税理士の戯言

大阪市中央区の税理士法人代表ブログです

ちょっといい話

2009年08月31日 | コラム
 昨晩、民主圧勝の選挙速報を遅くまで見ていて、さすがに今日は眠いです。
タイムリーな話題なので、そのことについて書きたいと思うのですが、
頭があまり回ってないので次回以降に譲ります。
 
 先週、一年ぶりに決算検討でお会いしたお客様がおられます。
設立5年目の会社ですが、昨年まで計画どおり売上がなかなか増えず、
資金繰りもずっと厳しい状態でした。
 ところが、こつこつやってこられたことがいよいよ実ってきて、
「今年は思いもかけず大幅に黒字になるので税金もかかる。えらいことや」
と急遽相談にお見えになりました。
 
 節税についてはいくつかの方法がありますが、
資金流出をともなわない節税は、現行の法人税ではかなり難しく、
担当者が、節税のメリット、デメリットと資金繰りについて説明しました。

 節税のために来社された社長が最終的に出した結論は、
「お金が出て行く節税はやめて、儲かった分の一部を従業員に賞与を出そう!」
でした。

 会社設立される5年前まで、従業員側だった社長は、
「一生懸命頑張ったときに、思いがけず決算賞与をもらって嬉しかった。
その後さらに会社のために頑張ったことを思い出した。」と話されました。

 先日、お話したように今の会社の寿命は10年と大変厳しい時代です。
しかし、この会社さんはきっと10年、20年と続いていかれるでしょう。 

 「経理ももっと勉強して、数字に強くなりたい!」とお話されながら
素敵な笑顔で帰っていかれました。


コーヒーブレイク 一人旅

2009年08月24日 | コラム

「出発は雨上がりの朝がいい。
道も木も、建物も全てが奇麗に映る。
旅は電車で一人に限る。
全て知らない人との出会いに満ちている。」-昔の雑記帳より-

 
学生時代、よく一人で旅をしました。
夏休みの終わり、この時期にはいつも出かけたくなり、
思い立ったら雑記帳とバックパッキングを持って急に旅立ちます。
前世というのがあるなら、きっと“渡り鳥”だったと思います(笑)

 夏の終わりの更けゆく夜、とりとめもなく*十年前の学生時代に想いを
巡らせていました。
 そういえば、あの頃の将来の夢は、作家になることでした。
今年の芥川賞受賞者は、現役の商社マンの人だったとか(間違ってたら御免なさい)…
 サラリーマン続けながらも、夢を追い続けている人がいるんですね。

 また、久しぶりに一人旅にでたくなりました。


年輪を刻む(設立20周年に寄せて)

2009年08月17日 | コラム

 お盆休みも今日までです。
明日から、ちゃんと起きれるかな・・・と不安に思いながらブログ書いてます(笑)。
 
 
この休み中に、お客様の会社設立20周年のパーティに出席してきました。
 少し長くなりますが、そのときの祝辞の一部です。

 
「一言で20周年と申しましても、ここまでの道のりは、
決して順風満帆なときばかりでなく、
厳しい逆風のときもあったことと思います。

 ある本によりますと、日本で毎年設立される会社は8,9万社くらいあります。
 ところが、3年後にはそのうち40%は倒産という形で消えてなくなり、
さらに5年たつと85%はなくなってしまうとありました。
15%しか残ってないのです。
そして、さらに2年後の10年たったときに残っているのはわずか5%だそうです。
 昔、企業30年説と言われていましたが、経済環境の変化が激しい今では10年説です。
その中で、H社さんは20年という年輪をしっかり刻んでこられました。

 20年前といいますと、平成元年。日本全体がバブルに沸いていたころです。
その年設立された会社が何社かはわかりませんが、
今残っているのはほんの数%と思います。
 また、残っている会社もこの不況のなか厳しい会社が多いと思います。
その数%に残れて、こうして20周年の設立パーティを出来ることは本当に、
社長様はじめ従業員さん皆さんのたゆまない地道な努力、
新しいものにチャレンジしていく開発力、技術力、
そしてまたそれを支えてくださった、
ここにお集まりのお取引先様があっての賜物だと思います。

 
歴史あるところの代表格は、『羊羹の虎屋』さんです。
実に500年続いているそうです。500年前と言えば室町時代です。
500年以上続いた秘訣は、
『変えるべきものと、変えてはならないものを、はっきり区別してきたこと』
だそうです。

 今、世界的な不況のなか、H社さんは創業時の初心を忘れることなく、
今後、さらに独自技術を開発されていくことで30年、40年と
年輪を刻まれていくことと確信しております。」


 このお客様は、非常に特殊な技術、特許ももっておられます。
社長は、学生時代から寝ても冷めてもそのことばかり考えてこられたそうです。
本当に仕事が好きな方で、それが原点です。

 今後また、厳しいときが来るかもしれませんが、
原点を持ち続けておられる限り必ず乗越えていかれるでしょう。

 IT産業のように華々しい業界でなく、飛躍的な増収はないですが、
毎年少しずつ実績と信頼を積み重ね、売上を伸ばしてこられました。
 木でもそうですが、着実に少しずつ成長し、年輪を刻んでいる方が強風や雷雨、風雪に強いものです。


魚になるまで泳げ

2009年08月11日 | コラム

 先週はじめ、「フジヤマのトビウオ」と呼ばれた、古橋広之進氏の訃報がありました。
 古橋さんが活躍されたときは、まだ私も生まれていませんが、
当時、次々と水泳で世界的記録を出し、日本が敗戦で人々が貧しく、
暗かった時代に太陽のような存在で、日本人の希望だったようです。
 
 新聞記事によると、「戦時中の勤労動員で、誤って左手中指の先を機械の歯車にはさみ、
落としている。水泳選手にとり中指を欠くことは致命的。」
 しかしこのハンディを工夫と猛練習で克服したそうです。
選手時代は、毎日6、7時間、2万メートル近く泳いでいたとのことですから、
その努力も半端ではないですね。
 華々しい成果の陰に地道なたゆまない努力があります。

 しかし、新聞記事で一番私の目をひいたのは、
「お国のためと思って泳いだことは一度もない。
目標を達成できた喜び、努力の楽しさが原動力だった。」の部分です。


 今の時代に人々に一番欠けていることかもしれません。
会社を経営していく上でも、実は一番大切なことだと思います。

 社長だけでなく、従業員一人ひとりがそのような気持ちをもって
仕事に取組んでいる会社は強いです。