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社民党 京都府連合 野崎靖仁 副主席語録
社会民主党 中央規律委員 野崎靖仁、56歳。
日々の思いを綴ります。
 



仁木英之『耶律徳光と述律(上・下)』(朝日文庫)を読む。





『朱温』『李嗣源』に続く五代十国の君主を描いた小説。

契丹族の国家・遼の二代皇帝となった耶律堯骨(徳光)が主人公です。

堯骨は遼の初代皇帝・耶律阿保機の二男に生まれ、
父の死後、長男で皇太子の兄に代わって帝位を継承します。

後に後晋の建国を支援して燕雲十六州を手に入れ、
さらに南進して後晋を滅ぼし、中原を手中に収めますが、
兵站が続かず帰還の途中病没しました。

『朱温』や『李嗣源』と同様、主人公の少年時代から始まり、
五代十国の興亡を描くというスタイルになっています。

創作が多い少年時代の話は小説として面白いのですが、
史実がベースになると出来事の説明だけで終わってしまい、
エピソードの寄せ集めのような印象を受けます。

それでも前作よりはマシになっているのですが。

『朱温』では李克用、『李嗣源』では李存勗という
主人公以外の人物の方が魅力的に描かれているのと同様、
この作品でも後晋の部将・劉知遠が「主役級」の扱いを受けています。

五代十国の時代を描くなら、馮道を主役にするか、
李克用―李存勗―劉知遠―柴栄のラインで描いた方がいいでしょう。

せっかく遼の初代皇帝・耶律阿保機の妻である
述律もタイトルに入れているのですから、述律を狂言回しにした
耶律阿保機・堯骨父子の二代にわたる建国のストーリーにする方が
話がわかりやすくなったように思います。

五代十国の時代を描こうという意欲は買いますが、
長編は荷が重いのではないか、というのが率直な感想です。

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