ふえ~疲れました……。本を読むにも体力がいります。
必死で読んで読んで、締切に間に合わないので早起きして読んで、なんとか原稿を書いて送りました。
必死で読んで読んで、締切に間に合わないので早起きして読んで、なんとか原稿を書いて送りました。
でも、クリストファー・プリーストの『双生児』(古沢嘉通訳、早川書房)を読めたのは大いなる幸せ。1年に1度出会えるかどうかという見事な出来栄えの小説であります。
ルドルフ・ヘスやウィンストン・チャーチルの人物像が素晴らしい。彼らのセリフもいかにもという感じで、唸らされました。
ただし、彼らは映画でいえば「助演賞」もの。主演の一卵性双生児の男2人の描き分けは、さらに良いのです。特に、良心的兵役忌避者のジョーの人柄が徐々に浮かび上がってくるところ。あるいは「主演女優」たる女性の寄る辺ない、不安な立場とか。
しかし、何といっても凄いのは、あり得たかもしれない現実の数々と、そこに生きる人たちの軌跡をまざまざと想起させ、さらにそれらをさりげなく交錯させてみせる、巧みな仕掛け。思い出すたびに、うっとりします。
この感慨もまたSFならではのものなのでしょうが、それにしてもなんと繊細なことか。
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