日頃、妻を介護していて心掛けることは、妻の容態の変化から起こる兆しを早く感知することだった
しかし、いつもそのような気持ちでいても、時にはその ”困った事” が感知できないこともあり、最近ある出来事は私を悩ませた
24日、朝起きると妻の歩き方が何となくおかしく、右足を引きずって歩くようなので私は多いに心配した
「何処か? 痛いのか?」 と聞いても 「痛くない」 の返事だが、どうも歩き方が気になった
かなり以前に転んで右足を打撲したことがあったので、やはり足首周りに異常があるのか? と私は思った
足首を見たり触ったりしたが、特に異常は見当たらないが、念の為に 「消炎鎮痛シップ剤」 を足首に貼ることにした
その日はDS (ディサービス) へ行く日なので、迎えに来たヘルパーさんにもその旨を伝えて、一応様子を見るように頼んだ
さて 「困った事が起きた」 と、また私の取り越し苦労が始まったが、このまま歩行が怪しければ整形外科へ行くことも考えた
16時過ぎ、DSから帰った妻はまだ歩き方がおかしいが、DSでは何事も起こらず過ごしたようだった
その日は入浴介護の日なので準備すべく、椅子に座らせて靴下を抜かせたが、その時右足の指先を見た私はびっくりした
それは右足小指の爪が剥がれて、その爪が直角に立っていたのだ。そして小指も少し赤く腫れていた
小さな爪だが、何かに引っかかって剥がれたが根元は簡単には離れないから、爪が立った状態だった
それを見た私は 「これだあ~」 と思い、歩行を怪しくした元凶はこの爪に違いないと確信した
取れそうになった爪が靴下などと擦れ逢えば痛みも尋常ではないはずだから、歩くのもおかしくなるのは当然だと思った
その爪を切るのも躊躇したが、何とか切って化膿治療用の軟膏を塗った。おそらくはこれで大丈夫であろう
さて、こらからは私の反省となる
朝、私が足首を見た時に素足であれば、爪の異常も判ったはずだが、足首内部のことと早合点したのは過ちだった
だが妻が自己申告できれば、すぐに痛い場所も判るのだが、今の妻にはその感覚が忘れられているので、それが歯がゆいことだが仕方無いことだった
爪を切ってもまだ小指は少し赤く腫れているが、歩くのは正常に戻った
”良かった” と安堵したが、考えてみれば私の介護生活とはこのような出来事の繰り返しでもある
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