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【中学歴史教科書8社を比べる】150 ⒃ 「部落差別」の描き方のちがい <その10 ⅴ 戦後・現在1/2>

2017年04月14日 | 社会・文化・文明

ⅴ 戦後・現在の「差別」の描き方のちがい 1/2

 

 

1  終戦直後の状況

 1行ほどの短い記事を書いているのは東京書籍、教育出版、日本文教、清水書院。

 

2 「現代日本の課題」

 これから大人になる中学生にとってとても重要な、「日本の課題」については、当然全社が項目立てをしている。

 その内容に、「差別」を入れているのは、上記1と同じ、東京書籍、教育出版、日本文教、清水書院の4社。つまり、この4社は、他社よりも、「差別」事象を歴史上も現在の問題としても重視しているということ。

 そこで、4社が、「現代日本の課題」のなかで「差別」をどのように位置づけしているか調べてみる。

 (※「課題」全体については、このシリーズの最後のほうでくわしく調べ、比べる予定)

 

① 東京書籍 「日本社会の課題」

・第7章 現代の日本と世界 
 1節 戦後日本の発展と国際社会(p242-257) 
 2節 新たな時代の日本と世界  (p258-275)
  1 冷戦後の国際社会
  2 変化の中の日本
  3 持続可能な社会に向けて 「日本社会の課題」「グローバルの進展」「歴史を学んで」(p262-263) 

■ 「日本社会の課題

◇「防災やエネルギー面での課題」「地域の絆とボランティア活動の重要性」「一人一人が積極的に社会に参画して助け合う日本を創っていくことが求められています。」

◇「まず重要なのは、人権の尊重です。差別の撤廃は、国や公共団体の責務であり、国民的な課題です。」

 「アイヌの人々、在日韓国・朝鮮人、外国人労働者などに対する差別や偏見をなくすこと・・・」

◇「また、女性、子ども、高齢者、障がい者の権利を守り・・・安心して生活できるための社会保障制度を・・・」

◇「そのためにも・・・国民一人一人が積極的に政治に参加し、民主主義を活性化することが必要です。」(終)

 

 東京書籍は、現在の日本が解決すべき最重要課題は、「人権問題」であり、その第1は「差別問題」だ、と位置づけている。

 

② 教育出版 「未来をひらくために」

・第8章 現代の日本と世界
 3 冷戦の終結とこれからの日本 (p254-263)
  ⑨ 変動する国際社会
  ⑩ 私たちの生きる時代へ ~バブル経済と55年体制の崩壊~
  ⑪ 未来をひらくために (p260-263) 

■「未来をひらくために

◇「社会の変化のなかで」・・・グローバル化、情報化 /少子高齢化 (12行)

◇「地球環境問題」・・・オゾン層の破壊、酸性雨、砂漠化、熱帯雨林の減少、地球温暖化 (7行)

◇「人権を尊ぶ」・・・差別の撤廃 /アイヌ・在日外国人・外国人労働者への差別や偏見をなくす /女性・子ども・障がい者・高齢者などの人権を尊重 ・・・ (10行)

◇「平和を築く」・・・戦後非戦、核廃絶へのリード、戦争放棄した日本国憲法の精神にのっとり… (10行+特集2頁:平和を願う人々と平和の祭典「オリンピック」)

 

 教育出版は、東京書籍とちがい、人権問題を3番目にあげている。

 

 (蛇足ですが・・・この教科書の最後の項:「平和を築く」の項の特集は、《世界の現実とずいぶんずれている》と思います。
  これが世に言う、「戦後日本人の平和ボケ」「お花畑」現象なのでしょうね。)

 

~次回につづく~

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