ニュージーランド移住記録「西蘭花通信」

人生の折り返しで選んだ地はニュージーランドでした

90cm上の世界

2014-05-19 | スピリチュアル・レイキ
先月、沖縄で再会してきた友人からのメールに、
「首里も人によっては『戦争で亡くなった人の霊が見える』と怖がる人もいるんだけど、私は全く感じないのよね。霊能力の高い人が『それはどの波動をキャッチしているかで、見えるもの感じるものが違うんです』と言ってたけど!?」
とあり、興味深く思いました。

首里城は戦時中、地下にあった日本軍の司令部を攻撃するために、想像を絶する量の爆弾が投下され灰燼に帰した場所でした。現在の朱色の壮麗な建物は戦後の再建ということを、お恥ずかしながら今回の訪問で初めて知りました。2000年に世界遺産に登録されたのは、首里城跡なのだそうです。私にとっての首里城は歴史的知識の乏しさも幸いしてか、爽やかな風が吹く、不吉なものを感じる場所ではありませんでした。

友人のメールが興味深かったのは、ずっと昔の香港時代の話を思い出したからです。1997年の中国返還の4年前、香港のオフィス街アドミラルティ(金鐘)にリッツカールトンがオープンしました。当時は6つ星ホテルと自称し、豪華さを喧伝していました。しかし、建設されたビクトリア湾に臨む場所は、香港人なら知らぬ者がいないほど風水の悪い場所でした。そこは第二次大戦中、日本軍の処刑場だったというのです。


(アドミラルティの高層ビルには
角がない、悪い気を流すための
「風水対策」が施されたビルがい
くつかあります。ずっとこの辺の
ビルで働いてたんですけど)


ホテルに再開発される前は風水とは無縁そうなマレーシア系銀行マラヤンバンキングのビルでした。ビルの上には横顔の虎が吼える古風なロゴの看板が掲げられていました。しかし、アドミラルティの海岸線ではほとんど最後の一等地となると、中国返還を前に未曾有の好景気が見込まれる中、開発業者が放っておく訳がありませんでした。最終的に香港の新興デベロッパーが高級ホテル開発に乗り出しました。

再開発を知ったとき、
「いくら香港人でもカネには勝てないのか~」
と思いました。コストとの競争である一等地の開発は突貫工事であっという間に進むものなのに、リッツカールトンの建設は難航しました。そのうち、日系大手ゼネコンが工事を途中から請け負い、たまたま知り合いがいたので後から話の経緯を知りました。工事が進まないのに業を煮やした開発業者に泣きつかれ、建設業者としては3社目にしてトラブル続きの末に、何とか完成させたということでした。

そんなある日、懇意にしていたタイ人の取引先が出張で香港にやって来ることになりました。
「ホテルはリッツカールトンにしたの。香港には何度も行ってるからどのホテルも泊まったことがあるからね。みことのオフィスにも近そうじゃない?」
と電話をくれました。当時は毎朝彼女と電話で話していたので、出張に来てくれたからといって特にビジネストークがあるわけでもなく、世間話ついでに、
「リッツカールトンはどう?」
と聞いてみました。

すると、
「なんなの、あのホテルは?」
と言うではないですか話を聞くと、チェックインをして部屋に上がるとき、食事のために下に降りるとき、また部屋に戻るときと、夜だったこともありエレベーターには彼女しか乗っていませんでした。

「でも、大勢乗ってるのよ。」
その一言に全身鳥肌が立ちました。

「見えないんだけど、人がたくさん乗ってるのがわかったわ。なんなの、あのホテルは?」
と再び聞いてきたので、タイ人であっても中華系の血を引く人であることを頭の隅に置きつつ、よく知る彼女の性格とさらに見上げた肝っ玉に見込んで、風水の由来や工事が遅れに遅れ、最後に仕上げたゼネコンもトラブル続きで大変な苦労の末に完成させたことを話しました。
「どうりで!」

