かもめ食堂
昨日は上着もいらないぐらい暖かだったのに、今日はまたびっくりするほど寒い!
私は気が付かなかったけど、東京でもまた雪が舞っていたとか
はやく春になるといいのになぁ…
そんなお天気なのにまた映画見に出かけてきちゃった。しかも銀座まで。
もう見たくて仕方なかった「かもめ食堂」
土日は混むだろうし、どうせ仕事休めないしで、やっと公開3日目の今日、朝1番の回で見てきました。
あんまり行かないんだけどね、銀座。行く度にブランドショップが増えてるよねぇ。ヴィトンとティファニーと吉野家が普通に軒を並べる光景っていうのも、ま、銀座ならではの眺め。
上映時間ギリギリにたどり着いたシネスイッチは平日の朝なのに結構な混み具合。春休み前で平日のせいかお客さんの年齢層は少し高めで、女性客がやっぱり多かった。
日本人女優で好きな人を10人挙げて、と言われたら間違いなくみんなランキング入りさせちゃう3人の女優さんが共演する「かもめ食堂」。最初に予告を見たときからすっごく楽しみでした~
なぜかお話の舞台はフィンランドのヘルシンキ。なぜかひとりぼっちで日本食の食堂を営むサチエさんと、そこになぜだかたどり着いてしまったミドリさんとマサコさん。
まったくお客さんのこない「かもめ食堂」を淡々と軽やかに毎日真面目に営業しているサチエさんに小林聡美さん。世界地図から偶然選んでしまったから、という理由でヘルシンキに滞在中にサチエさんと知り合い、店を手伝うことになるミドリさんに片桐はいりさん。テレビで見たあるニュースをきっかけにフィンランドに来てみたものの、飛行機の乗換えで荷物を紛失(でも、少しも困ってるようには見えない)、ひたすら荷物の到着を待ちながら「かもめ食堂」に出入りするマサコさんにもたいまさこさん。
北欧のなんとなく薄く青く高い空と、日当たりの良い静かに整った「かもめ食堂」とこの3人の女優さんの醸し出す柔らかな手触りがとにかく素敵な映画でした。
3人の登場人物は、後にしてきた日本になんらかのシコリを抱えているはず(マサコさんはちょっとだけそんな話もするんだけど…)。でも、映画のなかではそのことについてはまったく語られないまま。大きくゆっくり水を掻くように真っ直ぐ前を向いて過ごすサチエさんの日常は、そんなことをどうでも良いことに思わせる。
やっぱり3人ともすばらしい女優さんですよね~。3人ともスクリーンに自らを存在させるだけで、キャラクターにとんでもないほどの説得力を与えてました。
ワキで出演されるフィンランドの俳優陣も魅力的。日本オタクの青年(Tシャツがキュート!)、ダンナさんに家出されたおばさん、訳ありのおじさん…みんな素敵でした。
でも、この映画の主役はたぶん「かもめ食堂」そのもの。大きなガラス張りに白と水色がベースの白木の美しい明るい店内。置かれたテーブルや椅子、シンプルで清潔な食器に調理器具。店の床を軽いリズムの靴音を響かせて立ち働くサチエさんのエプロンのデザインまで、すべてが気持ちよくて暖かく、とってもオシャレ。
そして実に美味しそうな料理
コーヒーにシナモンロール、まるごとの大きなじゃがいものゴロゴロした肉じゃがに豚の生姜焼き、鳥のから揚げ、でっかくて厚いロースカツ、焼き鮭に卵焼き…。それに大きめにふんわり握られたおにぎり
もう、見てるだけで幸せ!本当においしそう!日本人に生まれて良かった。
おいしそうで優しくて面白い、そしてとっても綺麗。で、見てるうちにちょっとだけしんみりして、でも見終わって元気になれる…。それは、主演の女優さんたちがそれぞれの演技の中に楽しいだけでは済まされない人生を織り込み、そして同時にそれを乗り越える力を忍ばせてみせてくれたからなんだろうな…
エンディングテーマの「クレイジーラブ」もいい
25年ぐらい前かなー。文字通り擦り切れるぐらい(まだCDなかったしね)聴いてた、井上陽水さんの曲。そういえば「EVERY NIGHT」(「クレイジーラブ」の入ってたアルバム。傑作
)に「プールに泳ぐサーモン」って曲もあったよなぁ。泳いでるサチエさんと鮭おにぎり見て、なんか思い出しちゃった。
「月が私を許すなら、後戻りもしたいわ…」って鼻歌歌いながらパン屋さんでシナモンロール、帰りに買ってきました。今晩は肉じゃがでも煮ようかな…