原監督の構想は、やはり ”ストッパー澤村” だろうか。
去年の秋季キャンプで原監督が最初に澤村の中継ぎを明言したとき、
「まずはセットアップをめざしてほしい」 と、山口、マシソンらとの競争を示唆した。
この配置転換に対する澤村の反応は意外なほど前向きなものだった。
澤村といえば、以前は先発へのこだわりをかなり明確に口にしている。
それでも澤村はスポーツ紙の取材に 「監督から話しを聞いて心が躍った」 と表現した。
そして、「ポジションが決まっているわけではないから、
キャンプとオープン戦でしっかりアピールしたい」 と意気込んだ。
澤村は抑えかという記者の問いに、
原監督は当初、そんな甘くはないと競争を強調している。
いちばん大事なところ(クローザー)を簡単にハイと任せるわけにもいかないだろうから、
対外的にも、澤村本人のためにも、
先ずは 「セットアップから」 という言葉を命題にしたことは容易に想像がつく。
しかし、あえて澤村を本格的に先発から動かすのであれば、
やはり原監督の腹づもりでは、 「澤村を抑えで」 は規定路線だろうし、
あるいは澤村本人にも、それを臭わすくらいのニュアンスでは説明がついているのかもしれない。
だからこそ、澤村も意欲的になれたのではないかと想像する。
案の定、それからひと月も経たない契約更改の席で、
澤村は 「競争を勝ち抜いてクローザーになれるように頑張りたい」と、
ハッキリとクローザーを口にした。
さらに原監督も、澤村を乗せるように 「夢は澤村のセーブ王」 と吼えて見せると、
それに応えて澤村もセーブ王奪取を目標に掲げ、
はては、理想のクローザーにブレーブスのクレイグ・キンブレルの名前を上げ、
もうすっかりクローザーモード全開状態なのである。
目標値を定めたら脇目も触れずに一直線、
澤村にはそんなイメージをもつ。
そういえば、澤村の座右の銘は ”猪突猛進” と、
Wikipediaに書いてあったな。
ホントだろうか。
これまでのことを自分なりに上手くリセットして、
強引にでも切り替える強さのようなものを、
澤村のインタビューの受け答えに垣間見る。
キャンプに入ってからのインタビューでも、
昨年、ケガで出遅れたことを引き合いに出すと、
当たり前のことがこなせない悔しさを痛感したと語り、
いちばんの課題はケガをしないことと、
それ以前のシーズンのことなど既に忘れ去ったかのように前を見据える。
そういった野太さが澤村にはある。
もちもん精神面や技術面なども多少は課題として挙げはするが、
先ずは、”これまでよりも、これから” それが澤村の真骨頂、そう感じる。
契約更改の席でクローザーを目指すことを口にし、
記者からクローザーへの意欲に目覚めた経緯を尋ねられた返答でも、
ー 自分あってのチームではない。その人その人に適性、ポジションがある。
チーム状態もあるし、社会に出て自分のわがままが通るほど世の中あまくない。
例えば人事部に行けと言われれば行かなければならない。
法務部に行けと言われれば行かなければならない。
そういうものじゃないか ー
言い方はもう少し砕けた感じだったが、こんなふうに言い表した。
一見、達観的に捉えているふうに聞こえるが、
質問に対する応えとして耳を傾けると、
こういった例えも自己主張があってこその表現に聞こえる。
多少強引でも、自分の中でスジを通す、
澤村のそういった野太さ、猛々しさはやはりクローザー向きに思える。
昨シーズン、ストレートだけで抑えるのは難しいと、
コンビネーションにも目を向ける発言をしていたが、
そこに偽りはないだろう。
でも彼の本音はやはり、豪速球でねじ伏せたい、で間違いないはずだ。
小久保監督が適性を認めたとおり、タイプ的にはそのポジションなのかもしれない。
ゲームの流れによってマシソンと入れ替えるなどの曖昧な状態にするよりも、
完全にクローザーの位置に座った方がノッテいきそうな気がする。
原監督に、その辺の計算がないわけはないだろうから余計な詮索だが。
いずれにしても、澤村のクローザーがハマれば、
新たなジャイアンツを築く上での、大きな大きな核になることは間違いない。
うまくいかなかったら、またリセットすりゃいいのさ!
そんでまた、猪突猛進だ!
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