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OCF最新動向ブログ

オープンCADフォーマット評議会(OCF)の活動と、CIM・CALS/EC(SXF)の最新動向をお知らせします。

SXF開発の経緯

2005年12月08日 | 日記・エッセイ・コラム
このブログを開設し、OCFのトップページにリンクされたのが9月末になります。
そして、昨夜の段階で累計のアクセス数が、9,900を越えました、本日の午前中には間違いなく10,000アクセスを突破するでしょう。このブログを読んでいただいている方が何人いるかは分かりませんが、顔を会わせる方々には毎日大変だねと声をかけられ、毎日更新しなければとのプレッシャーも感じています。

区切りの10,000アクセスと丁度良いので、本日は温故知新ということでどうでしょうか。

そもそものSXF開発の経緯です、初期の目的を忘れてはいけません。というわけで、次のURLをご覧下さい。
建設CALS/ECにおける図面データの標準化に関する取組みについてという記者発表です。
http://www.mlit.go.jp/tec/it/cals/press/prs990125_0.html

この記者発表資料をみるとお分かりのように、「図面流通データ交換基盤検討委員会」の検討を経て、CADデータ交換標準開発コンソーシアム(SCADEC)が動き出し、SXFの開発に繋がっていったのです。
この記者発表資料はSXF技術者検定公式ガイドブックにも要約が載り、実際に試験にも出ました。






文字-5

2005年11月15日 | 日記・エッセイ・コラム
今回は、文字についての5回目ですが、文字フォントについてなのでカテゴリが「CADデータ交換標準SXF」になります。あとでカテゴリ履歴を見ようとすると分かりずらいかもしれませんが・・・。

さて、SXFでの利用を想定している文字フォントは、TrueTypeFont(トゥルータイプフォント)になります。

TrueTypeFontとは、文字のデザインを輪郭線で表現したアウトラインフォントの一種でマイクロソフト社とアップル社が共同で開発した技術を使用しています。そして、MacOSXでは、そのままWindows用TrueTypeFontを取り扱うことが出来ます。
文字の表現は、線の位置や形、長さなどで作るため、拡大縮小しても、ビットマップフォントのように字形に影響がありません。そのため拡縮自由なフォントとしてのスケーラブルフォントのひとつになっています。

さらに、これらには、等幅フォント(あるいは固定ピッチフォント)とプロポーショナルフォントがあります。
等幅フォントは、文字の形にかかわらず、ある一定の文字幅を持ったフォントのことで、これに対して文字の形に応じて文字幅を調整し、字間の開きすぎ、詰まりすぎがないようにデザインされたフォントを「プロポーショナルフォント」といいます。
等幅フォントの代表は、「MS ゴシック」であり、プロポーショナルフォントであれば、「MS Pゴシック」となります。
なお、SXFブラウザでは利用できないフォントが渡された場合には「MS ゴシック」で表示されるようになっています。



今更聞けないSXFの基礎知識-7

2005年11月11日 | 日記・エッセイ・コラム
ここ最近、CAD製図基準(案)の観点から文字について書いてきましたが、ここでまた、CADデータ交換標準SXFにおける文字について書きます。
SXFでデータ交換する際に機種依存文字以外にも使ってはいけない文字があります。ファイルの保存をする上で使ってはいけない文字です。

それは「¥'」という二つの半角文字を、CADで作図する際の文字列入力で使った場合にエラーが起こるからです。
この「¥'」という文字がある図面をSXFで保存することは可能ですが、この保存されたファイルを開こうとすると次のようなエラーが出ます。

sxf

この原因は、次のようなリストを見ると分かるように、「¥'」が文字列の始終点として使われているからです。
#30 = text_string_feature('1','8','1',¥'大野聡のSXF最新情報ブログ¥','-123.693146',・・・・・・・

ですから、このような文字列の入力中に次のように「¥'」の文字を入れると
#30 = text_string_feature('1','8','1',¥'大野聡のSXF最新¥'情報ブログ¥','-123.693146',・・・・・・・
ということになり、文字列の「最新」と「情報」との間にある「¥'」を終点と認識してしまうことで起きます。

