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看護管理者向けのセミナー動画:対人コミュニケーション、交渉術

2024-03-24 21:52:29 | 対人コミュニケーション
 メディカ出版が看護職に向けたセミナー動画を数多く公開している。看護管理者向けのものの中に、私が講師の動画が2点ある。
一つは、『管理職ナースが今日から使える対人コミュニケーションテクニック』、もう一つが、『看護部がパワーアップする交渉術』。一昨年に収録したもので、「看護トップリーダーサロン」に掲載されている。https://tlsalon-medica.com/#/topics?page=5

 『管理職ナースが今日から使える対人コミュニケーションテクニック』では、声の出し方や今のZ世代とのコミュニケーションなど、日常の看護管理者のコミュニケーションに有用な内容をとり上げている。
 『看護部がパワーアップする交渉術』では、これまで看護管理者にとって必要だったのだけれど学ぶ機会がなかった交渉について、セオリーから実践まで具体的に使える内容になっている。
 会員登録をした上での有料動画だが、関心のある方は、ぜひ、活用いただきたい。

 多くの有名な看護トップリーダーの講師の方々と並んで、掲載いただいており、大変、光栄である。

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松山に行ってきた

2013-08-18 23:34:24 | 対人コミュニケーション
  8月16日(金)、17日(土)と道後温泉に行ってきた。休暇ではない。愛媛県看護協会主催のナースのための対人コミュニケーションの研修の講師としてだ。

 自分でも今更ながら、びっくりしたのだが、四国に行くのは、初めてである。伊予かんとじゃこ天、一六タルト、漱石先生は、よく知っているのだが。。。初めて行って、道後温泉にも入った。道後温泉の改修工事が予定されているために「その前に」、と思った人が多いからか(タクシーでそのようなことを聞いた)、家族連れの観光客が多かった。「家族で来たい」という気持ちはよく分かった。私も次回は、そうしたい。

 一昨年に出版した渡部富栄著『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』(ライフサポート社刊)を読んでくださったことがきっかけで、研修のオファーをいただいた。

 この本を使い、対人コミュニケーションの基本構図、スキル、治療的コミュニケーション、ナースの存在感を高めるコミュニケーション、コンフリクト・アプローチを採りあげ、最後に演習を組んだ。愛媛のナースは穏やかな印象なのだが、芯の強さを感じた。

 『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』は第3刷に入った。

 書いたときは看護学生から中堅のナースまでを対象に考えていたが、現在は、看護教育の3年制や大学の学部のテキスト、大学院のゼミの資料などに使われ、また、今回のように専門職団体や病院での継続教育の研修などでの採用が進んでいる。介護職にも読まれている。さらに、保健医療に限らず、コミュニケーションや声を使う仕事の人たちの中にも手に取る人が増えてきている。出版社のライフサポート社の佐藤社長いわく、「徐々に浸透していっている」らしい。 

 松山市の坊っちゃん列車↓


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動機と結果 どちらが大切?

2012-07-05 17:15:42 | 対人コミュニケーション
  NHKの白熱教室の中に、表題と同じ題名がある。行為が正しいか、そしてそれが道徳的かは、その結果ではなく、動機(意図)によって決まるということだ。ここでの話は、正義か倫理的かということではなく、コミュニケーションについてのこと。


 相手の話を聴くとき、言葉だけでなく、相手の非言語情報と、もう一つ、コンテキスト(文脈)を照らし合わせ、推論して意味を生み出していく。コミュニケーションはこうした意味づけの過程(詳しくは、拙書『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる知識と技術』ライフサポート社刊をご覧いただきたい)あり、その過程では、結果ではなくその最中の相手の動機(意図)が重要な要素になる。

 文脈を考えるとき、相手がなぜ、わざわざこの段階のこの場面でそのようなことを言い出しているのかを考えないと、適切な意味づけはできない。社会的に言いにくい相手に、言いにくい場面で、言いにくいことを言うときは、間接的な表現を使うことがある。話者の意図は言葉には表現されていない。聴いている人間が、文脈を推論して、意図した意味を組み立てないと、正確な聴き取りにはならない。聴き取りの段階で誤ってしまうと、その後に作り出される文脈が変わってきてしまう。

 これは人間は目的のために相手の人間を動かすために言葉を使うということであり、言語学の中の語用論(pragmatics)に基づいた考え方である。

 「この部屋、暑いわね」といって部屋に入ってきた人が、実際に言いたかったのは、「窓を開けて」か、「クーラーをかけて」、「(暖房代の使い過ぎよ)暖房を止めなさい」なのか、というのは語用論の入門書によく出ている例だ。投げかけられたメッセージに、指図の意味を見出すかどうかは、メッセージの受け手だ。

 腹芸といわれることではなく、人間同士の会話で起こる。相手の投げかけるメッセージに対して常に妥当な推論ができる力を身に着ける必要がある。

 日常および職業生活におけるコミュニケーションのあらゆる場面に当てはまることだが、会議の席では特に注意が必要だ。大きな会議を例に挙げると、国際会議では、各国代表は自分の国の利益を代表して、その席にいる。何らかの発言や動きがあるとき、どうしてあえてそのような場面でそうしたことを言うのか、その動機や意図には敏感になる必要がある。深読みをするということではない。文脈に照らして意図や真の意味を推論し、果たしてその推論が妥当かどうかを検証していく(これをバリデーションという)。これは国際会議に限らない。会議とはそうした要素がからんでくる場なのだ。


