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NJWindow(J)



日本のlds教会の活発率

1 2006年公的記録による活発率

2006年第四四半期 全日本の聖餐会出席人数データが入手できた
のでそれによって計算した。結果は16%前後であった。資料は
アジア北地域事務所が作成したものでアルファベット順に296の
ユニットの聖餐会出席人数が記されている。計算は以下のよう
に行った。

[データ] 2006年会員数: 121,068人  ユニット数: 296
聖餐会出席合計: 18,147人

[計算] 1ユニット当たり出席人数: 18,147 ÷ 296 = 61.30人
    1ユニット当たり登録会員数: 121,068 ÷ 296 = 409.01
    都合による欠席者調整: 61.30 × 1.1 = 67.43人
    活発率    : 67.43 ÷ 409.01 = 0.1648 ・・16%

注: 上記の調整はやむを得ない用事、仕事、病気、高齢などで休
む会員がいることを考慮したもの


2 2008年 沼野収集データによるもの

 結果は16%前後という低い状況であることがわかった。14年前
およそ25%と考えられていた状態からさらに大幅に下がっている
ことになる。(25%は私の当時の試算。Dialogue 29:1)

 方法は1)無差別に各地のワード、支部の聖餐会出席人数をそ
の教会出身の会員に聞いて情報を収集しその平均を 2)全会員数
÷ワード・支部数(ユニット数)の数値で割って得た。

具体的な数字  収集できたユニット数:  61
その平均聖餐会出席人数: 63-65人
       10%増の調整:      69-71人

日本の教会員数:      123,245人
      日本の教会ユニット数:     288(ワード支部) 
       1ユニット当たり登録会員数: 429人  

活発率計算   69 ÷ 429 = 0.16 ~ 71 ÷ 429 = 0.17
(上で10%増の調整を行ったのは、仕事や病気、高齢のため礼拝
に出られない場合を考慮したもの。)

従って過去1年間における日本のモルモン教会の活発率として
おおよそ16%から17%という数値が得られた。冒頭で16%前後とし
たのは、得られたデータがやや出席人数の多いユニットからのも
のである可能性もあって控えめの数値を取ったためである。

資料: 教会員数、ユニット数は2008年度教会の公式発表による。
    得られたデータの分布 出席20-40人のユニット 18
出席40-70人のユニット 18
出席70-100人のユニット 17
出席100人以上のユニット 8

得られたデータの地域別分布 北海道 5 東北 3
関東 12 中部 11 近畿 14
中国 12 四国 2 九州・沖縄 2
 
今回の調査にあたって、各地の教会出身の会員から快く情報を
提供していただいたことをここで感謝の意を表したい。幾人かの
監督、ステーク評議員などワード、ステークの指導者の意見も得
て参考にし、日本語、英語のメーリングリスト、ニューズグルー
プにも意見を求め何件か意見を得て、この結論に達することがで
きた。

調査を進めていて感じたのは、多くの回答者が以前より出席人
数が減っていると語っていたことであり、日本の教会がじり貧状
態にあることである。危機感を表明する人もあった。ユニット数
も下降線をたどっている。2000年317, 02年314, 04年309, 06年
296, 08年288。

他方、計算する過程でユニットの平均出席人数が60人前半にあ
ることがわかったときは、率直に言って軽い驚きを覚えた。もっ
と低い数字を予測していたからであった。一人の監督も意外な反
応であった。これは上に記した教会(ユニット)の統廃合によるも
のであることを後に指摘された。

日本の末日聖徒イエスキリスト教会は、ある種成熟状態に達し
ていると言えるのかもしれない。数値は上記のように芳しくない
が、最近行われたBYUの吹奏楽コンサートで会場を埋めた動員力
を見ると、次世代も含めて教勢としてはある程度の力を得るに至
っているとみられるからである。(関東で2か所、名古屋、仙台、
大阪で開催されている。)70人以上出席するワード、100人以上
出席するワードの数を見ても教会の定着状態を感じることができ
る。2006年第四四半期に聖餐会出席人数が100人を超えたワード
が40に達している。(但し、軍人のワード、英語ワードの計7ユ
ニットを含む)。

* 2の方を書いた後に1の資料を入手したためこのような記載
になったが、いずれにしても日本のlds教会の活発率は16%、ある
いはそれを下回って15%という状態であることがわかった。続く
totoroさんのコメント参照。      


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コメント
 
 
 
計算方法 ()
2009-05-28 14:59:28
まずサンプリング数に関しては、統計学上の数式が有ります。

http://www.wound-treatment.jp/next/wound225.htm
(一番分かりやすそうでしたので)

但し、無作為抽出と言う条件ですが。

この数式で行くと、ユニット数288であれば、サンプル数75ユニットで、誤差10%に成ると思います。計算間違いしてるかも知れませんので、自分でやってみてください。


それで、私が思うには、単純に各ユニットの出席率を個々に計算して、その平均値を出す方が良いような気がします、どうして複雑な方法を取られたのでしょうか?
調査ユニットの登録会員数が、不明だったのでしょうか?

