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ニュージーランド移住記録「西蘭花通信」

人生の折り返しで選んだ地はニュージーランドでした

全員参加型「香港セブンス」観戦

2002-04-15 | 香港生活
もしも香港にお住まいなら、毎年恒例の「香港セブンス」観戦は楽しいですよ~。
(「そんなこと、開催が終った直後に言うかぁ?」いう声が後ろから・・・・笑)
めったに見られないラグビーの国際大会が身近に見られるという表向きの理由もさることながら、それ以外がなかなか侮れません。香港のラグビー人口から察して、観客の大半が1年の362日間はラグビーと何ら関係ない生活を送り、この3日間だけ異様に熱い、にわか熱狂ファンに早変わり!ということらしく、誰でも何でもOKな非常にカジュアルな大会です。

予選の金曜は会社が引けてから直行し、土日は家からおにぎり持参で出かけます。自宅から会場の香港スタジアムまで徒歩で20分以上かかりますが、途中からラグビージャージを来たムキムキのおニイさんだの、ばっちりフェイスペイントした各国サポーターだの、コスプレのアフロ集団だの、見るからにフツーじゃない人たちがスタジアム方面に向かってぞろぞろ歩いており、「いるいるぅ~♪」と嬉しくなってきます。

そのうち聞こえてくる、
「わぁぁぁぁぁぁぁ~」
「どぉぉぉぉぉぉぉ~」
という地鳴りのような大歓声。スタジアムはドームが半開きになったような独特なデザインなので、歓声やアナウンスは外まで筒抜け。もうこうなったら、おにぎり背負ったまま走って行きたくなります!

会場は招待席以外は全席自由席なので、ここに来る目的で座席が自然と決まってきます。まず「ビールなしの観戦なんて・・・・」という人は1階席へ。完全燃焼したい人はサウススタンドと呼ばれるスコアボードの真下へ。それ以外は3階席へ。

1階席はかぶりつきなので、本国から来ているような熱心なサポーターたちが早朝から場所取りをして最前席に陣取っています。そこでは、
「何日前から酔っ払っているの?」
と思われるような、午前中からアルコール臭い赤ら顔の白人年配サポーターたちが、大ジョッキならぬ大紙コップを手に、肩を組んでの大合唱。

「イングランド対スコットランド」とでもなれば壮大な歌合戦となり、高校野球での応援団のエール交換状態です。片方が歌っている間は一応大人しく聞き、自分たちの番が来たら総立ちで大の大人が「威風堂々」のあのメロディアスな部分をダミ声でハモったりします。酔っ払いが過半数なのでビールと葉巻の匂いとその他もろもろが渦巻く、オヤジ度の高い濃厚空間となります。

それに比べ3階は階段席で、足を滑らせると危ないのでビールは厳禁。当然のことながら応援もしらふでかなり大人しめ。でも位置が高いのでグランドが一望でき、動きが早い試合をしっかり見るにはいい席です。子連れがちゃんと席を確保できるのはここしかないという消去法もあって、西蘭家はここ数年、毎年3階席に紛れ込んでいます。

家族連れが固まるので子ども同士が友だちになったり、親も自然と言葉を交わし合ったりで和やかな雰囲気。長男がどこからかお菓子をもらって来れば、次男は知らない人の膝に座っていたりといった具合で、周囲はご近所状態。最も女子ども度の高いほのぼの空間です。

そして噂のサウススタンド!朝からビキニでイケイケのおネエさんから、毎年必ず(本当に必ず!)出るストリーキングまで、全員強制参加型のキョーレツな一角です。数千人がほとんど朝から総立ちで、遠目からも異様な盛り上がりが良くわかります。でも屋根というものが全くないので、今年の雨の中でのコスプレは大変だったろうと察します。

それでもビキニは健在だし、夫が参加しているラグビーチームの独身軍団も1人3万円もかけて(3日間の入場料の3倍!)、本格的なアラブの白装束でキメて(頭にあのワッカまではめて)ました。メキシカンウェーブもいつもここから始まり、途中で途切れると総立ちの数千人が切れた当たりを指差して猛烈なブーイングと、試合どころではなくなります。ここは3日間全開の、独身率最高空間です。

試合中もスピーカーからガンガン音楽が流れ、
「○○ケッコンして~ ◇◇」
「△△、どこにいるの?サウススタンドの○○に来て!××」
などのメッセージが電光掲示板にデカデカと出たりと(ちなみにこれは有料ですが、朝から晩まで無数に出ます)、試合ばかり見てもいられません。

いつ掲示板にメチャ面白いメッセージが出るかわからないし、ウェーブが始まったら立ち上がって「ウォォォォ~~~」と思いっ切り背伸びをしなきゃいけないし、いつなんどきサウススタンドのフェンスを乗り越えてストリーキングが始まるかもしれないし・・・。あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロしているうちに、
「あ~、トライっ!」
尽きない遊び心と全員参加型のノリ。病みつきになります。


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「マヨネーズ」 
「次回では試合以外の楽しみ方など・・・」と結んだのが9日。ところが前回は全く関係ない話に脱線し、「やっと続きが出た~」と思ったら、香港セブンスは早くも1ヵ月前。なんだかおマヌケなタイミングになってしまいました。

本当に1週間なんてあっという間。この分だと、
「移住までまだ3年もあるしな~」
なんて呑気に構えていたら、半泣きな目に遭いそうです。あぁ、時間が欲しい。  

そう言いながらも、ワールドサービスのニュージーランド情報のご好意で、「ミニ西蘭花通信」のコラムを週1回から10日おきぐらいに掲載させていただくことになりました。「西蘭花通信」とは違ってNZ100%の内容になる(予定です)ので、こちらの方もお時間があったらのぞいてみてください。次回はNZでの永住権取得には全く必要ない、手打ちうどんの作り方をお送りします。


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2019年5月の後日談:
今回のメルマガを読み返してみて、
「移住までまだ3年もあるしな~」
という記述を発見して、び、び、ビックリ
「誰が書いたの?」
と言いたいぐらい。何を根拠に「2005年移住」を思い描いていたのか?

当時の条件であれば、私名義でも夫名義でも永住権取得のポイントがまず足りていた呑気な時代。移住の旗振り役だった私の最大の関心事は、永住権が取れるかどうかではなく、夫と長男がその気になってくれるかどうかでした。17年前とはいえ隔世の感。