Noriko-McLane Movie Blog

自分の見た映画の感想を気ままに綴っています。
ネタバレの可能性もあるので、まだ見てない方はご注意下さい。

ものすごくうるさくてありえないほど近い

2012-03-20 | Weblog
”ものすごくうるさくてありえないほど近い”
Absolutely Loud Incredibly Close       
(2012.3.18. 二条シネマにて)

スティーブン・ダルトリー監督の作品と聞き、興味を持ち、是非見たいと映画館に足を運びました。彼の作品は、心、精神いわゆる人の内面を語ります。ストーリーではなく、その裏の世界があるような作品です。この映画も9.11で父親を亡くした11歳の少年のオスカーの心の物語と言えるでしょう

父が亡くなって一年後、オスカーはそのままになっていた父の部屋で青い花瓶の中の鍵を見つけます。彼はその鍵穴を見つけると父のことが何かわかるかもしれない・・・と考えます。そして、鍵の入っていた封筒に書いてあったblackと言う名前をニューヨーク中に探しての旅に出ます

映画の前半は陰気な映画だなぁと思ってました。
オスカーのおばあちゃんの家を間借りしているという人物(マックス・フォン・シドー)が、オスカーの鍵穴探しを手伝うと言い始めてから、急に話が盛り上がってきたように感じました。この人物は、しゃべれないという設定になってますが、なぜなんでしょうか?(ちょっと普通の人とは違うと言うところを強調したかったのでしょうか

オスカーは、アスベルカー症候群の疑いがあり、タンブリンを叩きながら気を落ち着かせて街中を歩いて行きます。そして、橋を渡ることがとても怖く感じています。でも、この間借りの人物が上手く渡らせてくれたり・・・・
この人物がバスの中でイビキをかき出して、オスカーが彼の口に自分の飲んでたジュースのストローを入れるところ、何か微笑ましいシーンでした

この人は、結局オスカーのおじいちゃんだったわけですが、途中で私はこの人は精神科医か心理学者かな?と思い、「シックスセンス」のマルコムを思い出していました。
オスカーは、おじいちゃんと最後まで鍵穴探しの旅ができなかったことは残念でした

鍵穴は見つかったけれど、それはオスカーの思っていた鍵穴とは全然違うものでした。
・・・オスカーが、あの3.11の日に父が電話をしてきたのに怖くて出られなかった・・・・・・
父の「いるのか?そこのいるのか?」と言う声だけが心に残って、・・・・
このことが父にに申し訳なく取り返しのつかないことをしてしまった・・・・・
その気持ちが9.11からこの時までの1年間オスカーをどんなに悔やませて苦しめてきたかがこの場面でよくわかります。

オスカーの父は、生前、オスカーの内向的な気持ちを和らげるためにいろんな冒険ゲームを考えました。様々な遊びを創作してオスカー少年の気持ちを和らげて外に向けようとします。オスカーは、言うまでもなく父が大好きで、このような冒険ゲームをしていたからこそ、blackを捜す旅もできたのでしょう

この映画の中で、オスカーの母は偉大だと思いました。オスカーは、母には何も話さないし、反抗的な態度。しかし、息子の部屋を見てblack探しの旅をしていることを知り、自分も・・・・・・・サンドラ・ブロック、最後とても素敵に見えました

「ものすごくうるさくてありえないほど近い」ものは、オスカーにとって、亡くなった父であり、言うまでもなく母であり、おじいちゃん、あばあちゃん、そして彼が訪ねていったblackさんみんなのことなのでしょう

点数を付けるとしたら、78点

  ☆スティーブン・ダルトリー監督のほかの作品:
   「愛を読む人」はブログに載せています。(2009.7.)

  ☆オスカーの祖父役のマックス・フォン・シドー
   「ロビン・フッド」でもいい味を出してました。
    (ロビンフッドが立ち寄る家の主で盲目の領主の役)
    詳しくは、2011.3.のブログに載せています。