雑記 夜更かしの毎日

働く主婦の日々のこと。
大好きなお芝居や音楽、その他もろもろ。

めがね

2007-10-25 | MOVIE
映画「めがね」公式サイト

やっと、…見て来ました。映画「めがね」
去年見た「かもめ食堂」がとっても良くって、大好きで。
同じスタッフで、再び小林聡美さんともたいまさこさん主演で、と聞いたからには、やっぱりどーしても見たい!

あのねー、静かで穏やかで、じーんと染み込む映画でした。
例によって、なんの説明も前置きもないストーリー。

携帯も通じず、テレビもない(らしい)、誰一人お客さんもいない南国のペンション。
観光シーズンでもない春先に、大きなトランクを引きずりながら1人でやってきたタエコさん。
愛犬コージと一緒に淡々とペンションを営むユージさんと、そこにマイペースにぶらぶらと入り浸る高校教師のハルナさん。
そして春が来るたびに、体ひとつだけでやって来るサクラさん。

何も起こらず、何も起きずに、ただ朝が来てまた夕暮れて、次の朝がやって来る日々。
どこまでも碧に輝く海と、夏が来る前の薄い青色の空を眺めて、ただ「黄昏れる」だけの毎日。

タエコさんを追ってきたヨモギ君も加わり、ただ最初は「黄昏れる」ことに抗っていたタエコさんにも、ゆるやかな時間がながれて行く様になって…

ここに集った5人は、みんな他の場所からここにやって来た人達。映画では一切語られることはないけど、みんな何かが折れた過去を持っているんだろう…
みんなを優しく大きく包み込んでいるようなサクラさんでさえ、たぶん例外ではないはず。
だからこそサクラさんの振る舞う季節外れの氷アズキは、あんなにみんなに愛されて。

この穏やかな場所は、でも永遠ではない。ここで心行くまで黄昏れたら、きっと次の場所に進まなくてはいけないのかもしれない。
でも、サクラさんは春が来れば、またきっとここにいて、ユージさんはとびきりに美味しいゴハンをつくってくれて…

ただ寄せて返す波と、ただ吹き抜けていく風に合わせて、見ている私まで心がゆっくりと「ノビ」をさせてもらったような。
「かもめ食堂」のスタッフさんが手がけたとあって、食卓に並ぶ日々のゴハンの素晴らしさはもう絶品!日本人でよかった~!
そして5人のキャストのたたずまいの味わい深い素敵さ。
いい映画でした~


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