「・・・振り返れば、《希望の牧場》を立ち上げてからは絶望ばかり味わってきた。光が見えたと思った途端、ことごとく覆され、いつも“お釣り”が来るほど打ちのめされてきた。立ち上げ当初の目的として掲げていた「学術調査・研究」も、いまだに実現できていないばかりか、“生かすこと”に対して、メンバーの誰もが必死になってもがき、苦しんでいる。それがいまの《希望の牧場》の現実だ。」
「原発一揆」(針谷勉著 ㈱サイゾーより)
鮫川村、環境省と交渉していますが、依然として汚染牧草を手放そうとしません。村は「環境省が焼却事業に使うからと言っている」とし、環境省は「汚染牧草を牛に与えることは環境からの隔離にならない。安全に焼却処理して減容化し、処分場に入れることが適切な方法だ。」との一点張りです。そして「すでに焼却することが決まっているので、この方法で処理します」と。
焼却には7億円もの税金がかかります。そして鮫川村をスタートに、各地に建設が進められようとしています。この実験に使うため、低汚染牧草が必要であると。8月9日の「再精査」で今村内に100~6100ベクレルの牧草が1800ロールもあると公表されました。6100ベクレルはあまりに危険だとしても、100単位のものがたくさんあるのなら提供して欲しいと切に願います。
去年は3000ベクレルの牧草150トンが無償提供された、それならできない理由はないはずです。
この本を読んで、無償提供に応じない理由がもう一つあるのではと思いました。それは、同牧場が牛の殺処分に応じないため、国から圧力を受けているからです。
原子力災害対策特別措置法第二十条三項に基づき、旧警戒区域の家畜は一部条件下での飼育を除き、原則安楽死
牛を生かすため自らの命を削りながら汚染地に留まる農場主の吉沢さん達に対し、あまりに冷淡な国。原発事故を隠蔽したい国・東電に対し、真っ向から責任を問いただし、牛たちを「生き証人」として事故の悲惨さを訴えてきた吉沢さんに対する「答え」がこれなのでしょうか。
旧警戒区域では、数えきれない鶏、豚、牛たちが殆ど身動きもとれない狭いケージやオリにつながれたまま、地獄さながらの苦痛の中命を落としました。事故への反省とこれらの犠牲に対する贖罪の気持ちが少しでも当局側にあるのなら、吉沢さん達に手を差し伸べるべきだと思います。
ぜひ、この本をお手に取ってみて下さい。鮫川村が昨年牧草を無償提供した経緯も書かれています。(売り上げの一部は牧場の活動に充てられます)
そして、原発がある限りこのような悲惨な光景が繰り返される可能性があることを、一層肝に銘じたいと思います。
(同牧場へ牧草の無償提供を!声をお寄せ下さい)
鮫川村役場 地域整備課 TEL.0247-49-3116 FAX.0247-49-3363
Mail : tiiki@vill.samegawa.fukushima.jp
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます