公認会計士が行っている監査は、原則として試査を行っています。
試査というのは、母集団からサンプルを抽出して、そのサンプルの検証を行い、母集団の性質を推定する監査の手法のことです。
つまり、売掛金の実在性を検証したい(架空計上されている売掛金がないか検証したい)場合を想定します。
たとえば、得意先が10,000件、全部で100億円の金額が計上されていた場合、どのような手続きをとったらいいでしょうか?
売掛金の実在性を検証する際には、通常は確認という手続きを行います。
「確認」とは、確認状という文書を得意先に発送し、計上金額があっているかどうか記載してもらう手続きです。
ただし、すべての得意先に確認状を発送することは、コストもかかりますし、手間もかかります。(10,000件も送るのは大変です!)
そこで、試査の出番になります。
実は、監査というものには、「重要性」という概念があります。
つまり、監査は、「1円でも間違いがあってはいけない」とか「すべての間違いを発見する」ということは前提にしていません。
監査は、「投資家の判断を誤らせない程度の金額に誤りがあっても問題なし」と判断しています。また、「投資家の判断を誤らせない程度の金額を発見すること」を前提にしていません。
つまりは、「投資家の判断を誤らせる間違いはありません」ということを保証しているに過ぎません。
この「投資家の判断を誤らせない程度の金額」のことを「重要性の基準値」といいます。
先ほどの売掛金の例での「重要性の基準値」を10億円としますと、売掛金100億円のうち、5億円は間違ってもいいことになります。
つまりは、「売掛金の実在性」という観点からは、95億円計上されていれば問題ないことになります。
(例えは、売上が5,000億円ある会社にとって、5億円翌期に返品されたとしても大きな間違いとはいえません。)
このように、監査では、「重要性」とう概念があるので、すべての項目を検証するのではなく、その一部を検証することで、監査の目的が達成できるのです。
もう一つ、サンプリングによる試査を行うにあたって、理解しなければならないことがあります。
それは、サンプリングによる試査で何を行おうとしているかです。
実は、これは、売掛金全体に、①「重要性の基準値を超える間違いがある」のか、②「思ったとおりの少額の間違いしかない」のどちらが正しいかを検証することにあります。(*)
簡単にいえば、「サンプリングによる試査は、重要性の基準値を超える間違いがないことを検証する手続」ということになります。
この続きは次回に。。。 特に(*)を中心に。。。。
試査というのは、母集団からサンプルを抽出して、そのサンプルの検証を行い、母集団の性質を推定する監査の手法のことです。
つまり、売掛金の実在性を検証したい(架空計上されている売掛金がないか検証したい)場合を想定します。
たとえば、得意先が10,000件、全部で100億円の金額が計上されていた場合、どのような手続きをとったらいいでしょうか?
売掛金の実在性を検証する際には、通常は確認という手続きを行います。
「確認」とは、確認状という文書を得意先に発送し、計上金額があっているかどうか記載してもらう手続きです。
ただし、すべての得意先に確認状を発送することは、コストもかかりますし、手間もかかります。(10,000件も送るのは大変です!)
そこで、試査の出番になります。
実は、監査というものには、「重要性」という概念があります。
つまり、監査は、「1円でも間違いがあってはいけない」とか「すべての間違いを発見する」ということは前提にしていません。
監査は、「投資家の判断を誤らせない程度の金額に誤りがあっても問題なし」と判断しています。また、「投資家の判断を誤らせない程度の金額を発見すること」を前提にしていません。
つまりは、「投資家の判断を誤らせる間違いはありません」ということを保証しているに過ぎません。
この「投資家の判断を誤らせない程度の金額」のことを「重要性の基準値」といいます。
先ほどの売掛金の例での「重要性の基準値」を10億円としますと、売掛金100億円のうち、5億円は間違ってもいいことになります。
つまりは、「売掛金の実在性」という観点からは、95億円計上されていれば問題ないことになります。
(例えは、売上が5,000億円ある会社にとって、5億円翌期に返品されたとしても大きな間違いとはいえません。)
このように、監査では、「重要性」とう概念があるので、すべての項目を検証するのではなく、その一部を検証することで、監査の目的が達成できるのです。
もう一つ、サンプリングによる試査を行うにあたって、理解しなければならないことがあります。
それは、サンプリングによる試査で何を行おうとしているかです。
実は、これは、売掛金全体に、①「重要性の基準値を超える間違いがある」のか、②「思ったとおりの少額の間違いしかない」のどちらが正しいかを検証することにあります。(*)
簡単にいえば、「サンプリングによる試査は、重要性の基準値を超える間違いがないことを検証する手続」ということになります。
この続きは次回に。。。 特に(*)を中心に。。。。
ちなみに、
ライブドアは54億円ですから、2億円ぐらい。
フジテレビは423億円ですから、21億円ぐらいです。
不正に対する監査の充実が必要になってきている昨今では、不正な支出があるということ自体が問題になる可能性があります。
したがって、この5%が意図的でない誤りから生じるものであれば問題ありませんが、意図的な不正から生じるものなら問題といえます。
したがって、監査上、不正については別個に特別な手続をとるのが普通です。