前日まで3番に座っていた亀井がスタメンを外れた4月16日のベイスターズ戦。
前の日の試合で右中間2ベースを放っていたものの、少し調子も低迷期に入りかけかと、
ベンチに座る亀井はその日、出番がないまま試合を終えた。
その試合、ファームから上がってきた橋本到が入れ替わりで3番に座り、
大仕事をやってのけた。
橋本が戻り、これで明らかに本来の状態ではない長野を少し休ませながら使えるのではないかと、
そんなもくろみを勝手に思い描いていた。
その翌日、亀井が一軍登録を抹消された。
下半身の張りのため、スポーツ報知にはそう書かれていた。
ほんとうに下半身の張り程度なのか…。
登録抹消されるくらいだから結構ひどいんじゃないのか…。
こんなに早い時期にもうケガをしてしまったのか…。
亀井の登録抹消は、ちょっとショッキングだった。
春のキャンプ中継の中で行われていた選手の個別インタビューで、
亀井はまるで呪文を唱えるかのようにある言葉を繰り返していた。
「とにかく僕の場合、ケガをしないことが…」
「とにかくケガだけは気をつけて…」
「とにかくケガをせずに一年間、出続けることが…」
そう、本人はもちろん、ファンにとっても、
このケガが何にも増して、亀井に付き纏う一番の不安材料である。
とにかく一年間、ケガをせず、フルに一軍にいる亀井が見たい。
これは多くのジャイアンツファンが願っていることだろう。
あれだけケガをせずにと言っていたのに、
まさかこの時期にもう故障なのかと、
登録抹消の記事を目にしたときは肩が落ちてしまったが、
数日後には軽めの練習ながら調整を始める亀井の姿がネットで確認でき、
それから一週間ほど過ぎた頃には、ファームの試合に出場できるまでに回復していたので、
この時期の、この程度の戦線離脱なら、不幸中の幸いで片付けられそうである。
今季はオープン戦の段階で、一体、誰がスタメンに名を連ねるのかと、
解説者だけではなく、ファンだって頭を抱えるような熾烈な外野手争い。
”新成” のスローガンのもと、一体、どんなハイレベルな争いが見られるのかと、
選手の顔ぶれを見て、期待感が高まる、そんな熾烈な外野手争い。
ところが蓋が開いてみると、それほどワクワク感を伴わない、
なんだか複雑な気持ちの外野手争い。
セペダにはセペダなりの価値があり、存在感があって、
やはり簡単には落とせない事情もあるのだろう。
今季から加わった金城にしても、経験と実績だけではなく、
まだまだ衰えてはいない実力をオープン戦から見せてくれた。
ヨシノブ、タカヒロのピースは、ジャイアンツファンにとっては至宝である。
そんな中で、万全ではないが長野は開幕にどうにか間に合い、亀井もいい状態で開幕を迎えた。
ただその一方で、オープン戦から派手なアピールとまではいかなかったかもしれないが、
やはり橋本到がスタメン落ちどころか、即、二軍に落とされたのはどうもガテンがいかず、
さらに大田は大田で、何で開幕前に故障なのかと憤りの外野手争い。
しかしここにきてようやく、役者がひとまず顔を揃えた。
橋本が戻り、大田が上がってきて、長野の体調は心配だが、
どうにか大事には至らずに亀井も調整を終え一軍に戻ってきた。
この4選手だけとってもみても、誰か一人がスタメンから外れるのだ。
長野、亀井、橋本、大田。
この4人の争いは本当にワクワクする。
亀井はファーストも守れるが、やはり本職は外野手である。
亀井の外野は外せない。
もちろん、長野は今や坂本と並ぶジャイアンツの顔である。
早く復調してもらわなければ困る存在だ。
それでは橋本、大田、どちらかを外せるかといえば、
いまや彼らはそんなレベルの存在ではなくなった。
今季は、チームを背負って立つほどの結果を出している。
ここまでの結果だけを見てみれば、坂本、村田の比ではない。
長野、亀井、橋本、大田。
この4人の争いだけでも、充分に見応えがある。
若手の躍進が、これほどチーム内の争いを激化させ、面白くするのだ。
外野の最前線は、この4人のレギュラー争いだけで他に何も必要ない。
もちろん、ヨシノブ、タカヒロ、金城のベテランの存在感はゲームのそこここで随所に光る。
とくに生え抜きのヨシノブ、タカヒロは別格だ。
アンダーソンも調子が上がってきた。
矢野もファームで結果を出し続けている。
堂上もファームの試合に出始めたようだ。
今季はここまで、この戦力で充分。
ファームにもまだまだ楽しみな選手は多い。
補強の必要など、まったくない。
中井、藤村などが、内野の争いに食い込まなければいけない内野問題もほっておけないが、
とにかくとにかく、手術明けの長野だから、出来れば無理をせず、焦らずにやっていただきたいし、
とにもかくにも、どうか今シーズン、もう亀井がケガをしませんように。
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