熊野古道を歩こ

九条を守る女のワークライフバランス日記です。

『悪人』

2011-02-28 05:16:05 | 本の虫
吉田修一の『悪人』を読みました。
ちゃらんぽらんな息子がこの本を読んで映画を観に行き、人目もはばからず号泣したと聞いたのでちょっと興味を持ったんです。



私は本を読んだ段階ですでに号泣でした。
日本の中に普通にいるような寡黙で純朴な青年が殺人を犯してしまう。



そして出会い系サイトで知り合った女性と逃避行する。
殺人犯なのにいじらしく、自分を捨てた母親からお金をせびるあたりから言葉の少ないこの青年の不器用な優しさに涙してしまっていました。


リアルな日本の閉塞感ややりきれなさがみごとに書かれています。
最後の主人公の独白がややそれまでキャラクターと違和感があったようにも思ったのですが、救いようがなく思えたラストに希望につながる光が見えました。



そして気づいてしまったんですが、息子はこの主人公に自分を見たんですね。
映画化される時に妻夫木聡さんがどうしてもこの役をしたいと言ったのも、たぶん同じような理由だったような気がします。


堺東の夜

2011-02-27 16:43:06 | ソトごはん
久しぶりに子どもたちと食事しました。
我が家は食べ物でのみでつながっている食いしん坊家族。



思い出はすべて食べ物!
この日のお店は堺東銀座の「嶋川」さん。



ちゃんと美味しいお店でした。
そして、この日のご馳走は泉佐野漁港に揚がったワタリガニ。



バーレーン産じゃないですよ。
卵もたっぷりでおいしかった。



次は5月です。

行灯アート展にチャレンジ

2011-02-26 07:15:11 | atelier nori
あいかわらず声が出ません。
日頃、口先三寸の仕事をしているのでつらかった。



技量を磨いてこなかった報いです。
さて、四月に湯浅で行われる行灯アート展にチャレンジしようと思います。



昨年は骨組のところで断念したのですが、今回いろいろ作った材料の残りがあるのでそれで作ります。
黙っていてもできるしね。

南部梅林梅満開

2011-02-25 05:27:19 | 和歌山いいところ
南部梅林の梅が満開になったそうです。



画像は先週の日曜日にドライブした時のものです。
先週はちらほらだったので、急に開花が進んだものと思われます。



さあ、南部を歩くなら今です。
JR切目駅から南部駅までなら12kmほど。



岩代駅から南部駅までなら7km、アップダウンが少ないので気持ちよく歩けます。
できれば歩いたコースの地図をこのブログに載せてほしいとの要望があったのですが、今はまだその力はないので和歌山県観光連盟の地図を参考にしてください。



こちら。



私はあいかわらず声が出ないので休養しています。

『わたしの名は紅』

2011-02-24 04:19:07 | 本の虫
二週間ほど少しずつ『わたしの名は紅』を読んでいました。
舞台は16世紀末のイスタンブール。



細密画師の殺人をめぐるお話です。
一章ごとに語り手がかわり、死体や犬や悪魔までもが、語り始めます。



タイトルの「わたしの名は紅」もそのまんまで、絵の具の紅色です。
語り手の違うそれぞれの章がひとつずつ組み合わさって、パッチワークのようにひとつの世界を作り上げていくのですが…、



ストーリーはわかるのだけれど、もうひとつ匂いがわからない。
登場人物たちがどんな服を着ていて、どんな路地を通って恋人に会いに行くのか。



また、その路地にはどんな匂いがしているのか。
狂おしいほどの切ない恋というのはわかります。



思いこがれる気持ちも伝わってきます。
でも、私の頭の中に浮かぶのはふつうの洋服を着た人たちなんです。



街のようすもテレビのニュースで見聞きする現代の中近東。
細密画といってもどんなものかもよくわからないし。



イスラムの世界といえばアリババのお話程度しか知らない私には、この本の本当の値打ちはわかりませんでした。
しばらく時間をおいて、少しイスラムについても理解してから再読したいと思います。



次は日本の今、『悪人』を読みます。
息子がこの本を読んで興味を持ち、映画を観にいって号泣したそうです。



あんなちゃらんぽらんな子でも感動する本てどんなんやろ。