り消し、請求を棄却するという原告側逆転敗訴の判決を言い渡した。

 高裁判決は、年金制度への国会の幅広い裁量権を認め、「障害基礎年金を支給しないことが、法の下の平等を定めた憲法に違反するとはいえない」と述べた。

<解説>
 昔からずっと国民年金は20-60歳の人は強制加入でした。
 しかし、現在とは違い、昔は任意加入(入っても入らなくてもいい)という人が沢山いたのです。
 その典型例は、
 1.学生
 2.サラリーマンの妻(専業主婦)
 そして、そもそも加入の対象になっていない人
 3.外国人  でした。
 
 1,2については任意加入してなければ、3については日本国籍を取り年金に加入していなければ、障害者になっても年金がもらえなかったのです。

 ただ、1,2,3の人が強制加入になってないことにも当時それなりに理由がありました。

 1の人を強制加入にしようとすると、学生はお金がありません。無理に加入させれば滞納者続出。実際後で学生が強制加入となり滞納率は上がったと聞いています(今は学生納付特例という制度がありますから強制加入だけど納付を猶予されるという扱いです)。学生は若いですから、自分が障害になったりまで考えたりしないのです。

 2の人は、夫に扶養されているんだからなんで私たちのような稼ぎのない人がお金を払う必要があるの。という理由をいう人が多かった。特に昭和の後半までは、「夫婦の関係」を、金については夫が稼ぐものという形で見る人も多かったそうです。そういう人まで全員を「強制的に加入させる」のは抵抗があったのだと思います。

 3の人は、長期滞在者や永住権のある人が対象ですが、加入したかった人まで拒絶したのは問題です。しかし、「我々は一旗上げたら祖国に帰る。なんで日本の年金なんか入らないといけないんだ」という強い抵抗をされる人も多かったのだそうです。当時こういう人を全員強制的に入れるのも難しかったでしょう。

 私が年金を勉強し始めた時点ではすでに1,2,3の人の解決はついていた(今は全員が加入です)のですが、上のような当時の状況を考えると、もちろん何らかの救済は必要ですが、「損害賠償までするほどの、国会に不作為があったか否か」については判断を悩むところです。
 今からみたら、「なんだ、不備だらけでしょうがないな」と思えることも、当時の思考方法では「当たり前」と思うこともいろいろあります。
 救済が遅れたということは否めませんが、それを損害賠償に転化できるのか、できたとするならいくらくらいなのか。

 昨年の臨時国会で、学生無年金障害者などを救済する「特定障害者給付金法」が成立。今年4月以降に手続きをすれば、1級障害者は月5万円、2級障害者は月4万円を受け取ることができるようになったので一応法律的な解決は見ているのですが、なかなか難しい問題です。

 原告は最高裁に上告するようで、その判断を注目したいと思います。

これから社会保険料をどうやって集めるの?

2005-03-24 10:52:33 | Weblog
○厚生労働省は、社会保険庁の医療(政府管掌健康保険)と年金(国民・厚生年金)の2大業務を分離する組織改革の具体策として、業務分離後も保険料の徴収は国の機関が一括して担うとの素案をまとめた。年金業務を引き継ぐ方向の「年金事業庁」といった国の新機関が、年金、医療の保険料をまとめて徴収するという方針。

<解説>
 保険料の徴収は、大変なコストがかかります。国民年金の保険料の徴収も2年分36万円を強制徴収するコストが高いため今まで野放しでした。やっと最近強制徴収をはじめたばかり。
 自民党内では年金業務を国に残すことに反対が根強いそうですが、反対される方はどういう代替案があるんでしょうか。国民が社会保険庁に拒絶感があるから解体。でも解体した次がどうなるか?底が一番重要です。今より状況は悪くなるなら解体した意味がない。

 地方の時代だからといって、何でもかんでも地方移管したほうがいいというものではないはずです。「最も徴収効率のよい方式がベスト」 なのに、どうも社会保険庁の解体だけが先行し、あとの部分の議論がバラバラになっているように見えて、不満が残ります。

労災未加入事業所増加で、厚生労働省が喝!

2005-03-23 09:29:58 | Weblog
○厚生労働省は10月から、業務上のけがや病気を補償する労災保険に未加入の事業主に対し、罰則を強化。労働基準監督署の加入指導を受けても保険料を払わない事業所で労災が起きた場合、労働者への保険給付額を全額徴収するようにするほか、指導を受けていなくても、一定期間以上、加入手続きをしなければ強制徴収の対象とする。
厚労省は未加入事業所は全国で約54万に上るとみており、罰則強化でその減少を狙う。

<解説>
 労災は、その名の通り、働いている人が会社で働いていたことが原因で起きた災害、疾病に関して、補償をするものですが、その加入は会社の仕事ですから、我々が不安に思っても何もできません。

 なので、働く人は次の3点を必ず押えておかないといけません。自分で自分の身を守るためです。

1.労災は遡及できる。(事故が起こってからも遡及加入ができる。つまり会社が労災に加入していなくても労災であれば、加入していたのと同じ補償が受けられます。)

