税理士の戯言

大阪市中央区の税理士法人代表ブログです

企業倒産

2008年05月26日 | コラム

 民間調査会社の集計によると、2007年度の企業倒産は、
前年度18.4%増の11,333件と、比較可能な2001年度以降で最多とのことです。

 金融危機だった頃に比べ、大型の倒産が減っているので金額ベースでは、最多ではないかもしれませんが、統計に出ない中小・零細の倒産、廃業等はかなりのぼると推定されます。

 急激な円高、原油高のほか様々な原材料高に加え、大手企業からの強烈な
コストダウンは下請企業には本当に死活問題です。

 私ども会計事務所のお客様はほとんどが、中堅・中小企業です。
決算時にお会いする社長様の元気、余裕が無くなってきているのを感じます。
 
 もちろん、悪いときにも悪いなりに、確実に利益を出し続けているお客様がおられます。
 創業して39期目のA社さんは、創業から一度も赤字決算になることなく、税金を払い続けておられます。
自己資本率は50%を超え、含み益ももっていますが、悪ければ、真っ先にご自身の役員報酬を下げられます。その覚悟、迫力には圧倒されます。
決して、IT産業のように景気のいい業界ではありません。
(40年前にはIT産業はなかったですよね(笑))

 やはり「負けない」ことが大事です。(4月1日拙文ご参照)
安易な節税本が巷にはあふれていますし、節税のDMなどもよく送られてきます。
利益が少しでもでると「税金は払いたくない」「節税!」とおっしゃる社長がおられます。
 
 しかし、会社にとって、一番大事なことは、
会社が存続して、お客様に商品、サービスを提供し、仕入先に代金を支払い、
金融機関には返済をして、そして何よりも雇用を守っていくことです。

 そのためには、
1. 儲けること(=税金を払うこと)、
2. お金を残すこと
3. 将来のリスクに備え内部留保を蓄えることです。

  この繰り返しを、前述の39期目の会社は毎年続けてきたからこそ今があります。
  強くそう願うこと、その達成のために正しい努力をすることが本当に大切です。

  


お客様の目線

2008年05月19日 | コラム

 先週、朝食のパンを食べていたときのこと、「ガリッ」と口の中で
何か固いものがありました。
そうです。奥歯の詰め物がとれたのです。
 
 小学生の頃に、なりたかった職業は歯医者さんですが、
歯医者にいくのはかなり嫌いです。(歯科医の方ゴメンなさい)。 
 しかし、ほうっておいても治るわけでなく、
昼休みにいつもお世話になっている、歯科医の先生のところに
取れた詰め物を大事にもって出かけました。
(噛み砕いてなければ、そのまま使えることを学習していました(笑))

 歯医者さんには、診察椅子の周りにいろんな機械がありますが、1年半ぶりに
来てみると、新しい薄型のディスプレーがあります。
 最近は歯医者さんもサービス向上で、TVでも見られるのかなと思っていると、
色んな角度からとった奥歯の映像をそのディスプレーで見せて解説してくれるのです。
 レントゲンとかは見てもよく判りませんが、これなら素人にもよくわかります。

 このディスプレーは歯科医のためではなく患者さんのためにあるのです。
「これこれこういう状況だから、こういう治療が必要ですが、それでいいですか」
と、患者さんに納得してもらいながら進められます。

 
 ディスプレーつながりでもう一つ。
先日、スーパー銭湯にいったら、「耳のケア」というのがありました。
何と!10分、千円です。
耳掃除と言えば、子供の頃は父親か母親の膝枕で、「痛い」といいながら、
どちらがでっかいのがとれるかと、弟とよくはりあったものです。
今どきは、耳掃除も商売になるのかと興味深くみてみると、
ディスプレーがあって、自分の耳の中がきれいに見えるのです。
普段見えないところだけに、ディスプレーで見るときっとびっくりなんでしょうね。 

  歯医者さん、耳のケア屋さん(?)に共通しているのは、
「患者(お客)さん目線」です。

  我々、会計事務所では、やたらと専門用語がでてくるし、借方・貸方の試算表です。
まだ簿記を習い始めの頃、試算表に慣れるのに随分苦労したことをすっかり忘れてしまっていました。
 