 ナースのコミュニケーションについても語用論能力は、とても必要なものだ。詳しくは、『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる知識と技術』(ライフサポート社刊)の「聴く」のセクションの「意図を聴く」の項に、臨床での具体的な例を示しながら、文脈(コンテキスト)、推論、社会的な力関係など、必要な要素について説明してあるので、ご覧いただきたい。
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今年度、大学は終わり。3月までの課題

2012-02-12 10:46:28 | 対人コミュニケーション
  この1週間ぐらい、のどが痛い。私の場合、必ずしも風邪の引きはじめではなく、急に寒くなったとき、また睡眠不足、疲れなどでも、のどが痛くなる(そこから本格的に具合が悪くなることもあるが)。肩から上は冷やさないようにストールを重ね、首には常に巻いて保温と保護をし、マスクをしている。年と共に睡眠時間が短くてもやっていけるようにはなってきたのだが、これもいけないみたいで、できるだけたくさん寝る日を1日作る。そうするとだいぶ楽だ。インフルエンザが猛威を振るっているので、ウィルスでない単なる軽い風邪様の症状だと、今の時期は病院に行きたくない。家でしっかり栄養と休養をとったほうが回復しやすい。

 大東文化大学経済学部の英語教員の打ち合わせ会が終わった。3年生の英語を1コマ受け持っている。自分でテーマを決めてリサーチして英語を書いてプレゼンをして質疑応答に対応するという通年のクラスだ。打ち合わせ会では互いの授業の様子を説明するので、次年度の計画の参考とヒントになる。プレゼンについては、パワーポイントを使っての発表を学生に課しているというクラスが増えているようだ。学生はパワーポイントは工夫してきれいに作ることができるので、モチベーションが上がる。こうした能力は、私が10年前に講師を始めた時にはなかったものだ。

 青学の通訳のクラスでは、前期の最後に模擬通訳のペア発表をしており、そこではパワーポイントを使ってスピーチをする。大東の方は、自分の決めたテーマについて情報を集め、捨てるべき情報と残すべきものを弁別して、残したものに優先順位をつけて、論旨を組み立て書いていくという指導を徹底している。そのあとプレゼンをするのだが、来年は、それをパワーポイントを使ってするというようにしてみようと思う。
 考えてみれば、企業では、パワーポイントを使ったプレゼンは、日常、行われている。企業のマネージメントのミーティングの通訳の場でも、発表はすべてそのような形になっている。原稿を読み上げるといったものはない。

 大東の教員の打ち合わせ会が終わったので、2011年度の大学関連は大体仕事は終了する。次年度の授業開始の4月上旬までは、ほかの予定をこなさなければならない。


 3月31日に日本通訳翻訳学会の教育分科会で発表をする。テーマは対人コミュニケーションからみた通訳になる。もともとのきっかけは、昨年3月に『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』(ライフサポート社刊)を出した時にそれを読んでくださった先生方がいたことだ。この本はナース対象のものだけれど、170ページの中に今考えられているコミュニケーションの理論の中で必要なものを可能な限り入れている。通訳の研究の視点として感じるものも確かにある。

 コミュニケーションとは、言語非言語の記号化(シンボル化)とその解読によるメッセージ交換のプロセスとされている。通訳は、2者間のシンボル交換の間に通訳者を挟んだ2言語3者理論をベースに教えているのだが、対人コミュニケーションの理論関連の内容が出てくるのはそこまであたりである。

 通訳は対人コミュニケーションの活動の一つになるので、コミュニケーションの理論についてもあらまし学習したほうがよいのだが、なぜか、抜けてしまっている。理由はよく分からない。ほとんどが、膨大な数の単語を覚え、英⇔日の通訳の訓練に費やす。通訳自体ができなければ話にならないので、これはこれで重要なのだが。。。

 コミュニケーションの理論を学ぶことで、研究の視点は増える。ただ、実践家として関心があるのは、対人行動をある程度予測でき、意味だけでなく意図や動機を推論しやすくなる。またベテラン通訳者がやっていることをまねるのではなく、そこに潜む原理を導き出せるので、自己の実践を系統だてて改善できることだ。 
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『看護』8月号の「書評のページ」

2011-07-23 23:05:17 | 対人コミュニケーション
 今日、日本看護協会出版会から、機関誌『看護』8月号が届いた。
(http://www.jnapc.co.jp/products/detail.php?product_id=2970)
 拙書『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』(ライフサポート社刊)の書評が掲載されている(「書評のページ」p106)。『看護』の「書評のページ」では、自社発行の本に限らず、広く採り上げているようだ。この書評は、東京有明医療大学看護学科長の金井PaK雅子先生からいただいた。内容についての丁寧なコメントと推薦の言葉に続き、本文中に25ある、Words of Wisdom※について、「とても新鮮」、「含蓄がある」と評されていた。

 出版会の『看護』の編集者部の関係者、金井先生、そして、ご支援くださった日本看護協会国際部長の輪湖氏には、心より感謝いたします。
 書評を見て、1人でも多くの看護学生やナース方々に、この本を手にとってもらえれば、とてもうれしいです。
 
 ※「Words of Wisdomは、。。。テーマに関連した言葉で、先人の経験と学びが凝縮したWisdom(英知)である。ナースとして、また人として、生きていく上で、困ったとき、行き詰ったときに、知恵と勇気を与えてくれるものであればと願って記した」(渡部富栄著(2011):『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』ライフサポート社刊「はじめに」から引用)


 
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