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ちゅう年マンデーフライデー

J.マーサーのスタンダードもDr.ジョンが歌うとファンクになる

 前々から気になっていたのがドクター・ジョンの「シングス・スタンダード」。休日に聴く一枚に選んで購入。原題は「MERCERNARY」。傭兵の意味だそうで、スタジオミュージシャンとしても活躍するジョンが、「おれたちゃ傭兵みたいなもんさ」というわけでこのタイトルになったとかならないとか。もちろんこれはこじつけで、このアルバムがジョニー・マーサーの楽曲で編まれたマーサーへのトリビュート・アルバムなので、こんな言葉遊びのタイトルになったというわけだ。

 原題のほうがはるかにしゃれているが、いくらマーサーがアメリカン・スタンダードの大御所とはいえ、「シングス・スタンダード」とは安易ではないか。でも中身は、ゴリゴリのニューオリンズR&Bで、「ドリーム」とか「ムーン・リヴァー」なんかがみごとにドクター・ジョンのブルースに変身しているのだった。

 ジョンは、10年ほど前に、ジャズ畑以外のシンガーにジャズを歌わせるのがお得意のプロデューサー、トニー・リピューマとブルー・ノートで「インナ・センチメンタルムード」というアルバムをつくり、ジャズ・スタンダードを歌っている。エリントンのタイトル曲や「メイキン・フーピー」、ジョニー・マーサーの「キャンディ」といった粋な選曲で、この「キャンディ」がなかなかよい。男っぽくてせつない。だから、このアルバムがほしかったのだが、廃盤らしい。このリピューマとのアルバムがきっかけになったのかジョンは、その後エリントンの曲を集めた「デューク・エレガント」を出している。そして、今度はジョニー・マーサー。これは3匹目のドジョウなのかしらん。このアルバムはジョン65歳の作品だが、ニューオリンズ生まれの、来年70歳のじいさんは、益々渋く元気なのだった。
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