税理士の戯言

大阪市中央区の税理士法人代表ブログです

「パイオニアに公的資金」について思う

2009年04月22日 | コラム

  今日の日経新聞朝刊の第一面に、
「AV機器大手のパイオニアに政府が公的資金300億円
投入の検討に入った」という記事がありました。

  「国内だけで一万人規模の雇用を抱える同社が破綻すれば、
経済に大きな打撃を与えかねないためだ」とのことです。

  “産業再生法”の活用ということだが、この種の話が持ち上がると
「どこは助けて、どこは助けないの?」といいたくなります。
 
  個人的には、大学生になったときに、アルバイトで貯めたお金で、
パイオニアのオーディオセットを買ったし(当時かなり高価でした)、
CDが出始めのときに、パイオニア製品を買ったこともあり、
オーディオメーカーでは好きな会社です。
そういう意味では、残って欲しい会社の一つではあります。

  しかし、
「救済するかどうかは誰が決めるの?」
「第二、第三のパイオニアが出てきたらどうするの?」
「どの規模であれば、『経済に大きな打撃を与える』と言えるの?」

   といった疑問はつきません。

  セーフティネット(保証協会付の融資)の借入は出来ても、
代表者個人の連帯保証までとられる、中堅・中小企業との
あまりのギャップを感じます。
  


打つ手は無限

2009年04月18日 | コラム

 日本含め、株価は世界的に戻し始めていますが、
以前、事業者を取巻く環境は厳しいです。

 大手スーパーの値下げラッシュ、牛丼チェーン店の値下げは
消費者としては歓迎ではありますが、
納入する取引先、周りの飲食事業業者の価格低下要因につながります。

  厳しい中、大変なお客様に「ネバーギブアップ!」と贈る詩が
次の詩です(滝口 長太郎)。
 私自身、いつも机の見えるところに置いています。

 すばらしい名画よりも、
 とてもすてきな宝石よりも、
 もっともっと大切なものを私は持っている。
 どんな時でも、どんな苦しい場合でも、
 愚痴を言わない。
 参ったと泣き言を言わない。
 何か方法はないだろうか、
 何か方法はあるはずだ、
 周囲を見回してみよう。
 いろんな角度から眺めてみよう。
 人の知恵も借りてみよう。
 必ず何とかなるものである。
 何故なら打つ手は常に無限であるからだ。


一生懸命やれば…

2009年04月14日 | コラム

 先週、満開だった桜がいっきに葉桜となり、今日の雨で残った花びらも散って
いく。
 吉田兼好なら、それもまた「あわれ」(趣きふかし)といったところでしょうか…。
確かに、雨のなか新緑が美しいです。


  先日、お客様のところを訪問したら、壁の新しい標語に目がとまりました。

  「一生懸命やれば知恵がでる
   中途半端にやれば愚痴がでる
   いい加減にやればいい訳がでる」

  よく言われることですが、あらためてかみしめてみました。
  愚痴や言い訳がでるのは、まだまだ一生懸命さが足りないんだなと。
  
   このお客様は、景気が厳しいなか、従業員の皆さん明るく、
  挨拶も礼儀正しく、非常に元気な会社です。


花は盛りに…

2009年04月03日 | コラム

 先週末の花冷えから一気に温かくなり、「春」ですね…
4月になり、巷では、初々しい新入社員があふれています。
頑張れフレッシュマン!

 事務所の近くには、淀川の支流の大川があり、両岸はさくらの名所です。
“さくら”と言えば、学生の頃に習った徒然草のある段を思い出します。

 「花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは
雨にむかひて月をこひ たれこめて春の行方知らぬも なほあはれに情け深し
咲きぬべきほどの梢 散りしをれたる庭などこそ 見所多けれ
歌の詞書きにも 『花見にまかれりけるにはやく散り過ぎにければ』とも
『さはる事ありてまからで』なども書けるは『花を見て』といへるに劣れる事かは
花の散り 月の傾くを慕ふならひはさる事なれど ことにかたくななる人ぞ
『この枝かの枝散りにけり 今は見所なし』などはいふめる(以下、省略)

 古文は専門ではないので、少し意訳(飛訳?)になっているのは、
お許しいただくとして、

 「桜の花は満開のときだけがよいのか、月は満月のときだけが美しいのか?
雨で見えない月を想い、外に出かけないで春が過ぎていくのを想うのも
感慨深く趣があるものだ。今にも咲きそうな蕾の枝や、花びらが散った庭こそ
みる価値がある…」
 
 学生時代、吉田兼好は随分、天邪鬼だなと思いました。
満開ではなくて、咲き始めや散った桜がいいなんて。
 今、この年になって、しみじみと「あわれ」が少しわかるようになりました。
(学生時代は、「あはれ」の訳に四苦八苦してたけど・・・)

 何でも、ピークのときだけでなく、はじめにははじめの良さ、
終り際には終りのよさがあるんだと…