2.労災の対象者は、会社が決めるのではない。
 よく会社の人が、「貴方は請負契約で労働者じゃないから」という説明をしますが、その説明が正しいか否かは「法律に則った判断」で決められます。フリーカメラマンに労災が認められた例もありますから、疑問に思ったら、専門家に相談すべきです。会社の説明は、会社の言い分にすぎません。

3.厚生年金と労災の寝金は両方併給される。
 両方でます。ただ加入者の要件が違ったり、労災が減額されたりということはあります。貰い忘れのないようにしましょう。
 また、労災に入っていない会社だと厚生年金にも当然入っていなかったりします。その場合は労災だけではなく厚生年金が貰えない問題も発生します。
 
 関連ですが、休日にレジャーにいって交通事故にあい、重い障害を負った場合には労災は当然でませんが、厚生年金から障害、遺族年金が支給されます。ところが上述の通り厚生年金未加入事業者も労災以上に多い。でも厚生年金も「フルタイム労働者なら原則強制加入(労災はパートアルバイトも全員加入なのでで範囲は狭いです)」ですから、いくら会社が「うちは加入しない」と言っていても、その説明は通らないのです。
 



基礎年金負担、会社員へしわ寄せ拍車

2005-03-22 18:09:16 | Weblog
○基礎年金負担が滞納により会社員へしわ寄せ拍車
 すべての年金受給者が受け取る基礎年金を賄うために必要な額が、2004年度と05年度は1人当たり月1万5000円強に達していることが明らかになった。自営業者や学生が加入する国民年金の保険料(月1万3300円)を2000円近く上回る。国民年金の未納の増加なども影響が大きく、厚生年金に加入する会社員への負担のしわ寄せに拍車がかかっている。

<解説>
 国民年金の保険料は、国民の20歳ー60歳の人全員が支払うべきものですが、やはり財政的にきつきつだという資料ですね。給付と負担の割合が逆転しています。

 でも、これで「年金はダメになる」と結びつけるにはあまりに短絡的。
 上の記事は、「国庫補助(全体保険料の3分の1)を入れているか否か」が明らかではありませんし(入れているようですが)、国庫補助率の引き上げ(全体保険料の2分の1へ)のことも視野に入れていません。国庫補助が増えればまた保険料でまかなえる水準になる。
 しかも、これから国民年金の未納対策が厳しく実施されていくことも見落とせないでしょう。

 ただ、そうなってもサラリーマンの不公平感は残りますよね。サラリーマンは自分の意思で滞納ができません。
 でも、加入者が100人いて、10人滞納者がいると、その10人を除いた90人をベースに保険料を計算するのが日本の社会保険の原則的やり方。健康保険も年金も同じです。
 だから、「未納者が増えると、真面目に保険料を払う人にしわ寄せがくる」
 自営業の悪質未納者は厳しく対応して欲しいと思うのがサラリーマンの本音だと思います。


社会保険庁が年金覗き見の調査

2005-03-07 13:20:27 | Weblog
○社会保険庁は、287人の同庁職員が小泉純一郎首相の年金加入情報を業務目的外で閲覧していたことを明らかにした。福田康夫前官房長官については11人、国民年金PRコマーシャルに起用された女優の江角マキコさんについては25人が閲覧していた。

○社会保険庁の職員による年金記録のぞき見問題で、同庁は自民党3役らの記録を業務外で閲覧した職員がいなかったかどうかを追加調査することを決めた。
 対象は、昨年3月から6月当時の閣僚や自民党3役、厚生労働副大臣、同政務官や衆参の厚労委員長。既に287人によるのぞき見が明らかになっている小泉純一郎首相、11人が見た福田康夫前官房長官の分は除く。
 同庁はまた、全職員に対し昨年1月-12月の間に(1)業務外閲覧をしたか(2)閲覧した場合は対象者と理由--を自己申告させることも新たに決めた。

<解説>
 昔某会社に居た頃に、顧客の氏名索引ができたので、有名人さんの名前を入れて、その人の個人情報を眺めているやつがいました。しかしそれはもう15年も20年も前の、セキュリティがユルユルだった頃の話。社会保険庁は民間企業から15-20年は遅れているようです。
 
 個人情報保護法の成立で、わしのような零細自営業でもお客さんの情報に関しては寸分も漏らさない体制にしないといけ無い時代に何やってんだか。
 官公署については、個人情報保護法の対象外らしいのですが、それは「適用しない」のではなく、「他に同じように規制する法律があるから」だそうです。

 人間は他人のプライバシーの覗き見というのは、どうしてもしたくなるもの。だから公務員はしないだろうという性善説をとるより、するものだからという前提で対策を練らないといけません。

 しかし小泉首相の年金履歴287人の人が見ていたということですが、その間仕事はしていなかったのかな?そっちのほうも大問題なんですが。

 全職員の自己申告。多分見ていた職員にはつらいと思いますが、最近はちゃんとIDとかログとかコンピューターは記録をきちんと残してますから、正直に名乗り出たほうがいいと思いますよ。抵抗があるかもしれませんが。