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小泉首相、厚生年金と共済年金の統合の意向

2005-09-13 15:27:44 | Weblog
○小泉純一郎首相は12日、衆院選勝利を受け、自民党本部で記者会見し、同党がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ厚生年金と共済年金の統合について「基本的な方向を早期に出すことが望ましい」と述べ、野党に社会保障改革に関する合同会議の再開を呼びかける考えを示した。

<解説>
 方向性は当然です。しかし、担当官庁の相当な抵抗もあるでしょう。今の勢いで小泉さんが押し切ってくれるといいのですが、小泉さんは年金問題はイマイチ詳しくない。
 なので、1つ提案があります。(毎回似たようなことを最近いってますが、うんざりしたといわないで聞いてください)。

 厚生年金と共済を完全に一元化するというのは、「財布を1つにする」ということですから財布を手放す担当官庁の抵抗が強い。
 
 それならば、厚生年金と共済年金の年金支給水準を同一にすることをまず先駆けてはどうでしょうか?

 現在の仕組では、
 厚生年金という財布と、共済年金という別々の財布があります。
 その財布の中から、厚生年金○円 共済年金◎円+α(職域加算)という年金をだしています。

 その○円と◎円が今違う=公務員が有利 の部分を同じにしてしまう(厚生年金も共済も○に)。 +α の部分は職域加算とばれ いわば厚生年金でいう基金相当の部分ですからすぐなくすわけには行かない。もちろんここも公務員有利な所で、将来は手を入れないとダメですが、長い間積み上げられた既得権ですからいきなり改正するのはちょっと苦しい(そういう所を急ぐと絶対失敗する)。

 今緊急の問題は、○円と◎円が違う(遺族年金の転給、在職停止の扱いの違い、定額部分の別計算 など)ことの修正。ここが民間サラリーマンの不満の原点です。遺族年金の改正は選挙前にも報道されていました。まずはこの辺を改正する。

 あと、共済組合と社会保険庁の情報の共有もしないと、片方からはもう一方の年金がわからない不便が解消できない。社会保険事務所に行って自分は公務員の期間と民間の期間があるからと言う場合に、両方の年金の見込額を出してもらえたら本当に楽でしょう。2箇所に聞かなくてすむ。

 まず、「財布を同じにする」ということから検討すると「財布を握っている役所から文句がでる」。財布が別のままでもその中から出すお金(年金)の額が同じなら、民間サラリーマンの不公平感はかなり収まりますし財布を握っている官庁の反対も弱いでしょう。

 始めに財布の統合からで始めると、抵抗が強くて改革がポシャる可能性は高いです。

 小泉自民党300議席が団結して粛々と改革を進めれば、官僚は全く手出しができませんが、政治家のほうの足並みが乱れていれば、絶対に年金統合なんてできません。まず、わかりやすいところから始められてはどうでしょうか。