 お客様の目線にあわすには、一工夫も二工夫も必要だなと痛感し、歯はしっかり磨いておかないといけないなと改めて思い直した週でした。

 

 

 

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「鳴かぬならそれもまたよしホトトギス」-松下幸之助-

2008年05月12日 | コラム

 先週に引き続き、松下幸之助に関する本から、
印象に残った部分を今日も一つご紹介したいと思います。
(「同行二人 松下幸之助と歩む旅」 -北康利著- )

  戦国の三武将の「ホトトギス」の鳴き方の話は、それぞれの性格を顕著に表すことで有名です。

  織田 信長 「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」
  豊臣 秀吉 「鳴かぬなら鳴かせてみましょうホトトギス」
  徳川 家康 「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」

 そして、松下幸之助は、「鳴かぬならそれもまたよしホトトギス」
 幸之助は、三武将は「三つともホトトギスが鳴くことを期待しているから
出てくる言葉ですな」と言います。
 幸之助のホトトギス観には、傑出した経営者に共通するもう一つの要素、
「素直な心」が表れています。

 あるとき、新聞記者から事業成功の秘訣を聞かれた幸之助は、
「『天地自然の理法』にしたがって来ました。」と答えたそうです。

 「衆知を集めた上で心を鎮め、一般大衆の声に耳を澄ませてみる。
するとおのずから進むべき道が見えてくる。
世の中の動きをありのまま受け止められる。 
好調なときには気を引き締め、うまくいかなかったときも悲観することなく、
問題点が明らかになってよかったと考え、着実に努力しながら状況の好転を待つ。
『好況よし、不況なおよし』という彼の言葉は、
まさに「素直な心」を端的に表している。」と筆者は記しています。
 
 何度とない試練、様々な逆風(それこそ会社存亡の危機にも直面した)にも、
敢然と立ち向かい、
「五つや六つの手を打ったくらいで万策尽きたとは言うな」
という口癖からもわかるように、努力の人幸之助ならではの言葉には重みがあります。

 凡人には、一に努力、二にも三にも努力です。
その際、「トップ含め、皆の方向性があっているか」
ということが非常に大事と思います。

 

 

 

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同行二人

2008年05月07日 | コラム

 ゴールデンウィーク中に、「同行二人」というタイトルに魅かれて、
経営の神様、松下幸之助翁に関する本を読みました。
(「同行二人 松下幸之助と歩む旅」 -北康利著-)

 
 「同行二人」とは、もともとお遍路用語で、
「四国八十八ヶ所を巡る旅には、色々困難をともなうが、
いつも弘法大師様が見守っていらっしゃるから(大師+自分で二人)
安心してお参りに専念しなさい」という意らしいです。

 
 学生時代に、経営史を専攻していたので、日本を代表する経営者、
松下幸之助についてはかなり勉強したはずですが、
なにしろ30年近く前で、記憶が薄れた(飛んだ)のか、
こんなに大変な経験をされたのかと、かなり新鮮に読めました(笑)。

 
 傑出した経営者に共通しているのは、その優れた資質は勿論ですが、

「運がいいこと」
「パートナーに恵まれたこと」があります。

 ホンダの創業者、本田宗一郎と藤沢武夫、ソニーの創業者、井深大と盛田昭夫
そして、上述と関係は少し違いますが、
松下幸之助には、高橋荒太郎という、幸之助を支える大番頭がいました。
 経営の神様をして、「高橋さんは神サマやで!」と言わしめたそうです。

 
 私ども税理士のお客様は、中堅・中小企業がほとんどです。
なかなか社内に人材が育ちません。
(本当は、「育てない」といったほうが正しいのかもしれません。)
また、育った優秀な人材は、独立するケースも多々あります。

 
 「同行二人」とはおこがましいですが、単に税務・会計のプロであるだけでなく、
社長にとって、企業が直面する様々な課題の相談相手になれる、
社外パートナー(応援団)であり続けたいと、
この職業を選んだときの初心を思い起こし、気持ちを新たにした連休でした。

 

  

 

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