ユニットの会員数や、出席者数は、地域によってばらつきが有るでしょうが、出席率は、そんなにばらつきは無いのでは?
個人的には、調査した各ユニットの出席率が知りたいですね。その偏差値を使った方が良いかも?


あと、活発率と出席率の補正を10%としたのはほぼ妥当だと思います。(直感的に)


正確な数字は地域会長会の方とお近づきになってみては?(笑)
 
 
 
早速冷や汗 (NJ(誤差は防げない))
2009-05-28 16:04:04
早速詳しい方からコメントをいただきました。各ユニットの出席率を得てそれから平均を出すという方法は、普通の会員がそのような統計データを知らないため出席人数だけで始めたわけです。(ユニット毎の登録人数などなかなか得られない。)

情報を持っている指導者から正確な数字は滅多に教えてもらえないし、教えてもらっても逆に公表することは信頼を裏切ることになってまたそれもできないことになります。

補正の10%増しは大丈夫ではないかとのコメントありがとうございます。
 
 
 
Unknown (totoro)
2009-06-05 20:28:17
20年ほど前に教会を離れた者です。昨年ようやくネット環境が整い、好奇心から昔所属していた教会の現状を眺めています。
NJさんの今回の調査ですが、私が副支部長をしていた時の経験に照らし合わせますと「プラス10%」は不要ではないかと考えます。というのは聖餐会出席者には幼児・他ユニットからの訪問者・専任宣教師・求道者も含まれていたからです。これらの人々は当該ユニットの会員にはカウントしないため、NJさんが補正分としてカウントされた人々とは相殺されることになるでしょう。
 
 
 
別途試案 (totoro)
2009-06-05 20:44:58
先ほどの続きですが、以下の形でも聖餐会出席者数を推定できます。NJさんが提供された出席人数別のユニット数の、出席人数のレンジの中間数をとってそのユニットの出席数とするのです。
つまり20~40人のユニットは出席者数を30名とし、40~70名の場合は55名、70~100名では85名、100名以上では120名として算出する方法です。この方法ですと、(30X18)+(55X18)+(85X17)+(120X8)=3935 3935/61=64.5 となります。従って活発率は64.5/429=15% です。


 
 
 
成熟期ではなく (totoro)
2009-06-05 21:00:12
手元に資料がないので心もとないのですが、昨年度の国内会員数が123,245人ということでしたので、2000年度の117,329人と比較して年平均740人の会員数増加となります。これを歴史の逆方向に延長するとNJさんが前回の調査を行った2004年度には国内会員数は約112,000名と推定できます(正確な資料がある場合そちらをお使いください)。その時の活発率が25%とすると、活発会員は約28,000人になります。今回の場合、活発率が15%の場合約18,500人と、国内のモルモン教会には明らかなパワーダウンが見られます。
 
 
 
訂正です (totoro)
2009-06-06 04:15:51
先ほどの私の試案ですが、出席者のデータを教会がオープンにしたものと勘違いしていました。NJさんが収集されたデータであればそのまま平均値を出す方法が最も望ましいと思います。
ちなみに25年前の調査の時も同様の手法・分析を行われたのでしょうか? そうであれば前記の10%割増しの件は前回同様の取扱いをされるのが本筋でしょう。
閑話休題。少し前のデータですが、文化庁の宗教年鑑ではモルモン教会の「信者としての義務を果たしている会員数」を以下のように提示しています。

1995年度  21,100名
1998年度  20,000名
2000年度  20,810名

ここで前のコメントで私が用いた2000年度の国内会員数117,329人と照らし合わせると、20,810/117,329で活発率は17.7%と算出できます。当時は全国314ユニットでしたから、1ユニット当たり平均66.3名の活発会員がいたことになります。
そして今回のNJさんの試算による1ユニット当たりの平均をそのまま利用すると61/429で14.2%が活発率になります。これを全国会員数に拡大すると123,245X14.2%=全国活発会員は17,524名となります。

ここで会員数・活発会員数・ユニット数を2000年と2008年で比較すると以下のようになります。

(登録)会員数  117,329>123,245(+5.0%)
 活発会員数    20,810> 17,524*(ー15.8%)
 ユニット数     314>  288(ー8.3%)
(*は試算数値)

これを見ると総会員数は微増であるのに対し、活発会員が激減しているのが21世紀になってからの国内モルモン教会の現状ということになります。NJさんが「軽い驚きを覚えた」という60名以上の出席者数はユニット数の減少によってもたらされたものです。ビショプやステーク部長などの中間管理職としては「危機感を表明する」のは自然な心情でしょう。
「なぜここまで落ち込んでいるのか?」  これに対しては「指導者に従う」「戒めを守る」など前世紀の遺物のような個人個人の働きによるリカバーは不可能です。少なくとも日本ではモルモン教会全体の方針・方向転換が求められているようです。
もっとも「神の教会は少数派」というモルモン書の記載を考えれば、これはこれで正しい姿なのかもしれませんね。




