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惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

氷雨

2007-04-17 20:18:40 | 日記・エッセイ・コラム
 午前中はなんとかもっていた空も、午後になって泣き出した。冷たい雨。何度か雷も鳴りました。

 散歩の格好は冬に逆戻り。
 統一地方選の後半戦、我が街は市議選で、雨の中を選挙カーが走り回り、うっかり目が合ったりすると「ご声援ありがとうございます!」などと大声をたてられるので、用心しなくてはなりません。しかし、窓から手を振ってるとびしょ濡れだろうな。気の毒に。
 駅前で傘を差して演説している候補も、寒いのかボソボソと小声になっています。市場に臨時事務所を開いた候補は、開けっ放しの小屋の奥にじっと座って、こちらもやはり寒そう。立って動いている方がまだましかもしれませんよ。

 予報では明日はさらに気温が下がるそうな。候補の皆さんは家の中で温かくしていた方がいいんじゃないでしょうか。風邪を引いてはいけませんからね。街も静かになって、皆、喜ぶんじゃないかな。


「トロイの馬」

2007-04-16 20:02:11 | 本と雑誌
 「木馬」ではなくて「馬」。レイモン・クノーの短編です。早川書房の〈異色作家短篇集〉20『エソルド座の怪人 アンソロジー/世界篇』(若島正編)所収。
 これが、もう、私のツボにはまりまくり。思い出すたびニヤニヤとうれしくなります。
 短編というか、長~い小話のようなものだけど、語り口といい、「馬」のキャラクターといい、これ以上ないくらいに良く出来ています。
 クノー、いいよなあ。

 初めてレイモン・クノーを読んだのは、確か高校生の頃。今から40年近く前になりますか。学校の図書館に〈集英社版・世界文学全集〉があって、ゴールディングだとかボルヘスだとかイヴリン・ウォーだとかぞくぞくするほど面白いラインアップなので片っ端から読んでいるうちにジャン・ジロドゥとレイモン・クノーがカップリングされた巻にぶち当たったのでした。クノーの作品は『人生の日曜日』と『きびしい冬』。それから大学を出る頃までクノーの翻訳を探しては読んでいたような気がする。

 10年ほど前の『文体練習』がクノーとの再会となりました。「やっぱりクノー、面白い!」と思って、で、今回の「トロイの馬」。
 解説によると短篇集の翻訳が進んでいるとか。早く出ないかなあ。


ホオジロ?

2007-04-14 20:37:43 | 自然

 夜中過ぎから明け方まで雨だったようですが、朝にはすっかりあがり、いちにち良いお天気。暑くて半袖でも良いぐらいでした。

 戻ってきたデジカメを持って野川に出ると、水遊びをしている子どもたちが目立ちます。
 小鳥たちも水辺にいました。ムクドリの群の近くに、同じぐらいの大きさながら、やや色合いの異なる鳥が……。
Hojiro0704  ホオジロのようです。胸のあたりが白っぽくて地味な色合いなのでメスでしょうか。水を飲んだり、草の茂みの中を突っついてみたり、飛び立つ様子も見せず、いつまでもウロウロしています。

 手持ちの事典には「春から夏にかけてはおもに虫やクモ、秋から冬には草木の種子を地上でとる。秋と冬には川原などに多くいる」とあります。茂みを突っついていたのは虫を食べていたのでしょうね。
 雄は縄張りを宣言するため「一筆啓上!」と鳴くそうですが、今日は聞こえませんでした。

 (追記) ……と書いたのですが、コメントでつる兄さんに教えていただいたとおり、ツグミのようです。冬鳥なのに、まだこんなところにいるんですねえ。


S10復帰

2007-04-13 20:35:00 | デジタル・インターネット
 修理に出していたデジカメ・クールピクスS10が戻ってきました。2週間ぶり。メイン基板を交換する必要があったらしい。

 たった1週間使っただけだったのですが、手元からなくなってみると、すっかり自分のものとして馴染んでいたことに気づきました。古いデジカメではどうも、もの足りない。

 いちばん大きな要因は、光学10倍という高性能レンズですね。遠くにあってよくわからないものを拡大撮影し、確認するという動作が身についていました。
 いってみれば「第3の目」としてS10を活用していたわけです。その「目」がなくなったのですから、かなり不自由な感じがしました。
 しかし、また使えるようになったので「目」の威力は増大。世界の精細度がアップします。

Chaami0704  復帰したS10で撮影したチャアミガサタケの写真を添えてみます。近所の桜の木の下に生えていました。ちょっと不気味な姿ですが、食べられるとか。


ヴォネガットさん

2007-04-12 20:35:15 | 本と雑誌
 カート・ヴォネガット氏の訃報に接する。
 生涯最愛の作家でした。1984年5月に国際ペンの東京大会に来日されたおり、〈SFマガジン〉の仕事でインタビューできたことは人生最大のイベントのひとつ。

 もう23年も前のことなので記憶はおぼろなのに、一部、とても生々しかったりもします。
 小雨の京王プラザホテル。
 口の端に咥えていた老眼鏡。
 「シメオカだ!」といって、嬉しそうに見せてくれた壷(その時はわからなかったのですが、人間国宝・島岡達三さんの焼き物でした)。
 「おまえの書いている小説は責任のもてるものか?」という問い。

 後で知ったのですが、あの時のヴォネガットさんは自殺を図って、ほんの何箇月か経ったばかりだったのでした。
 今から思うと、一度だけ、すごく辛そうな表情を見せた瞬間がありました。でも、それ以外は気さくで、しゃべり上手で、よく笑う、機嫌のよい大男でした。

 『猫のゆりかご』に始まる彼の小説を読まなければ、私の文学観はずいぶん違ったものになっていたかもしれません。ヴォネガットさんがこの世にいてくださったことに感謝。小説を書いてくださったことに感謝。ボコノン教や拡大家族、その他の色々なことを教えてくださったことに感謝。
 享年84。ご冥福をお祈りします。

 あの時、お土産に差し上げたお箸は使ってくれたかなあ……。