ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

除染労働者と市民の集い

2014-01-07 16:37:40 | イベント

遅ればせながら御支援頂いた皆様、昨年は大変お世話になりました。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

2014年1月5日 「除染作業員と市民の集い」(@郡山市労働福祉会館)に参加させて頂きました。(共催:全国一般労働組合全国協議会、全国一般ふくしま連帯ユニオン、全国一般いわき自由労働組合、被ばく労働を考えるネットワーク)

全国各地から除染作業員の仕事を求めて来られた人々。年末ぎりぎりまで労働相談をされていた組合の方のお話しでは、雪を口実とした除染作業の中止による解雇の嵐が吹き、駆け込み相談が相次いだということです。中には九州などから家族を伴って福島に転居されたり、認知症の母親を伴って移り住んだ方がおられながら、こういう方々をいとも簡単に首切りする雇用主の非情さに、憤りの声が上がりました。作業員の方の貴重な生の声の一部を要約してお伝えします。

 「去年12月にA会社を相手に解雇撤回を求めて裁判を起こしました。作業員全員の集まるミーティングの席で、会社へ団体交渉を行うので、時間があれば来て欲しいという呼びかけをしました。

するとその日の夜、作業が終わってマイクロバスで帰路に向かおうとしていたとき、反組合と呼ばれる人たちから突然引きずりおろされ、40分間軟禁され、脅迫されました。『会社が解雇と言っているのだから仕方がないだろう。それに対し波風を立てるなど何を考えているのか。お前は組合員だろう、組合は会社をつぶすのだから、なぜ組合員がこの会社に入ったのだ。お前など辞めてしまえ。この騒ぎを起こしたことによって会社が次に仕事を取れなくなったらお前は責任を取れるのか。責任を取れないのならどこまでも追いつめて命を奪ってやる。』と言われました。これが除染現場の現実です。

テーブルを叩かれながら必死に抵抗しました。この世界はそんなものかと思いましたが、私の抵抗する姿を見て、(黙っていた他の)10人が組合に加わってくれました。とても嬉しかったです。」

(会場で配布された資料にも酷い実態が告発されている)

今後廃棄物処理現場での被ばく作業が深刻な問題となることから、現在の汚染廃棄物問題について発言の機会を頂きました。おおむね次のような話をさせて頂きました。

・鮫川村の爆発事故における環境省の関係機関(消防署等)への通報義務違反や事故調査報告書の黒塗り問題、守秘義務規定など、事故時の対応を見て、今後各地に設置される焼却炉が事故を起こしても隠蔽される可能性が高い。

・相馬市3基の仮設焼却炉の周辺には、保育所、幼稚園、小中高校を含めた住宅地がある。

・この焼却炉は新地町、相馬市の震災がれきを処理する目的で設置されたが、今年1月から除染廃棄物を混合処理することになり、昨年10月の試験焼却で排気ガス中のセシウムは不検出であったため安全とされた。

・環境省は焼却炉設置に関し住民の言い分など聞くつもりは毛頭ない。あくまで話をするのは市町村長と幹部、その取り巻きである議会くらいで、住民説明については建設地の行政区のみに限定し、それ以外の住民は説明会にも入れない、資料も渡さない。初めに国と市町村長と水面下で話をまとめて議会に投げかける、議会は非公式の全員協議会で決定し議事録も残さない。

・建設地の地主や行政区住民の同意取得のため原子力安全コンサルタント会社を雇う。このコンサルはアメリカの原子力施設建設における地元同意取得で成果を上げた実績をお手本としている。つまり、私達反対派は目的達成のための障壁としか見なされない、私達が何故反対するのかについては一切考慮されない。ここにも多額の復興予算がつぎ込まれている。

・現場作業においてもっとも被ばくの危険があるのが焼却灰の取り扱いである。焼却によって放射性物質が20倍以上に濃縮された焼却灰が断続的に大量に排出される。作業員は非常に微小な粉塵に晒され続けるが、都路町での環境省の説明によると、電離放射線障害防止規則において焼却灰は50万㏃以下のため反面マスクでよい、それも80%の防御率で可とし、化学防護服も不要とされている。99.9%防御率の全面マスクは200万㏃以上のものを扱う場合に限っているが、極めて不十分である。都路町の場合、一日400トンを処理し20分の一に減容化された場合20トンもの灰が排出されることになり、これらに毎日晒されることとなる。全面マスクと防護服は必須である。

(そもそも50万㏃はとんでもなく高い汚染である。50万であれ1万であれ、内部被ばくの危険性を考えればこのようなずさんな対策は考えられない。反面マスクでは眼球は直撃を受けて白内障になる危険性が増し、防護服がなければ、頭髪や衣服、全身に付着した灰をそのまま自宅に持ち帰り、家族や子供がいれば吸引させることになる。まともな防止になっていない防止規則はただちに見直す必要がある。)


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