文字列で「¥'」を使うのは止めましょう。



今更聞けないSXFの基礎知識-6

2005年10月25日 | 日記・エッセイ・コラム
前回に引き続き、さらに線種についてです。
ここまでいうと、基礎知識とは言わないかもしれませんが・・・。

線種のフィーチャには、「既定義線種」と「ユーザ定義線種」があり、既定義線種は15種類、ユーザ定義線種は16種類が使用できます。ユーザー定義線種の場合には「線種名」を付与することになりますが、既定義線種・ユーザ定義線種を通してユニークである必要があります。
つまり、線種のピッチがまったく同じでも線種の名称で識別することになるので次のような場合は別の線種という扱いになってしまいます。。
一点鎖線・・・(ピッチ 20.0,5.0,5.0,5.0)
1点鎖線・・・上記と同じピッチ、名称の「1」は全角数字
1点鎖線・・・上記と同じピッチ、名称の「1」は半角数字

逆に、他のデータをマージした場合に、ピッチが別でも名称が同じだと同一の線種とみなされることになりますので注意が必要になります。



今更聞けないSXFの基礎知識-5

2005年10月20日 | 日記・エッセイ・コラム
前回からだいぶ間が空いてしまいましたが、引き続き「線種」についてです。
国総研にあります「Q&A」から線種について二点引用してみます。

CA-206
【Q】線種は原則として実線、破線、一点鎖線、二点鎖線の4種類となっていますが、発注者との協議によりこれら4種類以外を使用してもよいでしょうか。
【A】原則として実線、破線、一点鎖線、二点鎖線の4種類を利用してください。ただし、作図上の問題で規定の4種類以外が必要な時は受発注者と協議し、利用可能としています。(H15.8.12)

CA-426
【Q】SXFの既定義線種である跳び破線や点線、一点長鎖線や一点短鎖線なども広義の破線または一点鎖線として使用してもよいでしょうか。また、ユーザー定義線種で作成した任意ピッチの破線や一点鎖線は利用可能でしょうか。
【A】原則として実線、破線、一点鎖線、二点鎖線の4種類を利用してください。ただし、作図上の問題で規定の4種類以外が必要な時は受発注者で協議し、利用可能としています。([CA-206]参照) (H16.6.4)

次に実際に描いた線種が次の画像にあります、特に一点鎖線についてごらんください。
一つ目は、SXF仕様で推奨されている線幅が固定されたピッチの場合の線種です
sxf

どうでしょうか、普段CAD作図で利用している一点鎖線と同じでしょうか?
もしかすると、一点鎖線の鎖線が少し長すぎるなとか、一点長鎖線のほうがシックリくるというユーザーがいるかもしれません。

二つ目は、JISに規定されている線幅に依存するピッチの場合の線種です。
jis
どうでしょうか、こちらの一点鎖線の方がバランスがとれて良いというユーザーもいるかもしれません。

いずれにしろ、一点長鎖線、一点短鎖線を利用したい時には、受発注者の協議対象となってしまいます。また、これらの線種を利用すると市販されている「電子納品のチェックツール」などでエラーがでることもあります。





今更聞けないSXFの基礎知識-4

2005年09月29日 | 日記・エッセイ・コラム
フィーチャのひとつに「線種」があります。
SXFでは実線から三点二短鎖線まで15種類の線が形状(ピッチ)を含めて定義されています。線の基本形(線形)及びその呼び方は、「JIS Z 8312:1999 製図-表示の一般原則-線の基本原則」に則っています、もちろん「ISO 128-20:1996」の国際規格でもあります。
そして「JIS Z 8321:2000 製図-表示の一般原則-CADに用いる線」を見ると、実線以外の線形においては、線を構成する長線・短線や鎖線などの線の長さは、すべて線の太さによって計算により求めた長さとなっています。
しかしながら、SXFでは既定義線種の形状(ピッチ)はあくまでも推奨ピッチということで、CADによっては異なる値を採用している場合もあります。

