田口、平良、メンドーサは仲良しなんだそうだ。
解説者のそんな話に、思わず頬が緩んでしまう。
19歳の二人と、まだキューバでは大学に在学中という21歳のメンドーサ。
キツイ練習にくじけそうになった時も、田口、平良の存在が支えになったと、
やはり解説者がメンドーサのそんなエピソードを紹介していた。
ベンチで隣同士に腰掛け、何かやり取りをしていた二人の姿が微笑ましい。
同じタイミングで一軍に上がれたことが、メンドーサにとっては心強かったろう。
お立ち台で小柄な田口と並ぶと身長さが際立つが、
190センチの長身のわりにマウンドに立つとさほど大きく見えないのは、少し線が細いからだろうか。
慣れない食生活もあるだろうし、まだ21歳という若さである。
昨年日本に来てから焼肉にハマっているらしいから、これからまだまだ体格は良くなっていくのだろう。
マウンドでは慌てる素振りもなく、表情を変えずに二回を投げきった。
ヒーローインタビューのとき帽子をとった顔をはじめて見たけれど、
さすがのラテン系、なかなかの二枚目である。
ただ今後も、彼の扱いが難しいことに変わりはないだろう。
外国人枠の問題で常に微妙な立場におかれることは想像に難くない。
気が早い一部のマスコミは早くもメジャー流出を危ぶむ話題や、
調子に安定感を欠くマシソンとの来季の立場逆転などを取り上げているけれど、
いくらなんでも時期尚早、そんな簡単にはいかないと思う。
メジャー云々はさておき、仮にマシソンの代わりを球団が来季に向け考えたとしても、
そのポジションにすぐメンドーサをあてがうかといえばそれはない気がする。
いくらマシソンが安定感を欠いているとはいえ、まだマシソンとは比較にならない。
球団がマシソンを見切るなら、おそらくメジャーからさらに実績のある投手を連れてくるはずだ。
これまでの実績と、今季ここまでの原監督の起用の仕方を見たって、
ベンチのマシソンに対する信頼はそう簡単には揺るとは思えない。
ポレダ、マイコラスとの絡みか、あるいは野手3人とのほうが入れ替えは容易かもしれない。
現状ではアンダーソンだってうかうかしていられないように感じる。
メンドーサに関しては、まずはもう何回か投げるところを見たい。
外国人選手枠とは関係がないけれど、マシソン、メンドーサと中継ぎ投手の話で思い出した。
先日、ファームの中継で3年目の公文克彦投手の投球を見た。
この春のキャンプ中継で投げている姿を見て以来だったが、
彼がなかなか一軍に上がってこないのも、もどかしい。
本来なら、現在の戸根のポジションに収まっていてもおかしくはない。
ルーキーイヤーのシーズン後半に何試合か投げて力のある投球を披露したが、
翌年の昨シーズンは一軍登板ゼロに終わった。
昨シーズン、ファームでは先発に回ったりもしたようだが、
今季の成績を見ると、また中継ぎでの起用に戻っている。
春のキャンプで戸根のピッチングを見たとき、
真っ先に公文のことがアタマに浮かんだ。
同じ左腕の中継ぎ候補。
スリークォーターから投げる投球フォームといい、
投手として上背はないが打者に向かっていく投球スタイルといい、
似た部分は多い。
学年こそ違えど、生まれ年もいっしょで、
公文が一学年上になる。
戸根もそうだが、公文も実戦向きに見える。
ただ、戸根は気迫を表情や態度に出すタイプだが、
公文はどちらかというと表情をあまり変えずに淡々と投げる。
相変わらず公文のストレートにはキレがある。
その日は変化球の制球も含め、ややコントロールに苦労していた。
制球力では戸根が上回るのだろうか。
ストレートの力は公文も負けていない。
戸根の特徴的で多彩な投球スタイルと比較すると、
公文も、もう一ランク上の特徴的な持ち味が必要かと印象を持ったが、
インステップぎみに投げるストレート、スライダーは左打者にはかなり有効に見えた。
今季はファームで1点台の防御率を維持しているようだから、
決して調子も悪くなさそうだ。
状態のいいときに、いいタイミングで一度一軍に上げて欲しい。
そろそろ、公文の番ではないか。
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