久しぶりに本や資料を置いている部屋を整理した。見るたびに頭が痛かったのだが、4月の就職まで少し時間があるのでと帰省してきた大学院生の長男に手伝ってもらい、なんとかやった。1年使わなかった資料は、ほとんど使っていないので、こまめに捨てればよかったのだが、ぐじゃぐじゃ残っていた。
企業などの通訳の際、使った資料はその場ですべて返却して帰ってくる。通訳者とエージェントあるいはクライアントと、またエージェントとクライアント企業が、秘密保持契約を結んでいる。厳重な守秘義務のある資料はもちろんだが、それ以外でも企業関連の仕事関連の資料は持ち帰ることはない。
ただ、各仕事の背景情報としてインターネットで調べたりしたものが残っていたりする。それと、大学の講師関連の紙の資料が何年か分あった。必要に応じ、シュレッダーにかけたりして、やっと整理ができた。何年かに一回は、引っ越しするときのような整理が必要だ。たくさんのごみを捨てたおかげで、探していた資料が見つかった。
その資料の名前が、Maxi nurseだ。イギリスのRoyal College of Nursing(英国看護協会)とDepartment of Health(英国保健省)による合同調査の結果、作成された資料だ。2005年に発行されたものである。
なぜ、探していたかというと、They are maxi nurses not mini doctors.「彼ら(彼女ら)は最高のナースであってミニドクターではない」という表現が頭に残っていたからだ。Maxi nurseという表現を最初に見たとき、いいな、と思った。アメリカでは見られない表現だ。
これはイギリスで、APN(Advanced Practive Nurse)という高度実践を行うナースについて、758人のナースを対象に行われた調査結果と、補足資料としてインタビューをまとめたものの2種類の文書になっている。イギリスのナースらのAPNへの反応は非常にポジティブであった。
これまでもアメリカを中心にAPNについてはいろいろ読んだのだが、このMaxi nursesの中で初めて見た内容だったり、特に印象に残ったりしたことを以下にいくつか記す。
・APNを活用することでケアの質と安全性が向上するのは、ナースがいつも患者のそばにいるからであり、ケアが継続するからである。つまり看護の強みが非常によくあらわれる
・そのためにAPNを使うことで、患者のケアへの満足度が高まる
・臨床現場でよくいう「アナムネ」(anamnesis)、つまり病歴採取については、APNは患者の生活面までよく把握しているので必要なポイントを詳しく書いてあってよく分かる。そのため、APNからの紹介患者が好まれている
・臨床だけではなく、プロフェッショナル・アドボカシーの活動も積極的に行っていて、啓発活動などで子どもたちへ話に行ったりして、「名前の付いたナース」になっている。
常に患者を把握しているナースだからこのような高度実践になる。それはミニドクターではなくMaxi nurseだというのである。「ミニドクター」という表現は、英語の母国イギリスではそのような文脈で使われている。
この資料はネットでも入手できる↓
http://www.rcn.org.uk/__data/assets/pdf_file/0006/78657/002756.pdf
http://www.rcn.org.uk/__data/assets/pdf_file/0004/78646/002511.pdf
最後は、英語表現での注意を少し:
Royal College of Nursing:英国看護協会
Royal College of Physicians:英国内科医師会
Royal College of Surgeones:英国外科医師会
collegeの辞書訳の後ろのほうに「(一定の権限・資格・目的などを持つ人たちの)団体、協会、学会」という意味がある。それに当たる。
Royal College of Nursingは「王立看護大学校」ではないので注意してほしい。
企業などの通訳の際、使った資料はその場ですべて返却して帰ってくる。通訳者とエージェントあるいはクライアントと、またエージェントとクライアント企業が、秘密保持契約を結んでいる。厳重な守秘義務のある資料はもちろんだが、それ以外でも企業関連の仕事関連の資料は持ち帰ることはない。
ただ、各仕事の背景情報としてインターネットで調べたりしたものが残っていたりする。それと、大学の講師関連の紙の資料が何年か分あった。必要に応じ、シュレッダーにかけたりして、やっと整理ができた。何年かに一回は、引っ越しするときのような整理が必要だ。たくさんのごみを捨てたおかげで、探していた資料が見つかった。
その資料の名前が、Maxi nurseだ。イギリスのRoyal College of Nursing(英国看護協会)とDepartment of Health(英国保健省)による合同調査の結果、作成された資料だ。2005年に発行されたものである。
なぜ、探していたかというと、They are maxi nurses not mini doctors.「彼ら(彼女ら)は最高のナースであってミニドクターではない」という表現が頭に残っていたからだ。Maxi nurseという表現を最初に見たとき、いいな、と思った。アメリカでは見られない表現だ。
これはイギリスで、APN(Advanced Practive Nurse)という高度実践を行うナースについて、758人のナースを対象に行われた調査結果と、補足資料としてインタビューをまとめたものの2種類の文書になっている。イギリスのナースらのAPNへの反応は非常にポジティブであった。
これまでもアメリカを中心にAPNについてはいろいろ読んだのだが、このMaxi nursesの中で初めて見た内容だったり、特に印象に残ったりしたことを以下にいくつか記す。
・APNを活用することでケアの質と安全性が向上するのは、ナースがいつも患者のそばにいるからであり、ケアが継続するからである。つまり看護の強みが非常によくあらわれる
・そのためにAPNを使うことで、患者のケアへの満足度が高まる
・臨床現場でよくいう「アナムネ」(anamnesis)、つまり病歴採取については、APNは患者の生活面までよく把握しているので必要なポイントを詳しく書いてあってよく分かる。そのため、APNからの紹介患者が好まれている
・臨床だけではなく、プロフェッショナル・アドボカシーの活動も積極的に行っていて、啓発活動などで子どもたちへ話に行ったりして、「名前の付いたナース」になっている。
常に患者を把握しているナースだからこのような高度実践になる。それはミニドクターではなくMaxi nurseだというのである。「ミニドクター」という表現は、英語の母国イギリスではそのような文脈で使われている。
この資料はネットでも入手できる↓
http://www.rcn.org.uk/__data/assets/pdf_file/0006/78657/002756.pdf
http://www.rcn.org.uk/__data/assets/pdf_file/0004/78646/002511.pdf
最後は、英語表現での注意を少し:
Royal College of Nursing:英国看護協会
Royal College of Physicians:英国内科医師会
Royal College of Surgeones:英国外科医師会
collegeの辞書訳の後ろのほうに「(一定の権限・資格・目的などを持つ人たちの)団体、協会、学会」という意味がある。それに当たる。
Royal College of Nursingは「王立看護大学校」ではないので注意してほしい。