カッコよかった!
そのひと言に尽きる。
勝とうが負けようが、
そんなことはどうでもいい。
今年もまた、ヨシノブがホームランを打った。
今年もまた、ヨシノブのホームランが見れた。
それだけでもう充分である。
外角高めのストレート。
ヨシノブの得意なコースだ。
対戦相手のライオンズは話題の大阪桐蔭クリーンナップ。
なかでも注目は、小柄ながらフルスイングで本塁打をかっ飛ばす森クン。
腰を沈ませ、のけ反るような豪快なスイングで、
ライオンズファンのみならず、プロ野球ファン全体を魅了する。
オールスターファン投票の中間発表では、
大谷、筒香らを抑えてダントツ1位の獲得票数を得た。
そんな森クンを圧倒する、ヨシノブの「のけ反るような」パワフルなスイング。
しかもバックスクリーン。
一直線、まさにそんな当たりだった。
大概のホームランというのはそのスイングから打球の放物線までが絵になり美しい。
しかし、ヨシノブのホームランは、そのスイングに入る前の構えまで含めて、
総体的に美しい。
そしてさらに、カッコいい。
このカッコいいというところも、とても重要だ。
顔が男前とか、足が長いとか手が長いとか、
そんな上っ面ではなく、
もちろんヨシノブは男前ですが、
そんな表層的なことではなく、
長年、一線でファンを魅了してきた選手の中にあって、
そうそう手に入れられるものではない、このカッコよさは、
限られた人たちだけが持ち得る、特権的なカッコよさである。
ベースを一周してホームに還ってきたヨシノブを迎える坂本がお見事とばかりに小さく頭を垂れ、
両掌をそっと差し出してヨシノブのタッチをこれまたそっと受け止めた。
そんなふうに見えたヨシノブホームインの際の映像を見て、勝手に胸を熱くしてしまった。
そんな坂本の胸中を妄想ついでに、その翌日の試合から、もうワンシーン。
4回裏、2死一、二塁の場面でバッター片岡が左翼線二塁打を放つ。
このアタリで一塁ランナーのヨシノブは一気に本塁まで激走を見せた。
一瞬、ヒヤッとするようなホームでのクロスプレイ。
先にホームインしていた阿部も思わず主審の脇で腰をかがめながら大きく手を広げ、
「セーフ!」 のジェスチャー。判定はセーフ。
好投のマイコラスを援護する貴重な追加点だった。
主審のコールのあともヨシノブはホームベース上で仰向けに倒れこんだままだったが、
そんなヨシノブの両手を阿部が掴み、心なしか力を加減するようにそっと引き起こしたそのシーンにも、
阿部のヨシノブに対する気遣いを垣間見たようで、勝手に心を温めてしまった。
1728安打目の、317号ホームラン。
どちらもまだまだ通過点である。
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