更新はまた今度でいいや。気付けば1ヶ月も放置していました。以下の内容は1ヶ月前に書き上げて温めていたものですので悪しからず。
さて今回紹介するのは東野圭吾『白夜行』です!
・「あの時に摘み取っておくべき芽があったんや。それをほったらかしにしておいたから、芽はどんどん成長してしもた。成長して花を咲かせてしまいよった。しかも悪い花を」(p.739より抜粋)
質屋の店主が廃ビル内で何者かに殺された。被害者の周辺を調査すると浮かび上がる数人の大人達に疑惑が。しかし彼らにはアリバイがあった。そして時は流れて被害者の息子と被害者が懇意にしていた女性の娘たちは成長する。2人に翻弄される人々。時効が切れた事件を追い掛ける男。白夜に生きる2人を描いた長編サスペンス。
・おススメポイント
① 圧倒的ボリューム
文庫本で約850ページに渡るこの長編サスペンスでは前述した2人の成長を余すことなく描きながら、発端となった事件の解決という最大のカタルシスに向かって、散りばめた伏線を回収していく王道と言えば王道らしい展開になっています。この場面を何故描いたのだろう。そんな風に読み進めていくと驚きがあると思います(私は驚きました)
② ちょっぴり苦めなストーリー
この「小説れびゅー的な」を始めるより前に読んだ『さまよう刃』という作品を読み終えた時に私はとんでもなく鬱になりましたが、この『白夜行』はちょっぴりスッキリしないぐらいの後味でした。人間の本質を突き過ぎたせいで作品の登場人物に同情してしまい、酷く感情を揺さぶられるようなきらいが東野圭吾の作品にはあります。この作品も例になくその1つです。是非ご賞味あれ。
次回は優しい作品を紹介出来ればと思います!
それでは!