 
 
 
貴重な示唆に感謝 (NJ(多くの示唆))
2009-06-08 00:48:32
推計の仕方に関して大変参考になるご指摘をありがとうございます。

あげられた順に。プラス10%は不要とのことですが、幼児、宣教師を含めて考えたいと思っています。他ユニットからの訪問は、所属ユニットにとって一人減になりますから加えても全国的には相殺され問題ないとみることができます。そして求道者は最近、0が多く、いても1,2名で残念ながら無視できる状態です。それでやはりやむを得ない欠席者分10%増は妥当ではないかと考えています。

中間数による計算法について。その後2006年の統計が入手できましたので試みてみたいと思います。2004年の沼野試案は今回のような計算によるものではなく、単におおざっぱな推測に過ぎませんでした。2004年の会員数はあるサイトによれば119,267人となっていますが、sourceによって多少相違があるようです。[http://www.cumorah.com]

文化庁のデータをあげていただいてありがとうございます。このデータ活用も取り入れてみたいと思います。

ユニット数減少は ’00 317, ’02 314, ’04 309, ’06 308, ’08 294(285) とかなり統廃合が行われていることを示しています。Source 同上。確かに容易ならぬ教勢の下降を示すものと言えます。

貴コメントに出てくる14%, 15%という数字は極めて現実をつく数値であると思います。貴重な示唆に改めて感謝いたします。
 
 
 
内訳の詳細を (Unknown)
2009-07-21 22:44:57
・男女比率の変化
・専任宣教師経験者比率(若年と老年別)の変化
・専任宣教師経験者の活発率
・指導者における宣教師経験者比率
・神権者比率(執事、祭司、長老、大祭司)の変化
・婚姻会員におけるパート会員比率の変化

イベントへの動員力のみをもって組織の成熟を結論付けはできません。
すさまじい動員力を持つ創価学会を成熟した教団だとは見ないように。

モルモンは傍目に奇異に感じられるほど数字を気にする。
プロテスタント教会でも活発率などの統計数値は出ていますが、それを気にかける人はほとんどいません。

たとえばここ
http://seibun.nosv.org/
名前を入れると成分分析結果が出ます。
面白おかしいだけのものですが、ここに出てくる数字が全く記憶に残らないように多くのプロテスタント信者にとって活発率などどうでも良いことなのです。

以前、ホームティーチングを熱心に行うことで礼拝出席率が高まったと統計付き発表をされた方がいました。
確かに一過性の好転はありますが、長期的には成果がないことが活発率の低下が示唆するところなのでは?

単なる数字上の統計に踊らされて指導者が小手先対応しないよう切に祈念します。
 
 
 
活発率推計の意図 (NJ[推計の意図])
2009-07-22 22:48:00
比較すべき指標を提案いただきありがとうございます。昔出ていた統計をもとに現在の状況を比較することができれば、多少ご指摘の点で答えることができる
のだろうと思います。

イベントの動員力をあてにしないように、というのはわかります。記事でコンサートの件をあげたのは、ごく参考までに書いたものです。

活発率の数字を取り上げたのは、モルモン教会の会員数が実質はずっと少ないと指摘されることが多いので、それに対応するためでした。(英文の論文に脚注として一つの推計をあげようとしたこともあります。)

最後の2行は私も同じ思いです。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2009-07-23 01:20:51
>活発率の数字を取り上げたのは、モルモン教会の会員数が実質はずっと少ないと指摘されることが多いので、それに対応するためでした。

活発率の低下、ユニットの統廃合は私の想像以上でした。

>記事でコンサートの件をあげたのは、ごく参考までに書いたものです。

日本のモルモン現在成熟期?、衰退期?も統計で導き出せると思いますが。。。
イベントのくだりだけ論理の裏づけのない情緒的に過ぎます。

活発率の低下に対する危機感は今に始まった話ではなく、様々な対策が講じられてきました。
しかし総括すると対策が効を奏したとは言いがたい。
時々カリスマ的指導者が出てきて一時的に地域の活発率が上がる事もありますが、カリスマ指導に踊らされて本質的なもの、家庭生活や家庭を支える社会生活を切り捨ててきたのでは?。
指導者に従順すぎたのが日本の会員の実態だったのでは?
指導者が組織の論理で動くのは避けられない。
それが彼等のミッションなのだから。
指導者とヒラの会員との間にはある種の緊張、対立関係があるべきだと思うのです。
しかしながら60人程度のユニットでは中堅以上の神権者の多くが指導者ということになってしまい指導者論理で動く地域教会になってしまう。
ただ、私個人が体感するところでは会員数が少ないユニットよりも多いユニットの方がはるかに教会活動に割かぜる得ない時間が多くなる矛盾した経験があります。
マニア化しており、またマニア化する事を危険視する声もない。

基本的な組織設計が誤っており今もその延長から逃れられていないのではないでしょうか?
 
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