6月21日(火)夜、予定通りに帰国した。スケジュールどおりに進んだ。出発を除いては。
12日(日)夜6:40、成田発のフライトが、航空機の機械の不具合で、どんどん遅延し、最終的には、調整がつかず、違う飛行機を使うことになり、3時間ぐらい遅れて出発した。そのため、香港で中1時間25分の中継のヨハネスブルグ向けのフライトに間に合わず、香港で1泊することになる。結局丸1日遅れでダーバンのホテルに到着。午後1時からの会議の開会に間に合うかとひやひやしたが、ホテルのチェックイン後に、スーツに着替えて、同じホテルの会議場で登録を済ませてbadge(大会身分証のこと)をもらってという手順をすべて終えて、着席して、開会となり、ぎりぎりセーフ。今回は、日本代表に同行していたので、遅れるのなら全員ということになり、通訳者だけ遅れるという最悪のことではなかったから、あせりはなかった。ただ、到着してすぐに会議なので、香港からヨハネスブルグまでの13時間は、できるだけ睡眠をしっかりとろうとした。みんな、同じ気持ちだったと思う。眠剤を半錠使って寝た。初日何とか終わって、ホッ。以前一度、復路のフライトで18時間遅れたことはあったが、往きは初めて。これらもあまりないと思う、スリリングで貴重な経験だった。
(写真は、ダーバン国際会議場1階。ICM3年毎大会の様子)
助産はmidwifery、助産師はmidwive。産科看護師ではない。会議では、英、仏、西語の3ヵ国語が使用言語なので、それらの同時通訳が行われていた。スペイン語から英語への通訳者が、スペイン語で助産に当たる言葉をobstetric(産科の)と訳したようで、フロアの代表者から通訳に対してクレームが出て、一時進行が止まってしまった。座長が、「スペイン語にはmidwiferyに当たる言葉がたくさんあるが、(例を挙げながら)それらは obstetric ではない。midwiferyだ。また助産師はmidwifeと訳すように」とブースに向かって説明するという一幕があった。
助産(midwifery)と産科(obstetric)は違う。平たく言えば、産科では医学的介入が行われる。しかし助産では、医学の介入を受けなくてよいように、女性と協働して、自然な出産を促し、母乳保育を促進して、母子の自然なつながりを守れるように最前の支援を行う。そのための保健指導は女性のライフサイクルすべてが含まれる。支援の範囲は家族、地域社会も入る。だから、midwifery を obstetric と訳してしまっては、どうしようもない。会議の流れを止めてしまうのは当然だ。辞書で obstetric の訳に「助産の」や、「妊娠出産に関連のある」を入れているものがあるが、それは違う。「助産の」は midwifery。また「妊娠出産の」という意味では、母子保健(maternal health)で使う maternal が、助産関連の英語学術文献で使われている。
参考までにICM(国際助産師連盟)の助産師の定義↓http://www.nurse.or.jp/nursing/international/icm/definition/index.html
オーストラリアの代表から、「通訳をしていて、ICNとICMは大きな違いはあるか?」と尋ねられた。「もちろん、分娩第3期など、助産個別の専門的な内容もあるが、規制(regulation)や裁量(autonomy)という大きなテーマは共通している。おそらく、これは、現在の世界の助産や看護のキーワードなのだと思う」と答えると、大きくうなづいていた。
専門職におけるregulation と autonomy は、この何年間、通訳をするときに格闘してきた言葉だ。社会との文脈で、いろいろな問題が関係する。
12日(日)夜6:40、成田発のフライトが、航空機の機械の不具合で、どんどん遅延し、最終的には、調整がつかず、違う飛行機を使うことになり、3時間ぐらい遅れて出発した。そのため、香港で中1時間25分の中継のヨハネスブルグ向けのフライトに間に合わず、香港で1泊することになる。結局丸1日遅れでダーバンのホテルに到着。午後1時からの会議の開会に間に合うかとひやひやしたが、ホテルのチェックイン後に、スーツに着替えて、同じホテルの会議場で登録を済ませてbadge(大会身分証のこと)をもらってという手順をすべて終えて、着席して、開会となり、ぎりぎりセーフ。今回は、日本代表に同行していたので、遅れるのなら全員ということになり、通訳者だけ遅れるという最悪のことではなかったから、あせりはなかった。ただ、到着してすぐに会議なので、香港からヨハネスブルグまでの13時間は、できるだけ睡眠をしっかりとろうとした。みんな、同じ気持ちだったと思う。眠剤を半錠使って寝た。初日何とか終わって、ホッ。以前一度、復路のフライトで18時間遅れたことはあったが、往きは初めて。これらもあまりないと思う、スリリングで貴重な経験だった。
(写真は、ダーバン国際会議場1階。ICM3年毎大会の様子)
助産はmidwifery、助産師はmidwive。産科看護師ではない。会議では、英、仏、西語の3ヵ国語が使用言語なので、それらの同時通訳が行われていた。スペイン語から英語への通訳者が、スペイン語で助産に当たる言葉をobstetric(産科の)と訳したようで、フロアの代表者から通訳に対してクレームが出て、一時進行が止まってしまった。座長が、「スペイン語にはmidwiferyに当たる言葉がたくさんあるが、(例を挙げながら)それらは obstetric ではない。midwiferyだ。また助産師はmidwifeと訳すように」とブースに向かって説明するという一幕があった。
助産(midwifery)と産科(obstetric)は違う。平たく言えば、産科では医学的介入が行われる。しかし助産では、医学の介入を受けなくてよいように、女性と協働して、自然な出産を促し、母乳保育を促進して、母子の自然なつながりを守れるように最前の支援を行う。そのための保健指導は女性のライフサイクルすべてが含まれる。支援の範囲は家族、地域社会も入る。だから、midwifery を obstetric と訳してしまっては、どうしようもない。会議の流れを止めてしまうのは当然だ。辞書で obstetric の訳に「助産の」や、「妊娠出産に関連のある」を入れているものがあるが、それは違う。「助産の」は midwifery。また「妊娠出産の」という意味では、母子保健(maternal health)で使う maternal が、助産関連の英語学術文献で使われている。
参考までにICM(国際助産師連盟)の助産師の定義↓http://www.nurse.or.jp/nursing/international/icm/definition/index.html
オーストラリアの代表から、「通訳をしていて、ICNとICMは大きな違いはあるか?」と尋ねられた。「もちろん、分娩第3期など、助産個別の専門的な内容もあるが、規制(regulation)や裁量(autonomy)という大きなテーマは共通している。おそらく、これは、現在の世界の助産や看護のキーワードなのだと思う」と答えると、大きくうなづいていた。
専門職におけるregulation と autonomy は、この何年間、通訳をするときに格闘してきた言葉だ。社会との文脈で、いろいろな問題が関係する。