「どの波動をキャッチしているか」という言葉に、ふとあの時の天晴れな彼女を思い出したのです。

昨年末にメルマガの5回連載で取り上げたアメリカ人サイキック(霊能者)シルビア・ブラウン氏は、その著書「スピリチュアル・ノート」の中で、"あちら側"の定義として、
「いま、ここに、この世界に重なるようにしてある、違う次元なのです。だいたい、地面から90センチぐらい上がったところにあります」
と記しています。初めてこれを目にしたときは90cmという具体性にハっとし、
「日本のお化けに足がないのはこのせいか!」
と納得しました。その高さだと浮いて見えるのでしょう。

ブラウン氏はこの理由を、霊的存在が、
「私たちよりずっと高い波動を持っているために、私たちにはわからない」
とし、
「幽霊や天使を見た人は例外なく、それらが地面から浮いて漂っていたと言います」
とも語っています。霊能者は高い波動でも見分け、聞き分けられる特別な能力を持っているため、霊的存在を知覚でき、彼らと交信できるという訳です。

90cm上の世界を怖いと思えば怖いかもしれませんが、数年前に愛猫2匹を亡くした私にはかえって慰めとなりました。私の腰の辺り、座ったら目線の辺りに愛猫ピッピとチャッチャが付かず離れずにいてくれるのかもしれないと、見えないながらに"あちら側"を思い描くことができ、予想外の近さに親しみと愛着を感じました。ブラウン氏が言うところの「あなたを見守る優しき存在」は、いつもそばにいるのかもしれません。


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編集後記「マヨネーズ」
リッツカールトンは2008年に取り壊され、中国建設銀行のCCBタワーに再開発されました。ホテルとしてはたった15年の短命でした。現在の香港のリッツカールトンは複合施設の102~118階として九龍側にあります。


後日談「ふたこと、みこと」(2022年7月):
これを書いてから8年。夢日記をつけるようになって10年の夢見ストとなり、地上から90cmという立ち位置は一段としっくりくるようになりました。夢の中では人の頭の上から俯瞰するような、地上から2mちょっとぐらいから見ていることが多いのに気づいたからです。机の上にでも立って見ている感覚でしょうか。天井に達することもなく、同じ室内にいる感覚です。最近見た夢の一例

福音:スネヲヒヤスナ

2013-06-13 | スピリチュアル・レイキ
3年前の事だったと思います。今のように寒い時期だったかもしれません。寝ているときに夢を見ました。どんな夢だったのか、その時でさえ思い出せなかったのですが、誰かとの会話の途中に突然、
「スネヲヒヤスナ」
という厳かにしてぶっきらぼうな野太い声がしました。男性の声です。
「脛(すね)を冷やすな?」

「脛?ふくらはぎじゃないの?」
私は反射的に聞き返しましたが、声は2度としませんでした。ふくらはぎはよく「第二の心臓」とも呼ばれる大事な場所。特に私のように血圧が高めの場合は、心臓から最も遠い足先の血行を良くすることは重要です。そのためには、ふくらはぎが心臓のように要になります。夢の中でさえ、突然の一言に咄嗟に反応したのは、私が普段からふくらはぎの大切さを意識していたからでしょう。

直後に目を覚ましました。 「ふくらはぎじゃないの?」 という問いかけは、本当に声に出していたかもしれません。それぐらいしっかりと目が覚めました。暗闇の中で、
「これは夢じゃない。」
と感じました。同時に、
「これはきっと真実だ。」
とも感じました。忘れないように、
「スネヲヒヤスナ」
「スネヲヒヤスナ」
と呪文のように心の中で唱え、再び眠りにつきました。

冷やさない、逆に言えば温めるとどうなるか?お風呂に入って、血管、筋肉、関節など全身が緩むと気持ちがいいものです。寒かったり冷えたりしている実感がなくても、真夏でもない限りお風呂や布団の中は快適な場所ではないでしょうか?温めて緩むことでリラックスし、それが身体にとって良い状態だからこそ気持ちよく感じるのでしょう。しかし、脛とふくらはぎは脚の裏と表、どちらかだけを温めることはまずありません。あえて「脛」と限定されると気になります。
「なぜ脛?」

