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日本の核武装計画とアジア情勢―広瀬隆氏

2008-12-22 | 時事問題
現代史研究会のレジュメからの抜粋

プルサーマル計画~高速増殖炉もんじゅ~六ヶ所再処理工場の三角プロジェクトの謎

発電用原子炉の軽水炉では、普通の水中で中性子のスピードを減速すると、400倍も核分裂しやすくなる。この遅い中性子を熱中性子thermal neutronと呼ぶ。
ところが高速増殖炉では、高速中性子のまま核分裂を進行させることによって、核分裂の効率はひどく悪くなるが、その分だけプルトニュウムを増殖させることができる。
つまり高速増殖炉もんじゅは、文字通り、プルトニュウム増殖炉である。しかもブランケットで生まれプルトニウムは、核分裂するプルトニウム239が98%であり、核兵器製造に必要な93%をはるかに超える「原爆に最適な核物質」である。これを抽出すれば、直ちに原爆をつくることができる。
 どこで、そのプルトニウム抽出をおこなうか。
槌田敦氏によれば、茨城県東海村に日本原子力研究開発機構が建設中のリサイクル機器試験施設RETF(Recycle Equipment Test Facility)古祖が、その軍事再処理工場である。この奇怪な名称こそ、日本の核武装計画を秘密裡に進めようとしてきた政府と原子力産業の意図を、明らかにしている。
中略
 つまり全国の原子炉で生まれた使用済み核燃料が、六ヶ所再処理工場に送られ、純度60%のプルトニウム239が抽出される。次にこれが、高速増殖炉もんじゅにMOX燃料として装荷にされ、ブランケットで純度98%のプルトニウム239が生まれる。それをリサイクル機器試験施設で取り出す。これら一切のプロジェクトが1995年のもんじゅ火災事故で破綻しかかったために、急いで考案されたのが、プルサーマル計画であった。
中略
核兵器の運搬手段は?
だがプルトニウムを製造できるとしても、日本がそれを敵国(具体的には北朝鮮)に打ち込むには、ミサイルや戦闘機のような運搬手段が必要になる。2008年5月21日、国会で宇宙基本法は成立した(自民党、民主党、公明党の三党共同で法案が提出された)。もし北朝鮮が何か打ち上げた時に、それを事前に打ち落とすというミサイル防衛を日本は推進し、そのための偵察衛星(軍事衛星)を日本は打ち上げてきた。ミサイル防衛のために人工衛星を使えるようにする法律が宇宙基本法であり、この偵察衛星を現在の防衛省では自由に出来ないので、これを完全に軍事化できる法律が宇宙基本法である。日本のマスメディアは、このきわめて危険な法の成立に無頓着である。
中略
日本の宇宙ロケット開発は、猛烈な勢いで推進されてきたが、宇宙ロケットの先端に核弾頭を取り付ければそれがミサイルとなる。しかも日本の宇宙飛行士のミッションとは、数々のオブラートで包んで子供と大衆を欺いてきたが、すべてアメリカ(米軍)の手の中で動かされている。