ニュージーランド移住記録「西蘭花通信」

人生の折り返しで選んだ地はニュージーランドでした

20年前の自分と出会う

2021-01-04 | お知らせ・ブログ化
年末年始にかけて暮れのボランティア疲れ(笑)が出たのか、体調が優れなかった私。
「省エネでもできることは?!」
と思い立って始めたのが、2002年から始めていたメルマガのこのブログへの移行です。2019年5月に『メルマガからブログへ』というお知らせを出しておきながら、なかなかエンジンがかからず延び延びになっていました。あの時「17年前の過去から現在を目指す」と言っていたのが、1年半以上が経過してかれこれ19年、メルマガの内容によっては20年前の過去から現在に追いつくための、落穂ひろい的な作業を再開しました。

今日現在2002年6月まで来ました。こんなことでもなければ19年も前に書いたものを振り返る機会などほとんどなく、読み返してはため息。
「これってブログ化してまで残しておくべきもの?」
と自問しながら(笑)、黙々と作業をしています。移行ついでにその後の展開を記す、後日談「ふたこと、みこと」というものを追加している回もあります。

こうして出会う20年前の自分のなんと青臭いこと(爆) 「移住」「移住」で頭の中がいっぱいだったのがよく分かります。すべての道はNZへ続くといわんばかりに、仕事でも、スーパーでも、子育てでも、生活のあらゆる面がNZに、新生活に向いていました。青臭さは実直さでもあり、若さでもあり、エネルギーでもあり、まだまだそこから成長し、発展していく気満々の、恐れを知らない暑苦しい自信でみなぎっています💦

「アラフォーってこんなモンだったのかー」
と、かつての自分に遠い目になるアラカン。『1粒のダイヤよりも』を読んで、21年前には当時住んでいた香港の離島ラマ島に、友人とクラフトの店を出す計画があったことを思い出してビックリ仰天。NZ移住計画が持ち上がる以前の話で、完全に忘れていました。もしも店を持っていたら、月‐金のサラリーママ業とどうやって両立させていたのでしょう?無鉄砲にもほどがある~(笑)

『株はインフレがお好き』はタイトルとは裏腹に、為替の話。2002年にNZドルが主要通貨の向こうを張って世界の大舞台にテイクオフしていくのを、1997年に売却した香港のマンションの売却益という全財産を賭けて見つめていた頃。メルマガでは当たり障りなく書いていましたが心の底では、
「来る、来る、来る、来る、絶対来る!南半球が来る!!」
と信じていました。

『私的21世紀の暮らし方』で書いていたように「より豊富に、より高級に、より便利にと変わっていくことが、幸せにつながると信じられていた20世紀」はもう終わり、21世紀は「より少なく、より等身大に、よりひと手間かけたことが幸せにつながる」と思い始めていた頃でした。そんな暮らしの追及に人口の少ない南半球ほど相応しい場所はないと信じ、NZドルの本格上昇の始まりを目にしたことは密かな感動でした。

長年相場の世界に身を置き、けっきょくのところ「相場を動かすのはヒト」ということを嫌というほど思い知らされてきたせいか、
「世界には南半球の可能性を嗅ぎ分けている人たちがいるんだなー」
と思いつつ、日々チャートを見つめていました。その後、“Less is More”と自分の感覚を代弁してくれる言葉と出会い、翌2003年には中国から持ち込まれた謎の肺炎SARSの流行で肝を冷やし、香港の世界屈指の人口密度の中で「より少ない」ことの価値を噛みしめていました。今回のコロナ禍で主要国中、NZが最も感染を封じ込められた決め手の一つに、人口の少なさがあった事は否定できないでしょう。

同時に香港の将来への憂いは、中国返還から5年しか経っていなかった当時ですら、心の中に芽生えていました。『それぞれの6月4日』『それぞれの6月4日 その2』で漠然と感じていた「いざとなったら天安門の悪夢が繰り返される」という懸念は、幼子を持つ親として決して頭から拭い去ることができませんでした。香港は民主化運動の高まりを受け、2020年7月1日より「香港国家安全維持法」を施行し、50年が保障されていたはずの「一国二制度」はなし崩し的になってきています。

一方で、『深いビーズの泉にて』だの『1粒のダイヤよりも』だのと言っていたことが、『58歳のリタイア』へとつながっていくのは、20年近い歳月を経なければ自分でも思いもつかない展開でした。リタイアにまでなる背景には、私の古いモノ好きが高じた、リサイクルでは飽き足らない筋金入りのアップサイクル志向があります。その片鱗はすでに『アンティークショップは宝の山』に記され、移住後2年で生活が安定したのを機に、こちらでOPショップと呼ばれるチャリティーショップでのボランティアを始め今年で15年目に。これがリタイアの直接要因でもありました。

20年前の暑苦しい自分に対面しつつも、考え方や方向性というものはそうは変わらないということにも気づきます。当時ですら、
「なんのためにこんなに買っているんだろう?」
と思いながらも買い続けたビーズやパーツが、今になって役に立っているこの妙。やはり「ブログ化してまで残しておくべきもの」なのかもしれません。


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編集後記「マヨネーズ」 
それにしても当時のタイトルのセンスのなさ💦『さまよえる氷河』だの『パイの逆襲』だの『株はインフレがお好き』だの。再読するまで自分でも内容が思い出せませんでした。登場する息子たちが、“ちゃんと子ども”なところがなんとも和まされます。

(※2002年のテカポでの2人)


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