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自民党の杉村太蔵衆院議員、年金未納問題で大阪地検に告発される

2005-10-12 12:55:56 | Weblog
○自民党の杉村太蔵衆院議員(26)が年金未納問題で大阪地検に告発されたことが11日までに、分かった。告発したのは市民オンブズマンとされる団体。太蔵氏が筑波大在学中の99年から03年までの4年間、年金未納だった点を大阪地検に告発したという。

<解説>

国民年金法にある罰則は以下の通りです。

国民年金法111条 不正受給 (当たり前だけどこれは一番ヤバイ)
国民年金法111条の2 これは基金関係の話だから普通の人には関係ない
国民年金法112条 虚偽の届出、虚偽の報告
国民年金法113条 届出義務ある人の届出未了
国民年金法113条の2 徴収職員への非協力、妨害
国民年金法114条 略


さて、杉村議員、何で告発されたんでしょう?
一応20歳になったら、印鑑をもって市区町村役場にでかけ手続きをするのが筋ですけれど、(現状はどうなのだろう(後で調べてないといけません)、今は自動的に送付されるのでしたら、その手続きすら不要になっているか。)
建前上は(法律を読むと)、被保険者=20歳になったら手続きしろとは書いてある。

 ココで思い出すのが杉村議員の弁明。「学生は任意加入だと思っていた」という弁明をしたのですが、20歳時点で国民年金法113条(届出義務のある人の届出未了)をオンブズマンが見のがさなかったのかもしれません。

 しかし、杉村議員が、仮に国民年金加入の手続きをしていて、その後納付をしなかった(一般的に未納といわれるもの=義務があるのに納付しなかった)場合には、国民年金法のどの罰則規定にも該当しません。この場合は罰則はないものの(罰金とか懲役とか)、別の条文で高い利息をつけられた保険料を別途徴収されるということでバランスを図っているのです。杉村議員がこれなら罰則にはかすりもしない。

 一般の人にはわかりにくいと思いますが、
 納付書(国民年金の納付書)が来る場合は手続きはちゃんとされてる。なので保険料を支払わないのは未納。(当然、サラリーマンや主婦は何も来ませんよ)
 納付書すら来ない(例えば海外から帰国して住所を海外のままにして当分日本にいた場合などにはこうなる)ときは、この加入手続き未了になっている場合です。納付書が来ないので未納じゃないなと騒いだバカ議員(杉村議員ではない)が居ましたが、こういう場合は罰則がある分だけ未納より悪質とも捉えられる。


 杉村議員がどちらであったのかわかりませんし、本人と行政側しか知らないはずなのに、オンブズマンは告発された。何か手元に確たる証拠でもあったのでしょうか?

 法律用語の解説には 「告発とは、犯人及び告訴権者以外の第三者が犯罪があると考え、捜査機関に対し犯罪事実を申告して捜査や犯人の訴追を求める意思表示です。」

 彼の未納が犯罪なら、大学生の相当数、一般国民の相当数が「犯罪者」です。
 オウムがチラシを一般のマンションに撒こうとして「住居侵入で逮捕された」ことがあります。これもただチラシを撒くために建物に入ったというだけで逮捕はよくないと批判された。しかし、オウムの場合は破防法を適用しようかというくらい「社会的な不安があった」ので止むを得なかったかもしれません。でも杉村議員の場合はそうではない。 

 未納は決して褒められたものではなく、また絶対すべきものではありませんが、なんで今回「告発」になるのか。
 
 報道だけではわかりませんが、オンブズマン今回の件はやりすぎのような、これじゃ極めて恣意的な告発でオンブズマンという組織自体の評価も落とすような気がします。話題になっているなら何でもかんでもやればいいでいいのかな。
 
 杉村議員目立つだけに叩かれるということでしょうか? 年金の本質論からだいぶ離れている気がしますが。



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