新聞を読んでいると、こんな記事が目にとまりました。
共同通信の記事を引用します。
<引用はじめ>
独、第1次大戦の賠償金完済 終結から92年後に
【ブレーメン共同】ドイツ財務省は3日、
第1次世界大戦(1914~18年)の戦後処理を定めた
ベルサイユ条約などで敗戦国のドイツに科された賠償金のうち、
最後まで残っていた国債利子分の
約7千万ユーロ(約80億円)の支払いを完了した。
大戦終結から92年後にようやく払い終えたことになる。
同国の主要メディアが報じた。
第1次大戦後の大不況を背景に誕生したナチス政権が
賠償金の支払いを拒否したことや、
53年の「ロンドン協定」でドイツ統一まで
支払いが猶予されたことから、完済が遅れていた。
2010/10/03 23:52 【共同通信】
<引用おわり>
第一次世界大戦後、ドイツに莫大な賠償金が課されたことは
世界史で学びましたが、今年ようやく完済したとは驚きです。
ドイツの賠償金はローズ案、ヤング案で減額され、
事実上完了したと思っていたのですが。
ドイツ統一20年の節目の年に
第一次大戦の賠償金完済のニュース。
20年目に合わせて返済を完了させたのかもしれません。
そういえば、経済学者のケインズは
ドイツへの莫大な賠償金を課すことに反対しました。
ケインズの懸念はナチスの台頭と第二次大戦という形で
現実のものとなりました。
また第二次大戦後、ブレトン・ウッズ会議で
ケインズは米ドルを基軸通貨とすることに反対しました。
しかし、ケインズ案ではなくホワイト案が採用され、
米ドルが基軸通貨になりました。
金とドルをリンクさせて基軸通貨とする
「金・ドル本位制=ブレトン・ウッズ体制」は
ニクソンの「金・ドル交換停止」で崩壊しました。
もしケインズの言うとおりにしていれば…
第二次大戦が起こらなかったとは言えませんが、
少なくともナチス台頭の一因は消すことができたはず。
先見性の大切さを痛感します。
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