妻は散歩が終わって家に帰ると、必ず玄関入口のエアコン室外機の上にある置物の親子蛙の額(を手で撫(ぜて 「ただいま~」 と言う
だがある日散歩から帰ると妻が 「あれ~ 何かいるよ?」 と指差した先には 「お邪魔してま~す」 と蛙さんの額にカマキリ君が軟着陸していた
子蛙も 「父ちゃん、前が見えないよ~」 と言っているのかもしれないが、カマキリ君はお構いなしのままだ
妻はそれに構わずいつものように撫ぜようとするので私は 「ちょっと待ったあ~」 とブレークした
カマキリは他の小動物を捕食する肉食性の昆虫だから、まさか子蛙を狙った訳でもないだろうが、この辺りでカマキリを見るのも珍しいことでもある
「すぐに飛んでいくから待ったら」 と妻に言ったが、居心地がいいのかなかなか動こうとはしなかった
よくよく見ると、何故かカマキリ君の視線はじいっと妻の方を見ているようだった
結局その日は撫ぜるのは諦めて 「ただいま~」 だけの挨拶で済ませた
30分後にはもう姿は無かったが、カマキリ君は無事に自分の住み家にカエルことが出来たであろうか?
この 「親子蛙」 については平成24年11月11日にタイトル名 「妻のこだわり」 (カテゴリー・日暮らし通信) で投稿しています
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