医療通訳に関する資料の改訂版の公開

2018-06-10 22:14:06 | 医療通訳
 ジュネーブ出張から戻り、いつもの生活に戻った。時差のある海外出張の後は、体調も含め調子をもとに戻すのに少し要する。6月に入り、大学の前期授業も半ばを過ぎた。これまでは学生らも一生懸命に取り組み、順調に進んでいると思う。

 先週、6月4日に医療教育財団の三河さんから連絡があり、厚生労働省の下記のホームページから、『医療通訳に関する資料一覧』が公開されたことが分かった。「医療通訳育成カリキュラム基準」とテキスト『医療通訳』の改訂版である。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056944.html




カリキュラムの最後には、専門研修75時間を一括で行う場合と、37.5時間ずつ医療通訳研修ⅠとⅡに分けて行う講義事例が掲載されている。分割版を載せたのは、地方で研修を行う場合に、通訳指導者と医師などの医療専門職者の講師を確保することが難しい場合など、まずは医療通訳研修Ⅰを実施してみるといった形を可能にするためである。

 カリキュラムもテキストも旧版よりも内容はぐっと良くなっている。

 表紙の絵は旧版と変わりない。

 ちなみに、私は、医療通訳育成カリキュラム改定方針委員会委員、執筆委員である。対話通訳と相互作用、質の高い通訳とは(サービスとしての医療通訳)、患者・医療従事者間の関係とコミュニケーション、非言語的コミュニケーションの効果的活用などについて執筆した。

 

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テキスト『医療通訳』

2014-10-04 00:23:45 | 医療通訳
シドニーから帰ってきた。毎年恒例の看護労働に関する会議の通訳が終わった。国際看護はまた、少しずつ、動いている。

 久しぶりのブログ更新で、医療通訳者や医療通訳に関心のある方にニュースである。これまで医療通訳に関するテキストブックはなかったのだが、今回、500ページのものが出された。

 テキスト『医療通訳』

 医療通訳者の役割、倫理、身体の仕組みと疾患の基礎、検査、薬、感染症、医療制度、文化理解、自己管理
 もちろん、通訳技術については、対話型の逐次通訳をしっかり学べるように例題がたくさん出ている。

 医学的な内容は、医療通訳者に必要な関連性のある医学的知識がしっかり押さえられている。医学用語も現場で使う可能性の高いものがおよそ80ページに収められている。

 背景を説明すると、今年、厚生労働省が「医療機関における外国人患者受入れ環境整備事業」を一般財団法人 日本医療教育財団に委託し、その中の医療通訳者用のテキストの作成と研修を多文化共生センターきょうとが受託した。私は通訳技術とコミュニケーション関連のセクションを執筆している。テキストは全500ページ。今のところ非売品なのだが、今後、販売も検討されている。全文は厚労省のホームページからダウンロードできる。今日、前田さんからURLが送られてきた↓

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056944.html

テキスト作成の経緯は多文化共生センターきょとのHPに掲載されている↓

http://www.tabunkakyoto.org/

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