長年師事したヨガの先生の口癖は、
"Listen to your body"(身体の声を聞け)
でした。おかげで身体のすみずみにまで意識を持っていく癖を身につけていた私は、脛という指摘を受けてから膝下に意識を持って行くようになりました。その結果、膝下で冷えている部分が足首の前の方、足の甲のやや上から脛にかけてであることに気付きました。そこが足先やふくらはぎよりも冷えやすく、血行が悪くなっているようでした。人間の身体で首がつく部分はどれも細く複雑な構造で、血行が悪くなりがちだそうですが。

なるほど!この発見は合点が行きました。私はブーツが好きで、夏でもよくショートブーツを履いています。しっかりした足元で闊歩している方が、華奢なサンダルでしゃなりしゃなりと歩くより性に合っています。身体は私が気付く前から、弱点を知っていたようです。足首から脛にかけて温めていれば、ミニスカートやショートパンツで脚自体を出していても、さほど冷えないことにも気づきました。
(最近は変形性股関節症らしい股関節の問題で脚全体を冷やさないようにしていますが、これは別の問題でしょう)


(↑勢い真冬にはこんなルームシューズを愛用していました。2、3年で履き潰し、今年はブラックにしましたが今のところ暖冬で出番なし)

「正しい!」
と悟ったら、君主でなくとも豹変します。以来、私は靴下を履いて寝るようになりました。夏は薄手のユルユルの靴下(暑ければ知らないうちに脱いでいます)、冬は「脛を冷やさないよう」ハイソックスです。夫からは不評で、
「一緒に寝る人のことも考えてほしいよ~💦」
と、冗談半分本気半分でブイブイ言っていましたが、私の悟りに揺るぎありませんでした。面白いことに昨年の冬から、夫まで靴下を履いて寝るようになりました。やや口惜しそうながら、「よく眠れる」と効用を認めています。夫はもともと低血圧の冷え症なので、すぐに違いを実感したようです。

経験から言うと、身体に冷えた部分があると、それが腕でも足先でも腰でもトイレが近くなります。その部分を他の部分よりも一段と温めると改善されます。冬の夜中にトイレで目覚めるのはがっかりだし口惜しいので、寝ているときも冷えた部分を作らないように注意しています。特に血圧が高い場合、朝までぐっすり眠れることは非常に重要です。

ご存知のように腎臓は体内の塩分と水分を排出する役目を負っていますが、その機能が低下すると尿の排出がうまくできずに血液量が増え、これがまた血圧を押し上げるという悪循環に陥ります。高血圧症の人は慢性腎臓病も要注意なのです。「ためしてガッテン」によれば、腎臓は通常、夜中は休んでいますが、排出が間に合わないと寝ている間も働き続け、トイレに起きてしまいます。休めないと腎臓はさらに疲弊して機能が低下するので、夜中のトイレは口惜しいどころではないようです。機能低下の原因は塩分の摂り過ぎ以外に、冷えも大いにあると思います。

「スネヲヒヤスナ」というぶっきらぼうな一言は、それをきっかけにいろいろな気づきに至る大きな福音でした。実はここ数年、何年かおきにこの野太い声を聞くようになりました。メッセージは毎回全く違いますが、どれも生涯にわたって従うべき重要なものばかりです。


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編集後記「マヨネーズ」
次男(16歳)は夫と外見、性格、食べ物の好み、髪質までよく似ていて、私は自分と共通するところが少ない2人を「一卵性父子」と呼んでいます。次男も多分、低血圧の冷え症体質のようで、勧めなくても自分から靴下を履いて寝ていました。夫は「あれじゃモテない」と心配していますが、子どもの方が見栄を張らず正直ですね(笑) 

私は今では靴下からさらに一段進めて着圧ソックスにし、冬でも朝までぐっすりを励行中。


後日談「ふたこと、みこと」(2021年9月):
今や24歳となった次男。22歳のワーキングホリデー中にイギリス生まれNZ育ちのガールフレンドと知り合り、今はオークランドで一緒に暮らしています。冬に寝る時、どんなカッコなのかは不明です