熊野古道を歩こ

九条を守る女のワークライフバランス日記です。

『紅楼夢』と王さん

2010-09-19 09:50:49 | 本の虫
王さんは4歳の子どもと大学の研究者である夫を中国に残して、和歌山の大学に留学していました。



夜は中華料理店でアルバイトをし、昼間はいっしょに授業を受けていました。
彼女は私よりずっと年下です。




あるお酒の席で私が『紅楼夢』という中国の小説を読んだことがあるという話をしたところ、王さんの顔がぱっと輝きました。




「小説の中で貴族の日常の生活がディテールまで描かれていて、印象に残っている。」
という私に対し、
王さんは本当にうれしそうに小説の中の女性たちを一人ずつ取り上げ、『紅楼夢』は中国では日本の『源氏物語』のように、女性たちの生き方や性格を描いた作品として読まれていると話してくれました。




そして、中国では「あの人は○○さんのような人ね。」と『紅楼夢』に登場する女性の名前を上げれば、その人がどんな人なのかみんなわかるという話もしてくれました。




この話を聞いて、とてもうらやましくかつとてもかなわないと感じました。
私が中国語で王さんに、『源氏物語』と『紅楼夢』を比較して語ったのだとしたら、どんなにかっこよかったでしょうね。




王さんは中国語の他にも英語も話せました。
私は話せる言語は日本語だけ。



王さんとは夏目漱石や芥川龍之介についても語り合いましたが、私が中国のもので読んでいたのは『孫悟空』のお話と『ワイルドスワン』、そして『紅楼夢』きり。




ネットの世界では中国や韓国の人たちを見下げたように言うことがひとつの流行のようにもなっているんじゃないかと感じますが、中国には何百万人もの王さんがいるとしたら知識でも教養でもとてもかなわないなと思うのです。





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2 コメント

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Unknown (nori)
2010-10-08 17:25:03
いたち猫さんありがとうございます。
ぜひ、この講演会に参加したいと思います。
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Unknown (いたち猫)
2010-10-05 20:29:59
10月17日(日)13.30~15時 講演会
講師: 白 雨田さん(2003~2010年 大阪大学 博士課程)
「中国の源氏物語「紅楼夢」、文学からみる中国と日本の文化」
場所:ビッグ愛の 下記センター。

県 国際交流センターへ。FAX,はがき、e-mailで
住所、氏名、TELを書いて申込む。定員 40人。
メルアド:harumi@wixas.or.jp
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