若生のり子=誰でもポエットでアーティスト

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単なる愛犬が死んで哀しいということだけではない「ジルー(里親)の死」

2010-03-12 | Dogs
是非とも申し上げなければならないことがあります。

何ゆえにこれだけ、わたくしがまたジルが引き裂かれる思いになるのかをご理解いただきたいのです。

わたくしが、愛犬を失ったのはこれが初めてではありません。3度目です。

悲しみはどの子の場合も同じですが、

3度目のジルの場合は、心に突き刺さりました。

それは、なぜか?

それは、ジルの不幸な運命が、ひとえに人間に起因するからです。

ジル(当時4歳と6ヶ月)は一昨年11月28日に里親で突然我が子になりました。

日本では、年間保健所で収容され殺処分される犬猫が約40万匹もいるのです。

1日約1100匹も殺処分されている計算になります。

それも安楽死でなく、苦しみながら殺されていくのです。(二酸化炭素で)

その総てが、人間の「ジジョウ」なのです。

どんな事情であれ、人間の横暴と身勝手なことには変わりがありません。

ジルもそのうちの一匹だったのです。

経緯は:
たまたま石川県金沢の個人飼い主の切実なる里親募集が私の目に留まり、メールしたことから始まり、もう次の日には、ジルは我が子になっていたのです。
ジルとしては青天の霹靂で、いきなり全く知らないところに遠路はるばる連れて来られて置いていかれたのですから、パニックになるのは当たり前のことなのです。

ワイマラナーという大変繊細で、飼い主に対してのロイヤリティーの高い犬種故に、ジルの悲痛さは余りあるものと思いました。
犬だって、人間だって、そう簡単に、単純に割り切って心の切り替えが出来るものではありません。
聡明、賢明な犬であればあるほどその精神の痛手は計り知れないものと理解できます。

ジルは、繊細で大変聡明な犬でした。

元飼い主を非難しているのではありません。
そんな瑣末な個人的なことを問題にしているのではありません。
決してお間違えにならないように。
(元飼い主が、ジルに対して、最後まで面倒を看ず、途中で放棄することを詫びて涙ながらに帰られたことを見ています。)

日本のペットの扱いの構造に対して、怒りを覚えているのです。

人間と同じ「生き物」として対等にペットを処遇を出来ない意識の低さ、人間の傲慢、インセンシティーブに、
哀しみを持って抗議しているのです。

人間の総ては、ペットに対して加害者であるのです。

自戒を込めて、ジルに、最後に接した人間として、

「辛い辛い思いをさせてごめんなさい」と謝りたいのです。

ジルを失ったことの悲しみもさることながら、

人間の非業さに辛さと哀しみをも感じているのです。

それをジルが、命を掛けて、わたくしに示したのです。

これが武蔵だったらまだ救われるのです。哀しいことには変わりがありませんが、こんなにも心が引き裂かれないことと思います。(武蔵は、赤ちゃんのときから我が子になりましたから、彼は人間の非情さの裂け目を知らないでいます)

この不幸な運命を背負った「ジル」だからなのです。

漸く、絆が繋がっているとお互いに感じられて、今までの辛らかったことを克服、払拭して、
皆で楽しく過ごして行けると思えてきた矢先でしたから。

人間族の一人として、犬族であるジルに償いをさせてもらいたかった。

そして、これからは、もっともっと幸せになってもらいたかった。

だから、これだけ後を引くのです。


最後になりましたが、皆様からの温かいお心遣い痛み入ります。
大変感謝しております。

ありがとうございました。

もう一つ、
ジルが我が子になった時に健康診断を受けましたが。
そのときは何の問題もありませんでした
ですが、声帯を切られていました。
また、太るからと食事を制限されていて、飢餓状態すれすれだったのではないかと診断されました。

これは、人間の犬に対する冒涜です。

声帯は、一番大事な犬の伝達手段です。
吠え方によっていろいろと犬の状態が解かるのですから。

また、食欲は、犬にとって最も大きな喜びの一つです。(人間も同じですが)