SXF対応のCADで、これらの15種類の線を扱う事ができるのは当然ですが、CAD製図基準(案)で扱える線種は原則として、実線・破線・一点鎖線・二点鎖線の4種類のみになっていますので、CADで扱えてしかもSXFで保存できるからといって事前協議なしに、この4種類以外の線種を勝手に利用するのは控えたほうがよいでしょう。
扱う工種の図面にもよりますが、この4種類では足りずに毎回事前協議が必要ということもあるのかと思います。
また、この4種類の線種の名前もSXFの既定義線種名と一致しているわけではありませんので利用する際には注意してください。


CADデータ交換標準小委員会

2005年09月28日 | 日記・エッセイ・コラム
JACICでは産学官共同の「建設情報標準化委員会」を平成12年10月4日に設置し、当初3ヵ年の目標を達成したのちに昨年から第二次建設情報標準化推進計画の活動に入っています。
建設情報標準化委員会には、次の四つの小委員会が組織されています。
1.電子成果高度利用検討小委員会
2.電子地図/建設情報連携小委員会
3.CADデータ交換標準小委員会
4.コード/分類体系検討小委員会

CADデータ交換標準小委員会には、OCFとしても委員を出しており、「特定のアプリケーションに依存しない、属性を付加したCAD図面データの交換仕様およびプロダクトモデルによるCADデータ連携共有仕様の作成により、CADデータを高度に利活用できる環境及び基盤を実現する」活動を行っています。

今までの成果はこちらをご覧下さい。
http://www.jacic.or.jp/hyojun/cad-2.htm


今更聞けないSXFの基礎知識-3

2005年09月26日 | 日記・エッセイ・コラム
SXFでは、異なるCAD間においても正確にデータが交換できます。
データの交換のための実装の工夫が「フィーチャ」といわれるもので、図形データの表現規則(フィーチャ仕様)になっており、CADを利用するユーザの立場からは実質的な図形データの交換単位と言えます。

フィーチャは、SXFの最も大切な概念で次の3つに分類されます。

1.図面構造
  用紙、レイヤーコードなど、最も基礎的な情報
2.幾何要素/表記要素
  画面(紙)上で、最低限「図面」を再現するために必要な情報
3.構造化要素
  2次元図面データとしての図面情報を再現するために必要な情報


今更聞けないSXFの基礎知識-2

2005年09月23日 | 日記・エッセイ・コラム
CADデータ交換標準開発コンソーシアム(SCADEC)は、平成11年3月に発足しました。
異なるCADソフトウェア間に渡って図面データの交換が可能になるように、ISO国際規格であるSTEP/AP202に準拠した標準的なフォーマット(SXF)の仕様策定と各種の基盤ソフトウェアの開発を目的に産学官から多くの専門家が参加しました。この標準フォーマットを用いたCADデータ交換実証実験から、実際の運用に充分耐え得る2次元図面データの交換標準の開発という初期の目的を達成したことから平成12年8月31日をもってこのコンソーシアムは終了致しました。
このコンソーシアムの成果は、次になりますが、今では全く聞かないものもありますね。

1.STEP/AP202形式標準フォーマット(SXF)
2.共通ライブラリ
3.STEP/AP202ブラウザ
4.STEP/AP202検証機能
5.DXF-STEP/AP202トランスレータ
6.STEP/AP202ダイレクトトランスレータ



今更聞けないSXFの基礎知識-1

2005年09月22日 | 日記・エッセイ・コラム
そもそもCADデータを交換する標準的なフォーマットとしてSXFはなぜ開発されたのか?

その当時の建設省の記者発表から見ると、公共事業の受発注者間における図面データの交換において、特定のCADソフトに依存しない標準的なファイル形式で行う必要があるということ。また、政府調達協定においては、技術基準としてISOなどの国際規格の使用が義務づけられていることがあります。
このため、当時の建設省では、「図面流通データ交換基盤検討委員会」(委員長:千葉工業大学 寺井達夫助教授)を設置して、ISO国際規格であるSTEPを用いて、特定のCADソフトウエアに依存しない図面データの交換を行うための技術的検討を行なったのです。
そして産学官を結集した、CADデータ交換標準開発コンソーシアム(SCADEC)の活動成果としてSXFが誕生しました。